普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

トヨタの苦境は元社長の奥田さんの責任?トヨタのリコール問題(3)

2010-03-03 17:31:19 | 企業経営

 昨夜、自動車音痴の私にとっては「眼からうろこ」の情報を眼にしました。
 一つは中韓を知りすぎた男
さんの「トヨタ危機回避?」ブログです。
 トヨタファン一筋の私が奥田碩前社長が株主総会で「車は5年保てば十分なんです。それ以上の過剰品質(管理)は見直し、コストの適正化に努めます」という言葉を聴いて、トヨタはとんでもない男を社長に選んでしまったと感じました。
 奥田氏が社長就任して以降、「トヨタはグローバルになる」という旗印で海外進出を急拡大させました。その裏で下請け部品メーカーに対しては徹底したコスト削減要求をしました

 もう一つはtwitter上での1995年に当時の日経連の『新時代の日本的経営』
の中で“長期蓄積能力型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3グループの、非正規雇用を多数とする労働者の階層化”を提言への批判の「つぶやき」です。
 つまり雇用形態の多様化という考え方を打ち出して、第1のコースでは正社員を残すけれども、第2のコースとして契約社員、第3のコースではパートタイマーとか派遣社員、超短期の契約社員というものを作っていくと (日本的経営は解体の最終局面へ:日経ビジネスオンライン
より)と言う提言だそうです。

 これで改めて奥田さんの社長時代の業績をwikipedia 
で調べてみました。
  社長時代にはそれまでどちらかといえば良い意味で保守的だったトヨタを改革したと言われている。奥田時代からトヨタは「攻め」の姿勢に転じて躍進を遂げ、現在の世界第1位の自動車メーカーの座を手にした。このことから、彼の経営手腕は一般的に高く評価されており、他のメーカーの中には彼の改革を手本にする企業まで出てきた。
 奥田の諸改革には常に後ろ盾として豊田章一郎の姿があった
 その一方で、従業員に過度のサービス残業を強いて労働基準監督署の査察を度々受ける事態を招いたり、業績好調にもかかわらず外国人労働者や非正規雇用の確保で賃金の抑制を行ったり、世界第1位の自動車メーカーになることを目標に安易な拡大路線に走り品質管理を怠ったことが2010年のトヨタの大量リコールに繋がったとする指摘もあるなど、彼の経営姿勢を批判する声もきわめて多く、改革への評価と表裏一体である。
 その記述の他に私の気付いたのは中国人を中心にした外国人研修員制度の悪用で摘発された中小企業の愛知県での集中で、トヨタの下請けに対する締めつけが如何に厳しいかと思った記憶があります。
 正に中韓を知りすぎた男さんが奥田さん時代トヨタの品質管理の質の低下、下請けの締めつけを指摘されたとおりです。
 もう一つはwikipediaで触れている豊田本家の豊田章一郎さんの存在です。
 先に書いたように、当時の日経連が『新時代の日本的経営』の提言を行った1995年ですが、調べて見ますと、当時の会長は正に豊田章一郎さん(1994年~1998年)です。
 詰まり奥田さんは日経連の豊田さんのバックアップで、正規社員の終身雇用の旗印の一方で、「業績好調にもかかわらずサービス残業をさせたり、外国人労働者や非正規雇用の確保で賃金の抑制を行ったり」、有名なジヤスト・イン・タイムで下請けに在庫管理の負荷を押しつけるほか、厳しい査定をして下請けに外国人研修制度を悪用して経費を削減させたりしたのでしょう。
 いずれにしても品質では世界の同業の各社で最高を誇ったトヨタが、その品質で米議会の追及を受け、品質管理では最高の賞のデミング賞を受けた豊田章一郎さんの息子の章一さんが、品質管理問題で同議会で証言せねばならぬとは、余りにも皮肉過ぎると思います。
 しかし、豊田社長はその証言で次の様に約束しました。
・「顧客の声を聴く姿勢」に戻る。
・急激な業務拡大で品質より量を重視していた経営姿勢を改め、安全、品質を大切にするという創業以来の価値観を再確認し、組織改革を進める。
・日本の本社品質保証部が管轄だったリコール実施の判断について、必要に応じ、地域単位でもリコールを決定できるシステムを取り入れる
・顧客からの苦情を受け付けた際には、原則24時間以内に現地に向かい、車両を検査できる態勢を目指す。
  正に豊田さんが、日本流の経営に戻すことを宣言したもので、日本の輸出産業のリーダーであるトヨタが、是非その姿勢を貫いて立ち直って貰いたいと思います。
 それと豊田社長の宣言にもう一つ付け加えれば、日本本来の歩いてきた道の(非正規社員を含む)従業員を大切にし、下請けの中小企業を締めつけるだけでなく、そのの育成を考え直して貰うのが、結局はトヨタの永続的な発展に繋がるもので、トヨタがその模範を示して貰いたいと思います。

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