普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

党首討論の勝敗

2008-11-29 16:02:03 | 麻生内閣

 注目の麻生さんと小沢さんの間党首討論が行われた。
 それについて読売新聞は失言警戒・麻生さんVS辛辣攻撃・小沢さん…初の党首討論
で概要次のように報じている。
  
麻生首相と民主党の小沢代表による初めての党首討論は、2008年度第2次補正予算案の扱いなどを巡って小沢氏が攻勢をかけた。
これに対し、このところ失言などが続く首相は“安全運転”に徹し、防戦に回る場面が目立った。
 小沢氏は冒頭から辛辣(しんらつ)な言葉を首相にぶつけた。
 「民主党代表に就任し、きょうで3人の首相に3回目のお祝いを申し上げた。このままだと、近いうちに4回目のお祝いを申し上げる状況になりかねない」と約1年の在任期間で相次いで退陣した安倍元首相、福田前首相のように、麻生首相も足元が危うくなっていると揶揄した。
 小沢氏はさらに、10月30日に緊急の景気対策をまとめながら、2次補正予算案を今国会に提出しようとしない首相を、「筋道が通らない」と批判した。
 補正先送りには、「迷走している定額給付金を盛り込んだ補正予算案を今の国会に提出しても、野党からたたかれるだけだ」(自民党筋)という事情も大きく影響しているのが現実だ。
 「党首力」の勝負に自信を持っていた首相には、党首討論は国民にアピールする絶好の機会のはずだった。
 しかし、首相はその後、道路特定財源や郵政民営化を巡る発言のぶれや医師批判などの失言を続けた。野党でなく、与党内からも「資質」を問う声が出る逆風状態の中、首相はこの日の討論を迎えた。
 小沢氏が「『綸言(りんげん)汗の如(ごと)し』と失言をとがめても、首相は「忠告いただき、ありがとうございます」と殊勝な姿勢を見せた。
 与党では「これでは、明朗で歯切れの良い首相のいい部分がなくなってしまう」という声も出ており、首相にとって、反転攻勢のきっかけというわけにはいかなかったようだ。

[守勢一方の麻生さん]
 私がテレビを見ていたが、小沢さんの攻撃に対して守勢一方の麻生さん。
 いつも見慣れた国会の風景と同じだ。
 小沢さんの攻撃に対して意気上がる民主党員の声援は、麻生さんに対する自民党の声援を遥かに圧倒した。
 素人目で見ても小沢さんの言う第2次補正予算案の早期提出は筋が通っているし、麻生さんの実務的に難しいと言うのは言い訳に過ぎない様な気がする。
 何故なら、麻生さんのが自ら言う「緊急事態の処理にはスピードが必要だ」と言うのは正論だし、国の全権を握る首相の決意とリーダーシップがあれば何とでもなりそうな気がするからだ。
 小沢さんから攻撃されることがはっきりしている、補正予算案提出の遅れはの大きな理由は、「迷走している定額給付金を盛り込んだ補正予算案を今の国会に提出しても、野党からたたかれるだけだ」だけだからだ。
 その理由は、自民党自身が首を捻っている、定額給付金の前身の定額減税を今となっては疫病神の公明党からの提案を受け入れたからだ。
 公明党の提案を当時の福田政権(直接の担当者は当時の自民党幹事長だった麻生さん)が受け入れねばなら無かったのは、党勢の衰退著しい自民党としては公明党の支持なしには政権を維持できないからだ。
 そして公明党がこの提案をしたのは次期の東京都議会議員の選挙に是非勝たねばならないと言う党内の事情があったと報じられていた。
 創価学会から大きな影響を受けていると言われる党の事情で国会が混迷をしているのだ。

[就任当時の対決姿勢の再確認]
 麻生さんは就任当時民主党との対決姿勢を明らかにした
 党首討論だから国会の審議と違って、麻生さんも攻撃出来るチャンスを活かすべきだった。
 然し今回の様に攻撃一方の相手に対して、防御一方では傍目から見ると勝敗は明らかのように見える
 安倍さん、福田さんの早期退陣も首を捻ったが、その原因は当時から政局至上主義の小沢さんの方にも非が或るのは間違いないことだ
 小沢さんの皮肉に対して麻生さんは切り返すことができた筈だ。
 麻生さんの方針の振れへの批判に対しては、新テロ対策特措法改正案に対する民主党の対応や、自民・民主の合意事項を反古にした小沢さんのやり方など批判する材料は多くある筈だ。
 そして両者の間の討論が活発になるほど、どちらの党が優位に立つかは別にして、国民に次期の衆院選の判断材料になる筈だった。

[麻生さんの失言]
 それと今回の討論で麻生さんが防御一方に廻った原因の一つとしては、誰でも知っている発言の振れや失言の数々の批判に対しての彼の発言の慎重姿勢だ。
 今回の彼の発言には殆ど瑕疵はなかった(ように見える)が、読売が指摘するように彼一流の歯切れの良さが消えてしまつた。

 麻生さんは(彼の失言を網を張ってマスコミが待つている)一般の会合の時も、国会などの答弁や党首討論のときも、発言を慎重にすること、そしてその一方で発言の歯切れの良さや時折見せる聞く人達を頷かせるようなウイットを失わぬように心がけるべきだと思う。、
 口下手な私がこのようなことを言うのはおこがましいが、麻生さんならできると思うし、また国の要職にあるものとして、また麻生さんらしくあるためには考えなければならないと思う。

  なおこのエントリーを纏めた後、読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」では麻生さんの発言の振れや、危機感の無い自民党がコテンパンに言われ、辛坊治郎さんが「いつも悪く言われる麻生さんや自民党の良い所を言って貰おうとしてこのこの問題を取り上げていたのに」と嘆いていた。嗚呼!!!

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