普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

田母神論文とサンデープロゼクト

2008-11-17 16:07:04 | 国際社会

 昨日のテレビ朝日の「サンデープロゼクト」で田母神論文のことを取り上げていた。
 出演者は司会の田原総一郎さんの他
志方俊之さん(帝京大学教授 元陸上自衛隊北部方面総監) 
潮匡人さん(帝京大学准教授 元航空自衛隊三等空佐)
田岡俊次さん(軍事ジャーナリスト)
の4人。

[番組での発言と私の意見]青字:番組中の発言、黒字:私の考え)
・前回の田母神さんの参考人招致では手続き論に終始し彼の論文の内容には意識的に避けていることについて出席者は皆同意見。
 それは彼の論文中には正しい事もあり、それを言われたら日本のやった事の一部は侵略かもしれないが、全てが侵略ではないと思っているが、対外的にはそれを公の場で言われたら自民党の大部分、民主党の一部の人達にとって困るからだ。
・潮さんは「侵略」と言う言葉に対しては、一概に決めつけられないという政府の公式見解の資料を示した。

・田母神さんは自分の論文に間違いないと言うが、コミンテルンの謀略説など多くの間違いがある。
  私も前のブログでも書いたが彼の意見に首を捻るところもあったし、海外で見聞したように、親日家も多いが、中には日本軍のやり方に批判的な人達もいた。
  彼の言う様にアジア諸国の人達全てが日本の行動を称賛している訳ではない。

 田母神さんが委員会で「私の書いたものはいささかも間違っているとは思わない」と言ったが、その発言は正確には間違いだと思う。
 然し、彼の論文の中には正しいことも多くある。
 田母神さんも、それを批判する政治家やマスコミも自分の都合の良い所ばかり取り上げているが、そんなことでは議論は空回りするだけだし、日本は良くならない。

・志方さんは田母神さんの言いたいのは、自衛隊の人達に生命を賭けて日本を護って貰うには日本を愛して貰うことだと指摘した。
 私がかねてから書いているように如何に戦争が近代化しても、勝敗を決するのは双方の軍事力の差もあるが、太平洋戦争の日本軍の善戦、ベトナムでの米軍の敗戦、イラク・アフガンでの戦いが長引いているのをが示すように、戦争に従事する兵隊の士気によることも大きい

・田岡さんは自衛隊が村山発言を否定するような偏向教育をしているのは問題だと言った。
 もし田岡さんが、村山発言に基づく自虐史観に基づく歴史認識教育が正しい教育で、そうでない教育が、偏向と言うのは明らかに間違いだ。
 私は田岡さんの発言は単なる失言で、私がその言葉尻を捉えての意見と思うが、「村山発言に基づく自虐史観に基づく歴史認識教育」こそ偏向教育だ。
 私は日本がしてきた事、その時期の世界情勢と諸国のしたことについて、それぞれの良い事、悪い事を公平に取り上げてた編纂された歴史を元に教育するべきだ。
 ただ問題はその教育するための定番となる歴史資料がないことだ。

・田原さんが、今の日本を取り巻く情勢と、昭和一桁の時代の5.15事件と2.26事件の軍人かクーデターを起こした時期と良く似ているとの指摘に志方さんも認めたが、田原さんの田母神論文はクーデターの危険性を孕んでいるのではないかとの指摘に対して、志方さんは自衛隊内ではそうしない為の教育は徹底的にしているので、そう言う事は起こり得ないと断言した。
 私も志方さんの言う様に、そんななことはあり得ないと思っているが、07年の7月に第二の二二六事件?
で書いた様に、政治家はこのような事が絶対に起こらないようにいつも緊張感を持ってことに当たるべきだ
 世界的不況、貧困や社会格差の増大、先進国でもかけ離れた膨大な国債、今までないようなモンスター・**の発生、異常な犯罪の増加、福祉・医療制度の不安、不祥事続きの政官財などなど問題山積の中で、政権奪回と防御のせめぎ合いなどする時だろうか。

[政治家の責任]
・歴史認識の問題

 自衛隊員が自分で日本の歴史を創り出すのは論外だが、政治家自身が作るのも問題だ。
 然し日本にこれと言った定番の歴史がなくて、今回の様な問題のある田母神論文が自衛隊から出ないようにするためにも、出来るだけ正しい歴史を作る様に第三者の学者達に依頼して作るように働きかけるべきだ。
 勿論私が何度も言う様に、日本のやった良い事、悪い事もすべて記すべきだ。
 私はそれでもその歴史を読めば日本が愛し得るにたる良い国だと皆が思うし、自衛隊員の士気の向上に役立つと思う。

・自衛隊員の士気の維持向上
 政治家が自衛隊が文民統制下にあるべきと言うし、私も当然と思うが、文民が自衛隊を統制するためには、今自衛隊員がいかに屈折した感情を持っているかに配慮し、その士気を如何に向上させるかを考えるかを考えるべきだ。
 田岡さんが番組中に、自衛隊員は村山談話に基づく歴史史観で教育されいいることを知って自衛隊に入ったのだからそれ従うべきだと言ったが、私が前にも書いた「国を護るために自衛隊員に金を出して雇ってきたのだから、いざとなったら戦うのは当然だ」と言う考えと同じで、人間の感情など全く無視した発言だ。
 政治家が自衛隊員の感情に対して配慮するのは当然だ。

・自衛隊によるクーデターの危険性
 志方さんの言う様に先ず自衛隊員の教育が必要だが、その前に政治家により前記の様な問題の解決と、政治に対する国民の信用の回復で昭和初期のような不安定な状態に日本を冒せない事が先決だ。
 今の様な時代だから、自衛隊だからと言って幾ら教育しても、その心情まで押さえ付けることは出来ない。
 クーデターなど起こさない様に政治をすることの第一の責任は政治家が負わねばならないのは当然だ。

[マスコミの責任]
 定番の歴史編纂、自衛他員の士気の維持・向上、最悪の場合(起こらないとは思うが)の自衛隊員の決起の全てについて、文民の代表である政治家、国の政治を司ったいる政治家の責任だ。
 その政治家を選ぶのは国民だが、短い選挙戦の間の長い時間の政治家の言動をフォローし、監視し批評するのはマスコミの責任だ。
 特に歴史認識などは対外的な問題で、政治家は表向きには動き難い事情があるので、その活発な議論はネットを除けばマスコミしかない。
 その意味どマスコミはその役割は大きさを自覚すべきだ。

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