普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

田母神論文と自衛隊員の士気

2008-11-10 07:31:58 | 国際社会

 私が田母神さんが定年退職に で、テレビ朝日の「スーパーモーニング」で、朝日系の出演者にしては割と筋の通った発言をするキャスターの赤江玉緒さんも、「田母神さんの論文の検証くらいした方が良いのではないか」と言っていたが、彼の発言の個々の部分の正否さえ公の場(「たかじんのそこまで言って委員会」はどうするのだろうか?)での討論もされずにそのままに成りそうな気がする。と書いたが、9日の同番組でこの問題を取り上げていたので、印象に残った発言と私の意見を纏めてみた。

[自衛隊員の持つ危機感]
・元海上自衛隊士官の惠隆之介さん:阪神・淡路大震災関西大震災の時の自衛隊の出動の遅れの例を挙げて、いざとなったときは自衛隊の司令官の自主的な判断で出動すべきだった。
 これに対して元右翼の鈴木邦男さんを含むパネルの人達から、あの時の責任は兵庫県知事の責任で、それを無視して出動するなど文民統制の枠を外れていると、恵さんがボロクソに叱られていた。
 恵さんの危機感は彼が海上自衛隊勤務中、文民からの批判を恐れる上司の命令で、多くの不審船を見逃した経験や、日本で蔓延している自虐史観などから来ているようだが、パネルの人達の言う様にこのような間違った考えを持つようなったのは文民統制の負の側面を示している。
・恵さん:多くの自衛隊の幹部は文民の意向ばかり考えて完全に公務員化している。
 今まで貰っていた給料の対価として戦え」と言う社民党や共産党が言うような、お役人根性を持つ自衛隊員がいざ戦争となったときに戦える訳はない。
 彼らが日本を愛し日本が護るに足りる国であるか知らずにその生命を賭けて戦えるだろうか

[植民地保有と侵略]
・三宅久之さん:日本の侵略について中国以外は侵略ではない。満州では関東軍が袁世凱に多くの難題を押しつけて、我が物にしてきた。
 私は前にも書いたように中国以外は侵略ではないと思っているので、三宅さんの意見には賛成だ。
 但し満州については、朝鮮半島を護るための日清・日露戦争で得た権益として満州での利権を得ただけで、後三宅さんの言うように非道なこともしたが、清国とロシヤとの半島を巡る覇権争いではあったが、少なくとも侵略戦争で得たものではない。
 一方、中国内地への勢力拡大は侵略戦争と言われても仕方がない。

 昨日の放送を見て居て気がついたのだが、国会、マスコミ、ネット上の議論の中で植民地化と侵略をごっちゃに混ぜているようだ。
 植民地は前にも書いた様に、樺太、朝鮮半島、台湾と問題はあるが満州などは植民地であるが侵略(侵入して土地や物を奪い取る)して得たものではない
  当時まで諸外国でもやっていた植民地保有と侵略それぞれに対する謝罪の重みは全く違うものだ。
 第二次大戦中の東南アジアの侵攻は戦争に勝つための敵国の植民地への侵攻で侵略ではない。
 その点では田母神さんの日本は侵略国家ではないと言うのは正確に言えば間違いだが、そう言いたい気持ちも判らぬではない。
 これからの議論は当時の諸外国はどうであっかどこが侵略したのかは何処がそうでないか個々に議論する必要があると思う。
  
詰まり前にも書いたように、村山談話が全く間違っているとは言えないが、何もかもひっくるめたように聞こえる発言は余りにも軽率で、それが今でも国内外に大きな影を残しているのだ。

[自衛隊員の教育と政治家の責任]
三宅さん:村山談話に基づく所謂自虐史観には問題があるが、その修正の責任は政治家にある
 賛成。
 田母神論文についてはその内容や彼の立場の問題など、パネルから多くの問題点を指摘されたが、このような不備のある論文が公開される前に、少なくても自衛隊内部では最善の資料に基づく歴史認識について教育し、このような不完全に考え方を持たないようにすべきだ。
 そのために政治家達が歴史専門家を集めて、明治維新いらの考え得る最善の近代歴史を纏めるべきだ
 勿論これは今の対中国や韓国への配慮もあり、政府が纏めのではなく政治家達の自発的意志で行い、しかもそれを公開するか否かの政治的配慮もいるかも知れない。
 然し少なくとも生命を賭けて戦う自衛隊の人達には、正しい歴史認識を元に、今までの日本の良かった所、悪かった所を知り、(これから先は私の考え)やはり日本と言う国は生命を賭けて護るに値する国だと言う事を知って貰う必要がある。

 11日の田母神さんの参考人招致のさい、政治家は自衛隊の教育はどうなっているのだと、批判する前に自分たちの責任である問題の教育資料の整備や、如何に自衛隊員にいざとなったとき生命を賭けて戦った貰えるように、如何に彼らの士気を保つべきかを考えるべきだ。
 田母神論文が出た機会に政治家たちは文民統制の点からも如何に自虐史観を如何に処理するべきかを考え直す必要があると思う。

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参考:たかじんのそこまで言って委員会の他の出演者
やしきたかじん、辛坊治郎
パネラー:屋山太郎、田嶋陽子、崔 洋一、桂ざこば、宮崎哲弥、羽野晶紀 
参照:
  
田母神さんが定年退職に 
  
田母神さんの参考人招致
 
  
航空幕僚長の更迭