[オバマさんの抱える問題]
昨夜の英字新聞輪読会の資料でオバマさんの演説の一部が載っていた。
そこで何時もの雑談。
会の圧倒的な多数を占める女性たちは皆オバマさん贔屓だ。
彼の感動的な演説、始めての黒人大統領、堅実・沈着・冷静さ、若さなどなど、中にはオバマさん夫人のミシェルさんの活躍に期待すると言う人も。
然し、彼には大きな困難が待ち受けている。
彼の公約のビッグスリーの支援、医療保険の拡充や雇用対策の充実などの資金調達の問題。
その他に、現政権の金融機関への約15兆円公的資金の注入を容認。
一方ではビッグスリーを始めとするリストラの波、米金融大手シティグループでさえ、今日の報道によれば、今年、2万3000人の人員削減を行ったに続いて5万人削減を打ち出したが、その失業者の対策も必要だ。
それに加えて大量の失業者の発生や経済の低迷で、今まで米国経済を支えてきた国内消費の低下によるGDPの縮小による財政収入の減少。
以上のことを考えると今でも膨大な財政赤字に加えてさらなる借金をするしかない。
それはまたドル価格の低下→経済の低迷をもたらす。
それはオバマさんに取っては超えねばならない試練だが、廻り廻って輸出に頼る日本経済に大きな影響をもたらすので他人事ではない。
[麻生さんの抱える問題]
麻生さんの定額給付金に関するの発言の揺れと、与党内から不規則発言に対する批判、それに対するマスコミの批判で、今や麻生内閣支持率は低下の一途を辿っている。
自民党員はこの案を定額減税の形で気息奄々の福田さんに押しつけた公明党を疫病神のように思っているに違いないが、縁をきる訳にはいかない。
追加歳出1兆8081億円を柱とする平成20年度補正予算案は成立した後、世界的 金融悪化のために、定額給付金、金融安定化策、地方活性策を中心とする第2次補正予算案を考えているが、定額給付金は勿論、道路特定財源の一般財源化したものから1兆円を地方に回すことでも、国土交通大臣や道路族などから解釈の違いや反対意見が出る。
それで今や野党の民主党から同法案を早く提出しろと言うのを自民党が渋ると言う珍現象が出ている。
第2次補正予算案の提出問題では、自民・民主の駆け引きの面もあるが、国民から見れば、定額給付金や金融安定化策を始めとする政府の経済対策で世の中が麻生さんの言う様に、三年後に消費税が上げるられるほど経済が回復できかと言う不安のが大きいことが、支持率低下の一因となっているのは間違いないようだ。
[日本のこれから]
昨夜のテレビ東京のビジネス・サテライトで、三菱UFJ証券チーフエコノミストの水野 和夫さんが現在の経済状況の変化とその対策について解説していた。
(なお水野さんの持論の詳細については、三菱UFJ証券・チーフエコノミスト 水野和夫氏に聞くをご覧ください。)
水野さんの意見
・経済回復のための財政出動の効果は一時的なものだ。
・特に金融機関の支援のための潤沢な資金の供給は、金融のグローバル化のために中小企業への貸し渋り対策など本来の目的から離れて、投機・投資資金の方に流れてしまうので、いつまでも続けることは却って弊害がある。
詰まり世界の経済環境がグローバル化のため変わってしまったのだ。
・今のままでの内需拡大政策は少子化や非正規労働者の増加に伴う国民所得の減少で役に立たない。
・これからはアジアの新興国と手を結び進出すべきだ。
何故なら同地域では日本や日本的ライフスタイスルへの憧れがある
・そのチャンスを活かして同地域への輸出や、生産工場の移転は勿論、小売業などのサーピス産業の進出すべきだ。
・その為にアジア基金の創設やアジア共同体の設立をすべきだ。
・そして日本の産業を活性化させることで内需を拡大すべきだ。
水野さんが言う様な説が必ずしも薔薇色のように展開するとは思えないが、その前向きの考え方には賛成だ。
マスコミやネット上で言われているように、2兆円もの定額給付金の財源があるなら、国民の生活防衛に使うより、医療崩壊、社会福祉問題、少子化対策の解決のためや、将来の子供の育成のめの教育関係への投資に使った方が良いと思う。
また千年一日のように行っている金融機関救済のための公的資金供給や、その無条件の供給の功罪も改めに見直す必要があると思う。
また今の世界全体の金融不況の中で、相対的に優位にある金融機関や強い円の立場を利用しての世界への積極的展開を図るべきだと思う。
今世界的に経済状況が激変し、中には経済環境が180度変わったと言う人もいる中で、素人目から見ても麻生さん(それと日銀)は昔のやり方をしているような気がしてならない。
それが国民の不安を煽っているのかも知れない。
[オバマさんと麻生さん]
米国のオバマさんには前述のように将来大きな困難が待ってはいるが、確実に問題を捉え的確な対策を講じている( or ように見える)ことが彼の人気を得ている理由のようだ。
ただ麻生さんの立場に立って言えば、麻生さんは組閣直ぐから国政に取り組まねばならぬこと、そして首相就任直後に世界的な金融危機が発生したこと、オバマさんに取ってはその金融危機が選挙に有利に働いた事、当選後は来年の1月終わりまでゆっくりと現在の情勢を見ながら、シカゴで身の廻りを固めじっくりと対策を考えられることだ。
麻生さんの発言が揺れ動くのは勿論彼自身の責任だが、米国発の金融危機が無ければ、そしてオバマさんの様にじっくりと考える余裕があればもっと違った展開になると思う。
然し麻生さんは自らの意志で首相の地位を獲得したのだからそのような事で泣き言を言わずに頑張って貰うしかない。
それともう一つ、前にも書いたが、将来の政治生活を影響を及ぼさないような引き際をどうするかも考えていた方が良いのかも知れない。
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