普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

教育再生会議がおかしい

2006-12-24 16:26:25 | 教育

<<会議のメンバーが素案への非難>>
12月21日に教育再生会議の第1次報告の素案の報道がありました。
教育再生会議、素案に批判続出…運営委に差し戻し
 政府の「教育再生会議」(野依良治座長)は21日午前、安倍首相が出席して首相官邸で総会を開き、1月にまとめる第1次報告の素案を審議した。
 素案は、<1>学力向上<2>いじめ対策<3>教員の質の向上<4>学校、教育委員会改革――などが柱だ。委員からは「具体性に欠ける」「メッセージ性がない」などの批判が続出したため、主要メンバーで構成する運営委員会で素案を練り直すことを決めた。
 素案は、いじめ対策で、反社会的行動を繰り返す子供への出席停止制度について、「サポート体制を取る」などとした。しかし、教員免許更新制については、導入の必要性を強調するにとどまるなど、踏み込んだ内容にならなかった。
 このため、複数の委員から「具体策に踏み込んでいない」「事務的な文章になってしまった」という批判が出た。首相も総会でのあいさつで、「ある程度具体的な目標や検討課題を入れて頂きたい」と指示した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061221it04.htm
(12月21日  読売新聞)

総会後の関係者からの意見も読売に出ていました。
事務局長の山谷さん「おおむね素案の方向性は了承された」
白石さん「素案が分科会の議論と乖離している」
浅利さん「与党、文科省、組合への配慮だろうが、意見が中和されている」
渡辺さん「素案には反対だ。大学の9月入学は大方賛成だったはずだ」
渡辺さん「我々が提案がボコボコ削られていくのはおかしい」

<<教育再生会議が中央教育審議会の二の舞?>>
この報道を見て、中央教育審議会の答申を思い出しました。
ゆとり教育→学力強化→小学校に英語教育の導入です。
なんと言う世間の動きや批判に流された無定見な答申でしょう。
これで安倍さんが屋上屋を架すの批判を押して教育再生会議を作ったのも良く判ります。
報道された再生会議の現場で実際にどうして良いか判らないいじめ対策、いい加減な父兄による教員の評価などの案などと、その裏に見え隠れする教員の締めつけによる管理手法など首を捻るものばかりです。

会議中の提案を削るのは誰でしょう。
誰が素案を纏めるのでしょう。
前記報道の浅利さんの発言のように、教育再生会議も中央教育審議会と同じように、実際は文部官僚のコントロール下にあるように思えてなりません。
再生会議は非公開で行われるそうですが、それは会議中の文科省の介入を他に知られない為としか思えません。

<<再生会議の独立性を保つために>>
小泉さんの時のようにいくら民営化した道路公団や社会保険庁に民間からトップに送り込んでも、腹心の部下が要所に配置されない限り、結局は詳しい情報から隔絶した奥まった部屋に押し込まれお飾りにされてしまうのが落ちです。
再生会議も、素案作成に問題があるのなら民間からでたメンバーのグループから主要な人材を会議の事務部門に入れてことに当たらせ無い限り、今度にような問題が起こるのは間違いないと思います。

再生会議には立派な人達ばかり集められていると思います。
何故彼らが自由に発言し、またその発言の結果を重く見て貰えないのでしょうか。
そのために有識者を選んだと思います。

<<結局は安倍さんのリーダーシップ>>
勿論彼らの発言のなかには、実際上難しいものもあるかも知れないし、文科省や与党、組合から反発がでるかも知れません。
しかし、それは正式の答申が出され後に、それが難しい問題であっても、前向きに処理され調整されるべきのものでしょう。
そして、それで調整がつかぬときは、政治家や最後には首相の決断に待つべきものだと思います。
始めから文科省や、与党、マスコミの批判を考慮していては、また中央教育審議会の二の舞になるしかありません。
教育再生は安倍さんの一枚看板だった筈です。
最近のおかしな再生会議の運営に対して、文部官僚の口出し(もしあれば)の禁止など、安倍さんの強いリーダー・シップを期待しています。

参照
へんてこな父兄も教員の評価をするのでしょうか
教員の締めつけよりも教育環境の改善
これでいいのか中央教育審議会
私の考えるいじめ対策

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