手稲は最高!

手稲在住30年、手稲って本当にいいなって常々思っています。時に触れ、折に付け思いついた事を、取り留めなく書いてみます。

「小さな秋、見つけた・・・」 雑感

2007-09-05 19:35:45 | 随想

 よく「小さな秋、見つけた」という見出しで、秋を告げる風物を紹介しているのを目にする。

 もう9月になったので、秋を見つけるまでも無く、厳然と秋が見えます。初秋残暑の厳しいころに私はいつも思い出すのが、藤原敏行作の「秋来ぬと目にはさやかに見へねども風の音にぞおどろかれぬる」という和歌です。同じように「桐一葉落ちて天下の秋を知る」と言う句を思い出す。これらも、小さい秋を見つけた代表作でしょう。それとは判らないような季節の移ろいを鋭く見抜く詩人の感性に惹かれます。

 中国の唐代の詩人、張籍は「洛陽城裏秋風を見る」と歌っています。風は肌で感じるもので、目に見えるものではないのですが、それを「見る」と表現したところに面白さがあります。これは小さな秋ではなく、むしろ、しみじみ秋を感じさせる郷愁を誘う風なのです。それにしても、「見る」と言う一言で、秋の情趣を言い尽くしたのは素晴らしいことだと思います。

 秋と春とを比較して、どちらが好きかといった議論が昔からあります。どちらにも素晴らしい趣があり、その人の好み次第でしようが、北海道に住んでいると、待たれるものは「春」です。

 秋は短く、短いだけに、あの澄み切った青空、夜空の星、虫の声、一年の締めくくりのように鮮やかに装う山々の紅葉・・・これらは暑い夏に痛めつけられた私たちを癒してくれる素晴らしい贈り物です。

 小さな秋をみ・・つ・・け・・た」なんいっているうちにどんどん秋は深まってゆく・・・。

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