土曜の朝から昼前にかけて畝を立ち上げ苗床を作って有機肥料をたっぷりと敷いた。間に土を挟んで種芋「デジマ」を50ばかり植えつけて一休みしたら、白菜と春菊の種を撒くのが億劫になった。
農作業の余韻を残したままわが家に引き返して、ひと月ほど前に買った『野菜ワークショップ 野菜の学校 おいしさの基本を知る』(岩波アクティブ新書)に手を伸ばした。この新書はいきなり「野菜を作ることはできない」という短い文章から始まる。「農業とは植物の種を植えてそれを育てることであって、人間は野菜を作ったり生産したりすることはできない」と前置きして、「生き物は植物によって生かされているということを理解して欲しい。」と締めくくる。表現の自然さにつられて2、3時間ほどで読み通した。様々な角度から我が国の野菜について解説している。