昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

フキノトウ料理

2006-04-18 16:51:57 | 日々の雑記
 先日訪れた自転車道路で「フキノトウ」の新芽を目にした時、早速く摘んで帰ろうと思ったが、その道路が人家近くで、犬の散歩に良く使われているのに気付いて断念した。それ以来昨年味わった「フキノトウ」の味覚が甦り、その食欲の虜になっている。 山菜の一種で珍しくも何でもない、たかが「フキノトウ」に何故それまでに、と思われるかも知れないが、70余歳の老人には何にも替え難い、この時季ならではの旬の味なのである。  そんな矢先の今日の午後、娘がサイクリング出掛けた先の湿原で、新鮮な「フキノトウ」を見つけたからと云って届けてくれた。 それは顔を出したばかりと思われ、色合いまだ淡い薄緑のフキノトウであった。さっそくその日の夕餉の食卓に並べられ、まさに一年ぶりの懐かしい味覚を、心行くまで堪能した。  「フキノトウ味噌」は味噌の香に、独特のほろ苦さが程好く混ざり合って、実に味わい深い味覚を醸し出していたが、どちらかと云うと私は天麩羅の方が好きだ。皿の盛った場合の薄緑は、まさに春一番の味覚の象徴、フキノトウならではの色合いである。またフキ味噌には無い香りとほろ苦さは格別で、塩とテン汁の二種類で賞味した。因みに少量の酢を加えた衣のサクサク感は、更なる忘れ難い味わいとして残った。

 たかがフキノトウに、これほどまでにと思われるでしょうが、野菜・果実・魚類の旬が無くなって久しい云われ、世の中の食生活はどんどん便利になって行きます。それはそれで良いことなのでしょうが、何故か一抹の寂しさを感じます。この年寄りの味覚への執着心は、古き良き時代に対する、一つの郷愁なのも知れません。
   
      娘が釧路湿原から摘んで来た「フキノトウ」 

     早速く天麩羅にした「フキノトウ」        



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4 コメント

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じゃこしかさん、こんばんは (polo181)
2006-04-18 21:06:28
ついにフキノトウが出ましたか。それは何よりの喜び。私もテンプラが好きです。あの苦味はある程度大人になっていないと、分からない微妙な味覚です。八ヶ岳では、群生地があるのだけれど、顔を出すのはまだまだ先のことのようだった。私はフキとタケノコとを一緒に煮たのが好きです。ご飯が進む一品です。
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poloさんこんにちは (じゃこしか)
2006-04-19 15:23:19
 この春一番の味覚は、年に一度のものですから、じっくりと味わって賞味しております。また来春まで首を長くして待つことになりますが、その食欲と念願が生きる事への活力になるのでは・・・少し大袈裟でしたね。
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美味しそうですね (熊子)
2006-04-19 20:36:27
昨年初めてフキノトウの天婦羅、味噌和え、酢味噌などと作って食べました。私は大好きな味でしたが、残念ながら家族には不評でした。ですから友人が作った一品をいただき食べました。春にはこうしたアクのある苦味の一品は北の大地の私達には欠かせないものです。そろそろ山ネギ採りに入る人の姿を見かけます。楽しみな季節がまもなくですね。
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熊子さんこんにちは (じゃこしか)
2006-04-20 09:58:00
 同じ山菜でも、こうしたクセのあるものは、今時の若い人たちには無理でしょうね。

 良き時代の食文化は、いずれ廃れてゆくのでしょうが、せめて生のある内は楽しみたいと願っています。
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