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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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長柄のちゃんちゃん祭宮入り

2014年10月01日 07時19分39秒 | 天理市へ
大和神社の春の祭りのちゃんちゃん祭に出仕されるのは、大和神社郷中にあたる旧村岸田町、成願寺(じょうがんじ)町、萱生(かよう)町、長柄町、三昧田(さんまいでん)町、新泉(にいずみ)町、中山町、兵庫町、佐保庄町の9カ大字である。

いずれの町内ともちゃんちゃん祭より一週間前の23日、大和神社に参って宮入りをする。

二日前に御幣挟みの神事に訪れた天理市の長柄町。

全戸数は280戸であるが、ちゃんちゃん祭に出仕されるのは新町を含まない旧村である。

頭屋を受ける家はおよそ20戸。

9年間で一巡するそうだ。

宮入りに出向くのは兄・弟頭屋とトーニンゴ(長柄では充てる漢字は唐人児)が4人。

白衣を着用して金色の烏帽子を被ったトーニンゴの赤い襷が美しい。

4人揃って大和神社へ歩いていくのだろうか。

そう思って出向いた長柄町。

大和神社から片道2kmもある。

歩数計で示した歩数は往復で3300歩。

まあまあの距離である。

鳥居がある表参道から入っていくのだろうと思っていたがそうではなかった。

両頭屋とも車で移動であった。

宮入りの順番は予め引かれた籤引き。毎年替る宮入りの順である。

この年の順は13時に佐保庄、13時20分が長柄、13時40分が萱生、14時に岸田、14時20分は中山、14時40分は三昧田、15時に新泉、15時20分は成願寺、15時40分が兵庫の各大字は20分おきに宮入り神事がなされる。

登壇された大字が揃えば太鼓がドン、ドンと打たれる。

長柄の人たちが着いているにも拘わらず太鼓の音が聞こえない。

どうやら先行する大字が遅れているようだ。

しばらくして始まった宮入りの神事。

厳かに行われる。

神事を終えた大字は年預総代よりご神水を受け取って戻っていく。

到着した各大字は社務所で記帳されて手水を受け清めておく。

順番がくれば案内されて登壇する。

その際には持ってきたお供えを手渡す。

長柄では兄頭屋が酒二合、弟頭屋は洗い米に塩と決まっている。

受け取るご神水は水筒。

年預総代に渡しておく。

太鼓が打たれて始まった長柄の宮入り。

手渡したお供えは祭壇に置かれる。



祓えの儀を済ませて祝詞を奏上される。

玉串奉奠はトーニンゴが作法をする。

神職に教わりながら初めて体験する玉串奉奠である。

以上をもって神事を終える。

ご神水を入れていただいた水筒と授かった御幣を持ち帰る。

ちなみにトーニンゴは子供男児であれば良いのだが、でなければ孫男児。

頭屋に当たった際の子供の年齢がトーニンゴを受ける小学生であれば・・・。

そういうようなうまい具合にいかない場合もある。

そのときは外孫、それでもいなければ在住氏子にお願いして役目を満たす借り子となる。

6年前に当たった兄頭屋も10年ほど前に当たった弟頭屋もそうせざるを得なかったと話す。

これより一週間後の31日は宵宮参り。

各大字の順番はこの日と同じである。

その日は幟などを持つ渡人とともにお渡りをする。

車でなくて徒歩で出仕すると云う。

到着時間を見計らって指定の場所に集合するようだ。

なお、本祭りの際にはトーニンゴの額に朱色で化粧する。

兄トーニンゴは「大」で、弟トーニンゴは「小」の文字を口紅で書くそうだ。

弟頭屋の話しによれば、宵宮参り、本祭出仕とも長柄町に鎮座する白堤(しらとり)神社への参拝はされないようだ。

新泉町や兵庫町、佐保庄町では町内の氏神さんに参るのであるが、長柄町では行われない大和神社の出仕なのである。

(H26. 3.23 EOS40D撮影)