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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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佐田下宮さんのお祭り

2009年11月23日 06時27分00秒 | 高取町へ
佐田の下宮(しもみや)さんの塚穴に水が溜まっているのは猿沢池に繋がっていると伝わっている。

子どものときは人阿入れるほどの穴だったが土が崩れて小さくなった。

今夜は宮講の人がその下宮さんにお参りする日。

講中の一人は日が暮れる前から境内でシバ組みしたトンドを燃やして待っている。

かつて雨乞いをしていた下宮さん。

夜に弁当と持って提灯の灯りで暗い道を歩いていった。

そして雨が降るまで般若心経を唱えていた。

その夜はお籠もりの日だった。

分水ができてからは雨乞いをしなくなったが、秋が終わるころに下宮さんのお祭りとして心経を唱えている。

佐田ふる里館に集まった講中は出発前にしばらく歓談。

時間がきたら提灯をロープに数珠繋ぎにする。

さぁ行こうかと法被を着た講衆。

提灯に火を点けて夜道を歩き出したお渡りだ。

唄う伊勢音頭は稲刈りを終えた田畠に広がる。

約1kmほどの森の中に下宮さんが鎮座する。

持ってきた提灯は両脇の木に括り付けて注連縄のように張る。

トンドの周りにゴザを敷き、そこに座る。代表者数名は灯明を点した前に座り、般若心経一巻を唱え手を合わせる。



それだけで祭礼は終わった。

そのあとは村の行事や役員などの報告会。



お菓子を肴に酒を飲む。

子どもも一緒に楽しむ籠もりは1時間ほどで終わった。

その夜は県北中部地域に強い雨が振った。

佐田の下宮さんの雨乞いが関係したかどうかは天の答えを聞くしかないだろう。

(H21.10.25 Kiss Digtal N撮影)