マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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野依白山神社の行事

2009年11月10日 07時06分01秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
5月に節句オンダが行われている大宇陀野依の白山神社では簡素化しつつ数々の伝統行事が残されている。



<画像は5年前に行われた節句オンダのオバア>

秋祭りの前の一日は十月朔座といって女の神さんと男の神さんを決める籤が引かれる。

たばってきた伊勢のケンサキを使って対象の氏子の名前を記したものを引き上げる。

静電気を帯びたケンサキが籤を引き上げる、いわゆる神籤占いと呼ばれるもの。

その神さんを一年間家で奉る役目を決める日でトーヤ講(トーヤ座ともいう)の儀式だそうだ。

トーヤはダイトウとショウトウの二人を決める。

第二土曜は宵宮。翌日の第二日曜の昼過ぎにはオトウ渡しが行われる。

神さんを肩に担いで西から、受け取るトーヤは東から出発して真ん中あたりで落ち合う。

神さんは右肩で担いだらその体制で持っていく。

肩が痛いからと途中で替えることはできない。

落ち合ったら神さんを引き取って家に戻っていく。

親族は玄関で迎えて、ありがたい神さんがやってきたということで拝礼する。

その儀式はたいそうだからと平成の時代に入ったころに改正され、肩に担ぐことなく本殿で行われている。

また、正月には大晦日からトーヤが初詣に来る人を迎える。

一晩迎えた朝を超した昼過ぎから社務所で半紙に印を押すように刷る。

梵字のようなものでゴーさんという。

かつてお寺があったという。

おそらく廃寺になったことから神社で刷るようになったものと考えられ、それは牛玉宝印の書刷りと思われる。

そのお札は苗代を作るときに挿すそうだ。

(H21.10.17 総代聞き取り)