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──H.S.サリヴァン『現代精神医学の概念』中井久夫他訳、みすず書房1976年
ここで私の気持ちを言わせていただければ、この連続講義を成功させるためには、
もっとも重症な機能的精神病(分裂病や躁鬱病などを指す)が示すさまざまな現象にも、
それ独自のものは全然ないことを証明しおおせなければならないと思っている。
たとえば、急性の分裂病患者がみせる最も奇異な行動さえも、
それはわれわれの誰しもが日常馴染みの対人過程、
あるいは過去の生活において馴染みであった対人過程から成るものである。
私はこのことをぜひ証明したい。精神病者の営為、すなわちその対人過程、
の圧倒的大部分は、われわれが一日二四時間のどこあたりかで現わす
対人過程と厳密に同一の材料からつくられている。
一般論的に言えば、われわれは何よりも先ず等しく同じ人間である。
幸福な成功者であろうと、超然と自足している者であろうと、
悲惨な境遇の精神病者であろうと、その他どのような者であろうと、
この点には変わりはない。
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