ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「永遠の祭礼」20240707

2024-07-07 | Weblog

 

 

ひとり、まただれかが
なまえを呼ばれ

みえない腕に抱かれ
呻吟の海を渡り
コスモスの闇を抜ける

この星に滾るエロスの光
はかり知れない誘い
生きる理由を与えるもの

呼ぶ声は心臓深く
突き刺さり、肉を焦がす

きよらかな光が凝集し
はかない視覚を洗い

発情に咽ぶまなざしの子宮に
太古の祭礼が屹立する

永遠の律動に騎乗し
遠く近く、熱く冷たく

むせびにふるえ
無量の光が氾濫する

涙がこぼれ、かなしみが溶け
未知の分娩を幻視して
祭礼ははるかに駆け上り

細胞の共振は轟音を響かせ
緊縛されたセルフを道連れに
陶酔の極北へ加速する

昇天の熱が夢を溶かし
かなしみを埋めた辺境に
せつない嗚咽が木霊し

夢に濡れた夜に閃光が走り
精霊たちの白熱が貫通し

永遠とむすぶ時のさざ波が
孤独のひだを洗い
ちいさな死がくちびるを重ねる

彼岸をめがけるように
喪神の祭壇に踊る可憐な巫女たち

酷薄な刻印をうがたれた
コスモスの生け贄なのか

はかないまなざしの内側を照らす
祝福の閃光なのか

幻想の涙に濡れて光が走り
無限の闇が身震いした

永遠をつむぐ祭礼に抱かれ

はるかな時の流れにそって
ひとり、孤独な小径を刻んでいく

ちいさな心臓を捧げた陶酔に
なんどもわかれの挨拶を交わし

いつか夜の果てにたどり着いたとき
巫女たちは戻るものなのか

みえない戒律にうながされ
この星のせつない歌とともに
滅びていくものなのか

それともかなしみの向こう側へ
突き抜けてゆくものなのか

永遠のしきたりに導かれるように
呼ぶ声にさらわれ
またひとり、夜を超えてゆく

 

 

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