ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「よき感情」20240710(20221027)

2024-07-10 | Weblog

 

 


 情動、衝迫、欲求、エロス的力動、意味、価値、強度、
 時間性、空間、そして現前地平、これらのことは同じ出来事の、
 すなわち始原的世界分節という出来事の諸側面にほかならない。

               ──竹田青嗣「本質学2」48

       *


はじまりの地平は、いまここに
つねにはじまりの地平でありつづけている

過去 現在 未来
他者、社会、世界
からだ、思考、感情

すべては現前意識の水面に現象している
現象するものを目撃し、染まり、まみれている

世界の色づかせる作動が先行してことばが励起し
心は動き、ことばに手を伸ばし、ことばを結ぶ

現前するものから逆算して自らを規定するまえに
一切の現象の地平、「われ」を適切にもてなす作法がある

       *

世界分節の始原の地平にいつか苦い感情が姿を見せる
干上がり、砂漠化し、切断のエロスに魅せられた心がいる
  
ある感情はあるとき、あるものの死を裏書きするように
切り捨てるように、記述を確定するように動いていく

貧しく、やせ細った、酷薄な世界の姿を証明するように
ふさわしいことばを選んで心はみずからを強化していく

ことばたちを、ある必然性において、その逆の方角へ

価値あり価値なしを告げる始原の告知を聴き切ったあと
新たな世界の現われを導く〝ことば〟を連結するように

新たな「ありうる」を告げ、ささえるものとなるように
いま、ここに、つねに見出されるべき「よき感情」がある

 

 

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