ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「価値と変化」

2021-08-20 | Weblog

 

 

    *

「きれいだね」
「どこが?」
「すべて」
「I don't think so」
「わからないかな」
「わかるわからないの問題?」
「いまにわかるさ」
「逆かもね」
「What?」
「飽きる、かも」
「ぼくが?」
「うん」
「どうかな」
「いまにわかるわ」

    *

ある人間にとっての「価値」(情報)は、
別の人間にとっては「無価値」(ゴミ)である

ある人間にとって「ろくでなし」は
別の人間にとって「最愛の対象」である

ある共同体における「真」は
別の共同体においては「偽」である

ほんとう-うそ よい-わるい きれい-きたない

生がたずさえる価値の多様性、多数性
価値を一つにすること、差異を消すことはできない

価値コードのちがいにフォーカスして対峙すればミゾは埋まらない
世界にラインを走らせ価値的に世界を区分する
それぞれにとっての価値コードの固有性と絶対性、状況性

ちがう者同士が〝共生〟という主題をもつとき
差異の抹消ではない方法が見出されなければならない

このとき第一にフォーカスすべきは価値の階梯、優劣でなく
差異が差異のまま生きられる共生の条件とはなにか

関係の原理──見出すべき第三領域

第一には、世界を価値づけ区分して生きるという共通本質
それぞれに異なる価値を生きる存在として認め合うこと

共通本質の取り出しから相互承認=共生に至る道は開かれていく

価値の一元化の道──「真理は一つでなければならない」
それは歴史のなかで失敗の連続でしかなかった方法である
すべての人間に妥当する「絶対的価値コード(真理)」は必ずゲバルトを要請する

〝絶対の真理〟という仮象の観念によって無数の生の全域を覆うことはできない

むしろ、どこかに存在する絶対の真理という仮象の観念を抱く心性の傾向
取り出すべきは絶対を求めてしまうことの人間的な本質である

第二には、〝時間〟という変化の契機を自覚的に取り出すこと

生きられる固有の状況、それぞれの生の一回性、痛切性、状況性
そこには「生きられる真」の多様性と多数性だけがある

変化は〝時間〟という契機において起こる

恋のあけそめにおいて「美」であるものが
恋のたそがれにおいて「醜」に変化する

経験の感性的累積に媒介されてある作品は「駄作」から「傑作」に変異する。
大嫌いなピーマン、ニンジンはいつしか食事の定番になる

人間は変化する、関係は変化する──

変化の理由と根拠を見極めつくすことはできない
しかしその本質はつねに「生のエロス」をめぐっている

生の享受可能性をどこに求め、なにを欲しているか
新たな「ありうる」を求めて生きる人間的本質

世界の現われ、色合い、意味配列、基底的価値は変化していく
変化はそのまま欲望(生の主題)の変化をプレゼンテーションしている

欲望そのものに手をかけて恣意的に操作することはできない

世界にラインを走らせ、世界に向かわせる動機を与えるものに、
外部から直接手を入れ、操作的に作りかえることはできない

見出すべきはそれぞれの欲望が望む変化の可能性の条件
それぞれの存在の内的な必然に導かれるように、
世界の現われ、世界への関与の仕方は変化していく

意識主体にできること──

時間という契機を自覚的に取り込むことで、
生きるかまえ、関係態度を変えることはできる

「変化しうる自己」の自覚、この自覚をさらに
「変化しうる他者」の認識へ接続する

ここから、相互的展開を可能にする社会的な関係構造とは何か
相互の価値を生かし、相互に変化へ向かう共通本質を生かしうる条件とは何か
そのことについては徹底的に考えることができる

 

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