──中井久夫『徴候・記憶・外傷』
(「トラウマとその治療経験」)
治療者内面の正義感はしばしば禁じ得ないが、治療の場の基底音としては、
むしろ、慎ましい「人性(あるいは運命)への静かな悲しみ」のほうがふさわしいだろう。
外傷はすべての人に起こりうることであり、「私ではなくなぜあなたが」(神谷由美子)とともに
「傷つきうる柔らかい精神」(野田正彰『戦争と罪責』)への畏敬がなくてはなるまい。
──中井久夫『徴候・記憶・外傷』
(「トラウマとその治療経験」)
治療者内面の正義感はしばしば禁じ得ないが、治療の場の基底音としては、
むしろ、慎ましい「人性(あるいは運命)への静かな悲しみ」のほうがふさわしいだろう。
外傷はすべての人に起こりうることであり、「私ではなくなぜあなたが」(神谷由美子)とともに
「傷つきうる柔らかい精神」(野田正彰『戦争と罪責』)への畏敬がなくてはなるまい。