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鍋こもごも①

2014-12-07 10:48:52 | Weblog

写真上は迪庆藏族自治州徳欽県の料理屋の鍋の付け合わせ野菜(2004年6月撮影)。写真下は徳欽近くの斯農村でブルーベリーを食べる子(2004年6月撮影)。
鶏肉主体でまずグツグツの鍋に野菜の付け合わせ(セリの刻んだものと、)唐辛子の刻んだものをスープで溶き、食べる。大盛りの葉の周囲が波立った野菜は雲南の他の土地では見たことがないが、名前は不明。どなたがご存じの方がいたら教えてください(さんざん調べても見つからないところから、本来の、例えば根菜類の野菜の上の葉とか、何かの間引いた野菜ではないかと考えられるのだが。)

そもそも、徳欽は峻険な山に囲まれ、街の標高は3400メートル。セリやワラビなどの山菜の他には野菜はあまり採れないので、外地から買うことが多い。料理屋では野菜が豊富だが、地元のご家庭を訪問すると、ヤクの乳を固めたバターと茶葉から造ったスーユー茶を何杯もいただくことになるが、これら貴重なビタミン源となる。あとは裸麦を炒った焦がし粉のようなもの、ごちそうには卵焼き。冬場干したヤクや豚の肉のハムなど。ブルーベリーなどのベリー類も6月は貴重なビタミン補給となり、丼に盛って子ども達がパクパク食べていた。私たちも食べた。濃厚なブルーベリーの香りと甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。

【トウガラシの悲劇】
寒くなると、鍋の季節です。雲南では私のいた2004年の段階ですでに、トウガラシの粉末を大量にいれた鍋がおおはやりで、寒い季節には、かつての定番だった白濁した白湯(鳥ガラスープのあっさりスープ)には目もくれず、そちらの鍋屋がおおやはりとなり、結果、病院の胃腸科が大繁盛となってしまう事態が、地元新聞を賑わせていました。寒さでただでさえ、胃腸が弱まる上に、ご経験された方もおありでしょうが、辛さは胃腸以下をただれさせ、たいへんいたむのです。

トウガラシには、辛いものに慣れると、より辛いものを求めてしまうという中毒性ともいうべきものがあり(アマール・ナージ著『トウガラシの文化誌』晶文社、1997年12月出版)、しかも一時的に身体を温める作用もあるため、より辛いものへと人々はなびいていってしまう悲しさ。

 もともとトウガラシ文化は雲南に土着していたものではなく、ここ半世紀の間に徐々に定着したものなので、少数民族が多く住む地域に行くと、最初から鍋にトウガラシ粉末で赤々としているような無粋な鍋はなく、たいてい、白湯スープにショウガや棗やクコの実、四川名物の花山椒、雲南名産の草果、当帰など漢方薬膳ともいえるようなものが入った鍋か、豆乳鍋となります。

 日本でも今ではパックに「豆乳鍋」とかかれた割り下用スープが売られるようになり、知名度が出てきましたが、10年前に雲南で食べた時には新鮮な感動を覚えました。

 もちろん、鍋はごちそうです。ごちそうは宴会がふさわしい。
(さて、次回は宴会へつづく)
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