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雲南の発酵食・米線・上

2009-01-11 22:35:44 | Weblog
写真は蒙自の「橋香園過橋米線城」内の過橋米線博物館に展示されていたパネル。雲南伝統米線の作り方が端的に表されている。パネル展示が多いとはいえ、夕食どきでたくさんのお客さんが食べにきているというのに、併設の館内には警備のお兄さんが一人たたずむだけの寂しい状況だった。パネルをちゃんと本にすればよいのに、と思うほど内容は立派なもの。

ようやく米線(ミーシエン)のつくりかたまできました。
【雲南の米線(ミーシエン)は発酵食品】
 雲南で米線(ミーシエン)料理を頼むと、たいてい
「ツーダ? シーダ?」と、聞かれます。ツーもシーも思いっきり、歯の隙間に思いっきり息をこすりつけるようなすごい音なので、もしや怒っているのか、とドキドキしますが、
「粗的? 細的?(太麺か、細麺か)」と言っていただけなのでした。ちなみにだまっていると細麺がでてくることが多かったです。

 上記の2つの違いは単に太さが違うだけではなく、製法も違います。いわゆる「太麺」は白米を発酵させた後に潰して作られる雲南の伝統的な「酸漿米線」。「細麺」は白米を発酵させずに、すぐに粉にして機械で押して潰し、摩擦熱で糊化して成型した「干漿米線」です。それを晒し干しにした「干米線」は携帯と貯蔵に便利なもので、広東の米粉(ビーフン)にもやや似ています。

 このタイプには、白米だけではなく、黒米、そば、ほうれん草を混ぜ入れたものなどの変わり種も見られます。米線は昔から中国全土の米の収穫地では作られていましたが、発酵させてつくられる「酸漿米線」は、じつは雲南でしか味わえない特産品なのです。

 また米の種類は近年では、白米には粘りけが少なく、長細いインディカ米が主流です。粘りけが少ない方が吸水性もよく、加工もしやすいからだそうです。


●蒙自の「橋香園過橋米線城」内の過橋米線博物館でパネル展示されていた米線(ミーシエン)の造り方
(気力のある方はお読みください)

【伝統的な米線・酸漿米線(=粗米線)】
①米を24時間水に浸してから、粉にし(昔は石臼を使っていた)、そのどろどろした状態のまま清潔な布袋に入れて、吊して発酵させる。
②布袋のまま、上に大石を載せて圧力をかけ、脱水する(24時間)
③脱水処理したものを木桶に入れ、木の棒でつついて砕いた後、丸い球状にまるめて、グラグラの鍋に入れて70%ぐらいの蒸し具合で取り出す。
④再び砕いて円柱状に揉む。これを蒙自のイ族の人は「対娘」と呼ぶ。
⑤圧搾機に入れて細長い米線へと絞り出す。これを鍋に入れ3分間前後煮る。
⑥冷たい水に浸して洗い、製品となる。

【雲南での新顔(じつは中国ではスタンダード・干米線】
雲南では近年、機械化されて作られたもので、上記の文章中の通り。細米線となる。

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