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冬の風邪と「四時如春」?②

2011-02-12 18:12:29 | Weblog
    
8月前半の同じ日の昆明にて。軽い雨上がりの日とあって、一気に気温は10度台に。これでも8月の平均気温が昆明ではもっとも高い。
左の写真は市中心部に近い市場の朝、右の写真は出勤途中の女性達。子供は薄でのチョッキのセーターの上にジャンバーを、女性達はそれぞれの体感温度にあわせた服装をしている。長袖長ズボンがぴったりの気候と思う人もいれば、半袖のワンピースがぴったり、と思う女性もいるのだ。私はといえば厚手のジャンバーを着ていたものの寒さに耐えられず、あわててウオルマートに厚手のズボンと長袖の下着などを買いに走った。(2008年撮影)

【冬服と夏服が混在する】
 雲南に伝わる雲南18怪の一つに「(雲南の人は)服装は、四季、同じ」というのがあります。「雲南は一年中春で、四季の寒暑が多少しかないので、人々の感じる寒暖に違いがあり、町には冬服と夏服が同時に混在する」という意味だそうです。

 もう一つの説があって、それは一年の気温差はそれほどではなくても、一日の気温差が大きいので、春でも雨が降れば冬服を着て、陽がさせば夏着になる、という意味なのだとか。つまり一日の中で四季がめぐる、というわけです。

【かぜ薬が中国一売れる町】
 このように四季がないはずの昆明で雲南大学構内の銀杏の木が見事な黄色に燃え上がり、裏切られた気分になった10月。私も風邪をひんぱんに引くようになりました。胃まで重くなり、食事を作る気もしないので外食した日、昆明生活の長い、日本料理店「貴太郎」の若女将(日本人)が教えてくれました。

 「これからの季節は風邪に気をつけてください。昆明は気候がいいと言われていますが、感冒薬が中国一売れるそうです。とくに胃腸型。下痢をしたり、戻したりするんです。ここではちょっと暑いな、と思っても、すぐに脱がないほうがいいそうですよ。日本とは違うんです。家の中でも靴下は履かないと。私も最初、わからなくて入院しちゃったんです。」

 いろいろと思い当たってゾーッ。その後、日本からの留学生からも同様の話をよく聞きました。
また、中国一、売れているという昆明の感冒薬は種類が多すぎて、すすめられた薬を試しても、私にはちっとも合いません。日本で常用していた葛根湯は、中国の漢方医からすると明代の古い薬方のため、今ではまったく伝わっていない、とのこと。
 それでもほしいといい張ると「調合を正確に教えてくれ」といわれる始末。とうとう、日本の親に頼んで、ツムラの葛根湯を取り寄せ、冬場をしのいだのでした。

 また、雲南の人の暮らすマンションに行くと、暖房器具を使う習慣のないお年寄りのおうちでは、家の中でもジャンパーやコートを羽織っていました。日中なら日差しのある外の方がよっぽど温かいのです。そのため沿道では甲羅干しのように背を日光に当てるお年寄りがよく見られました。

 一方で四川から来た出稼ぎの人々のアパートでは練炭で暖をとるため、一酸化炭素中毒でなくなる人が後をたたず、このような事故を起こすと「四川の人は窓を閉めるから」という人もいました。

 聞くところによると、今や、昆明でも電気製品の暖房器具を持つ人は多くなっていますが、実際にはあまり暖房はせず、相変わらず厚着でしのいでいるそうです。  (おわり)


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