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昆明の幼稚園事情3

2006-10-06 22:27:32 | Weblog
写真は幼稚園近くの白馬地区の商店街にて。少数民族のマッサージ店前やフルーツ店、頭飾りの店、ミルクスタンド、料理屋などが並ぶ。
【若い園長先生】
 園長室には、30代前半と思われる若くて押し出しの強そうな目の大きな女性が待っていた。彼女がTさんの友人の園長だった。前園長の娘である。ジーンズに黄色いチビTシャツを着てしゃきしゃきと業務をこなしている。

 さて夫が状況を説明すると
「全く心配ありません。子供はすぐに慣れますよ」と即座に請け負う。娘は言葉が全くできないといっても意に介する様子は、まるでない。それまで日本で娘が通っていた保育園では、外国からの子供に対して、とくに言葉が通じない子供に対しては園の先生も知らず知らずのうちにかなり距離を置いた対応をしていたが、少なくとも園長の対応を見る限りではそれとは正反対の雰囲気だ。

 娘が入る予定の年中組のクラスを見学すると、行儀よく椅子に座った生徒達が先生の合図に合わせて「ニーハオ。シャオポンヨウ。(こんにちは。お友達)」と声を揃えて元気に挨拶してくれた。1クラス42人の子供に3人の先生が付いている。若くて力もありそうな女性の先生方だった。

 他に給食をつくる厨房(大量の饅頭を蒸していた)や、木枠でできたベッド(というより小さな箱)が並ぶお昼寝部屋も見学した。親が出張のときなどには一日中、子供を預かることもあるそうだ。

 「大丈夫。ここにはシンガポールやオーストラリアから来た子供らが通っていたこともあり、外国人の対応には慣れています」と園長は力強く頷いた。

【人気のSK-2】
 ちなみに園長が使う化粧品は日本製のSK-2だった。あの女優の小雪さんがコマーシャルに出演しているブランドである(後に園長と親しくなってから日本から送ってくれと頼まれ、知った。)この製品は日本でも1本1万円以上する超高級品だった。それが昆明の高級デパートの1階の入り口前で堂々と売られていた。しかもよくよく観察すると結構な売れ行きだ。

 価格は日本と同じか、デパートの値引きがない分、日本よりやや上。上海あたりの外資系で働く30代女性の月収に匹敵する金額である。日本の感覚で考えると一本20万円以上の化粧品を数本、使っているといったところだ。

 昆明ばかりでなく、中国全土で95店舗を展開していたが、日本でも報道された通り9月15日付「人民日報」で中国の国家質量監督検験疫総局よりSK-2の9商品から使用禁止物質のクロムとネオジンが検出されたと発表され、現在、中国(一時は韓国も)では販売中止に追い込まれている。

 米P&G社グループのマックスファクター(神戸市)製で、ほぼ全量が滋賀県野洲市の工場で作られていた。SK-2側は「製造過程では今回、検出された重金属原料は一切使用しておらず、検出量もWHOが安全としたレベルの100分の1以下。空気や水に微量に存在する成分が検出されたとしても、日本の安全基準は満たしており問題とされない」と反論している。

 このSK-2は欧米など12カ国で売られており、シンガポール、台湾、香港、EU(欧州連合)では政府当局や業界団体によって安全宣言が出され、現在も販売中。日本でも変わらず、小雪さんのCMは流れ続けている。

 一部では日本政府が今年5月末に国産・輸入を問わず、食品の残留農薬に対する規制を強化した結果、中国の農産物の対日輸出が6月時点で2割近く激減。その報復措置ではないかともいわれている。というのも日本の厚生労働省が中国側に事実関係や基準の詳細などを照会しても、現在までのところ、まったく回答がないからだ。

 それはともかくとして、教育関係は孔子の時代から儲からないといわれているが、幼稚園の園長というのは儲かる商売なのだろうか。

 さて娘は、トランポリンの遊具に引かれ、結構、この幼稚園を気に入ってくれた。私も気に入ったが、比較するために別の園も見学してみることにした。
コメント
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