たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

「博士の愛した数式」友愛数に吹く心風

2006-01-27 11:08:00 | 劇場映画

 
 80分の現実と秘めた過去を永遠に生きる博士。
 母屋に住む義姉(浅丘ルリ子)との忘却できない哀しみ。

 事故の後遺症で記憶が80分しかもたない博士(寺尾聡)の元に通う家政婦(深津絵里)とその息子ルートとの交流が淡々と清冽に描かれていく。
 吉岡秀隆くんのルート先生が、数式の神秘性に重ねて3人の時間を、生徒たちに語る展開が感銘を深くする。
 
 「雨上がる」「阿弥陀堂だより」に続く小泉尭史監督の三作目。前作同様、信濃路の自然を主要なロケ地にして、詩情豊かな美しい映像が静謐な世界を紡いでいく。小泉監督の世界が凝縮した秀作。
 原作は第一回本屋大賞受賞した小川洋子さんのベストセラーを映画化したもの。

たにしのお勉強
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