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紀州徳川家二代目光貞から吉宗まで
城とその歴史
/
2007年03月16日 21時14分10秒
2代目和歌山城主の徳川光貞(1627~1705年)は、紀伊国和歌山城で生まれ、1667年40歳で家督を継いでいる。
二の丸櫓
1698年までの31年間藩政を行ったが、光貞が56歳のときに大奥の湯殿において、湯殿番であった於由利の方に手を付けている。
お湯の番をしていた女性という立場から見て、百姓の身分であったのではないかとも言われているが、幕府が厳重に隠蔽工作をしたためか定かではないらしい。
乾櫓
その於由利の方が懐妊して吉宗(1684~1745年)が生まれたのであるが、母親の身分に問題があったため、吉宗は家老の元で育てられ、やがて城中へ引き取られたという。
天守郭の北側
1698年、光貞は嫡男の綱教に家督を譲って隠居したが、7年後の1705年5月に綱教が39歳で病死したために次男頼職に家督を相続させている。
天守郭東側
しかし同じ年の9月に光貞が78歳で亡くなると10月には頼職が25歳の若さで病死したため、紀州藩は1年間に3回も藩主の葬儀を出すという異常事態となった。
天守から見た紀ノ川
そこで急遽於由利の方が生んだ庶子であった吉宗が、21歳で紀州徳川家を相続することとなったのであるが、2人の兄が相次いで急死する偶然がなければ8代将軍吉宗は無かったのである。
天守から東の本丸址と和歌山市街地
吉宗は藩政機構を簡素化し、質素倹約を徹底して、葬儀費用や幕府から借用していた10万両の返済、災害の復旧費などで悪化していた藩財政の再建に手腕を発揮している。
子天守の東側
このときの吉宗の再建手腕が将軍の後継就任にあたって評価されたようで、将軍就任後も吉宗による改革(享保の改革)は有名である。
連立する天守
1716年、第7代将軍・徳川家継が6歳で亡くなり、徳川秀忠系の血筋が途絶えた時に、御三家筆頭尾張家を抑えて、吉宗が家康に一番血統が近いという理由で、第8代将軍に選ばれている。
天守の玄関
医療水準が劣悪であった江戸期にはこうした例は多かったようで、14男から藩主となった井伊直弼や以前ブログに書いた山内容堂などが有名である。
吉宗は、将軍就任にあたって紀州藩を廃藩とせず、従兄弟の徳川宗直(1682~1757年)に家督を譲ることで存続させている。
徳川宗直は、伊予西条藩3万石の2代目藩主から一挙に55万5千石の御三家の当主に抜擢されたのである。
雰囲気のある西の丸庭園南側
吉宗は、紀州藩士の内から大禄でない者を20数名選び、側役として従えただけで江戸城に入城したが、紀州藩の足軽だった田沼意次の父意行も、吉宗に同行している。
吉宗は、1745年に将軍を嫡男の家重(1712~1761年)に譲ったあと1751年67歳で逝去したが、徳川将軍家は、吉宗の後、紀州から移った吉宗系の子孫が13代家定まで142年間も続いたのである。
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