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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



ボタンは中国西北部に自生するキンポウガ科の落葉低木で、中国では百花の王、富貴花とされている。

映画の昭和残侠伝の主役、高倉健の背中の彫り物は唐獅子牡丹であるが、ライオン(獅子)が百獣の王なら牡丹は百花の王ということから、動物の王と植物の王という最高の組み合わせが唐獅子牡丹なのである。

牡丹とよく似た芍薬との違いは、牡丹が木本性で樹木、芍薬が草本性で草に分類されることである。

古くは紀元前2000年ごろの詩経の中に芍薬を贈ったという文章があり、紀元前200年頃の前漢時代には牡丹の根は薬材として使用されていたという記録がある。

又、西暦265年に始まる晋の書物に芍薬が観賞用として栽培されていたと記載されているという。

牡丹の花の書物への記載は600年以降の隋から唐の時代まで下り、唐の時代には寺院などに牡丹園が造られ、牡丹は花の王様としての地位を確立している。

日本には749年まで在位した聖武天皇のころ、遣唐使によって輸入されている。

長谷寺での牡丹の栽培は、唐の僖宗皇帝(873~888年)の妃、馬頭夫人が遣唐使に教えられた長谷寺十一観世音に願いをこめて祈願したところ、その願いが叶い、御礼として十種の宝物に牡丹をそえて 献上したことに起因するとされている。

この寺伝が事実であれば長谷寺では1100年以上も前から牡丹を栽培していたことになる。

現在も長谷寺では一口千円で牡丹の献木を呼びかけている。

その案内文には「自らの生命を一本の牡丹に託し永遠の生命を願うことは、人生に対する生きがいとして 意義あることではないでしょうか」と書かれている。

1000年前の僖宗皇帝のお妃のように願いがかなった記念として牡丹の献木というのも確かに意義があることではなかろうか。

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