リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

飛蚊症でストレス耐性がわかる?

2014年03月17日 | 日々の風の吹くまま
大風が通り過ぎて、嘘のようないい天気。契約書の仕事をさっと仕上げて送って、消防車で
火事場(仕事)に駆けつける。おや、ストレスがテーマの医学論文。ざっと読んで、うん、おも
しろそう。今の時代、グローバル化とデジタル化のおかげでノアの洪水に匹敵するほどの
情報の大洪水。情報量が処理能力を超えて、精神的な「堤防」が決壊してしまった人が増
えているような感じで、抑うつ状態になったり、逆に攻撃的になったり、過激な扇動に流され
たり・・・。

小町横丁を散策していたら、飛蚊症で医者も首を傾げるほどの重い心身症になったという
人がいる。離人感と現実喪失感に苛まれ、目のことしか考えられず、強迫神経症と不安障
害が起きている、と。飛蚊症は一種の老化現象でもあって、失明するようなものではないけ
ど、それほどの心身症を起こすものかな。心身症は精神的ストレスを原因とする身体症状
だから、飛蚊症から強迫神経症や不安障害を起こしたんじゃなくて、飛蚊症のストレスで
元々神経質で些事に囚われ易い人に身体症状が表れた結果、そのストレスも加わって症
状が重くなったんじゃないのかな。

カレシも不安感が強い性格で、些細なことでパニックになったり、何かが気になって頭から
離れなくなったりすると、身体症状が消化器系統に出て来る。そのカレシに飛蚊ができたと
きは、「どうして生きて行けばいいんだ」とパニックを起こして、落ち着かせるのにひと苦労し
たけど、幸いにもいつの間にか見えなく(気にならなく?)なったらしい。ちなみに、国際的な
分類にも精神疾患の診断指針であるDSMにも「心身症(psychosomatic disease)」なる
病気は(まだ)存在しないし、独立した「心療内科」も(まだ)ない。でも、「まだ」ないというだ
けで、将来は北米でもヨーロッパでも心の堤防決壊が増えて、「心身症」という病気が世界
的に認知される日が来ると思うな。

ワタシの右目の飛蚊なんか、網膜検査でロス先生が「ほお、これは大きい」と驚嘆したくらい
の真っ黒なのが、もう30年近く目の前をふわふわと漂っている。不都合があるとすれば、
仕事に集中しているときに、脳が「虫」だと勘違いするのか、無意識に手で目の前を払って、
弾みで自分の鼻っ柱をパシッとやってしまうことがあるくらいかな。まあ、小町でもたくさんの
飛蚊持ちが気にならなくなると言っているように、飛蚊症はその人のストレス耐性のリトマス
試験紙のようなものなのかな。

世界もちょっとひと休みしたらいいのに

2014年03月16日 | 日々の風の吹くまま
きのうはずいぶん雨が降ったと思ったら、今度は強風注意報だって。大雨と一緒に来ない
だけましかもしれないけど、今年の弥生3月は何か荒れるなあ。まあ、世界も何やかんやと
荒れ模様。マレーシア航空の飛行機は謎が深まるばかりで、どうもパイロットにハイジャック
されたのではという話になって来た。飛行機を操縦するパイロットがハイジャック犯になって
は、どんなセキュリティ対策を講じてもどうしようもないだろうな。機長はどう見ても狂信的な
人ではなさそうだけど、まあ、人間は誰でも親しい人にもわからないことが多いから。

プーチンは何が何でもクリミアを取り返すつもりのようで、次はロシア人の人口比率が高い
ラトビアを狙っているという噂もある。クリミアとは状況が違うけど、イタリアでは何とベニス
で千年の栄光を取り戻そうとイタリアからの独立を問う住民投票があったと聞いてびっくり。
カナダでは、ケベック州議会の総選挙でまた分離するの、しないの。もっとも、ケベック以外
のカナダ全国で分離を認めるかどうかの国民投票をしたら、「出て行きたきゃ行っていいよ」
派が多数を占め可能性がある。カナダ人はそのくらいケベックにうんざりしているってことだ
けど。

今日は日がな一日あくびが出るくらい退屈な契約書の翻訳。それにしても、ちょっといいホ
テルの部屋くらいの面積しかないスペースを借りるのに、すごく手続きが煩雑でびっくり。好
奇心からストリートビューで調べて見たら、「何とかハイツ」とか名前が付いていそうな、東京
中のいたるところにあるような二階建ての何の変哲もない、いわゆる「マンション」だった。ぐ
るっと見回すと、あちこちの道端に自動販売機が並んでいて、どの商店の前にものぼりが
何本も立っていて、家の玄関先には鉢植えが並んでいて、消防車がつっかえそうな狭い道
路が行き着く交差点には「止まれ」と書いてあって、つまり、東京中のいたるところにある
「風景」。近代的な巨大都市の東京でも、ビル街をちょっと外れると、歩いていて見える風景
には紛れもなくアジアの雰囲気がある。

その東京に行くまで、あと2ヵ月半。飛行機とホテルはとっくに予約を済ませたけど、保険の
つもりで予約したホテルのキャンセルを忘れないようにしないと。でも、その前に次の火事
場仕事をやっつけないと、3月が終わってしまう。ライオンのごとくやって来た3月、子羊の
ごとく去るのか、ライオンのごとく吼えながら去るのか。風、強くなって来たなあ・・・。

☆どこへ行くのか、アベジャパン

2014年03月16日 | 日々の風の吹くまま
3月15日。日本の浦和というところのサッカースタジアムに、日の丸と「旭日旗」と一緒に「JAPANESE ONLY」という横断幕を張った人がいて、人種差別だと問題になり、結局は「観客なしでの試合」という処罰を受けて一件落着したらしい。幕を張った本人は本気で「外国人お断り」の意思表示だったという話だけど、外国人といってもいろいろだから、いわゆる「欧米人」も含まれるのか、それとも「アジア人」だけが対象なのか、それとも人種に関わらず「非日本国籍者」すべてが対象なのか。まあ、旭日旗を見ればだいたいの見当はつくから聞くまでもないけど。サポーターともめると困るから(つまりクレーマーが怖い?)、本人の同意を得てから撤去することになっていたそうで、「お客サマは神サマ」は建前で、本音は「腫れもの」ということかな。

浦和は大東京圏にあるという以外はどんなところか知らないけど、社長曰く、「職員の差別に対する感度の低さが最大の原因」。ふむ、「差別に対する感度」ねえ。つまり、「JAPANESE ONLY」という表現を見て、外国人排除を意味するものだと気づかなかったのか、それともそれが差別だとは思わなかったのか、それとも無意識に同調したのか、それとも英語がまったく読めなかったのか。いずれにしても、日本の思想には、差別の善悪意識どころか「差別」という概念そのものがないんじゃないかと思う。というよりは、日本人は概して他人の(特に自分に向けられた)行為に対しては時には異常なほど敏感だけど、自分の行為に関してはいたって鈍感なだけだと解釈すべきなのかもしれない。

それでも、少なくとも日本社会の潮流は確実に排外主義、排他主義に流れていると思う。そういう社会が日常であれば肌で感じることはないかもしれないけど、「部外者」として外からのぞいていると、排他主義がじわじわと巷に浸透しつつあるような印象を受ける。というよりは、排他的な意識は元から「異質なものを排除したい」という欲求の中に存在していて、バブル崩壊後の長い閉塞状態で鬱積した不平不満を嗅ぎ取った狡猾な人間たちがそれを巧みに利用しているということかもしれない。世界の歴史を見ると、為政者が都合が悪くなると人民の不満の矛先を異人種、異文化、異宗教に向けさせて、差別や迫害を生み、殺戮や戦争を起こした例はいたるところに数え切れないほどある。

もちろん、日本国民が日本という国、日本人という民族に誇りを持つのは当然のことで、それを誰がとやかく言う筋合いはないけど、その誇りが他を貶めて排除することで得られるものなら、どれだけの価値があるというんだろう。いくら国際化を叫んでもそれは建前であって、外国人に痛いところを指摘されると「我々は(お前たちとは)違うんだから」と返すのは、300年も鎖国していた国の「我々意識」が変わっていないということかな。まあ、外国に行けば行ったで、想定通りにならないとその国や国民を散々に貶して溜飲を下げているけど、日本語でやっているから、結局は自慰と同じ。それで本人たちの気が晴れるならそれでいいけども。

一般に個人を社会の最小単位と見ない日本社会では、誰もが垂直に細分された「層」あるいは「群」のどれかに所属していて、それぞれの職名や地位で呼ばれる。新聞記事を見るだけでも、個人の名前に必ずといっていいほど会社員、主婦、無職、会社社長といった「地位称」が付いていて、それが記事の内容とどんな関係があるのかと首を傾げることが多い。まあ、個人が基準じゃないから、そういう「呼称」を遣うしかないのかもしれないけど、今日の大手新聞サイトには見出しに「中国籍の男」というのがあった。「フィリピン国籍の女」、「韓国籍の男」といった、外国人であることをわざわざ強調するような見出しや記事は今に始まったことではないし、意図が透けて見えるんだけど、そういう見出しをつけた記者も編集者も、たぶん自分たちの差別意識には気づいていないだろうな。

今日のJapan Timesにいわゆるネット右翼に関する記事があって、1930年代に「自由主義、個人主義、資本主義の世界の失墜は避けられない」と、ファシズムを賞賛した官僚の発言を引用して、「日本はあの時代に戻ろうとしているのか、戻ろうとしていると考えるのは杞憂なのか」と問いかけていた。ナショナリズムの波が日本を飲み込んだのは東北大震災で被災者の忍耐力や秩序ある対応を世界に賞賛されて舞い上がってからだったと筆者は言っている。困った人を助け、弱者に涙するのは日本人の遺伝子だとある老学者が言ったそうだけど、震災から3年経った今でも26万人もの人たちが避難生活をしている東北と、東北復興の資金も人手も流れるであろうオリンピックに今から浮かれている東京のコントラストこそが日本だと思うけど。

記事はネット右翼についても、単なる過渡期の現象なのか、あるいは新しい未来の始まりなのかは今のところわからないとしながらも、「日本のメディアも政治も経済も在日に牛耳られている」というのは、ナチの「ユダヤ人が秘密裏に世界を牛耳っている」という宣伝と似ていると言う。まあ、韓国や中国に対して異常な憎悪を燃やして罵詈雑言をネットに振りまいている連中は、おそらくバブル崩壊後の閉塞感や孤独感、無力感、不幸感といったネガティブな感情から来る苛立ちを考えもせずにぶつけて高揚感を得ているんだと思うけど、それが今ではネット右翼主婦まで登場して、中国人や韓国人だけでなく、韓流からキムチを売るスーパーから韓国車を運転する日本人にまで憎悪の牙を剥き、その子供たちまでが「反韓」を口にしているという話で、こっちの方が日本の将来にとってずっと危険だと思うな。

理性派だと思っていた人たちまでが感染している兆候が見えていたところなので、考える自分を持たない無知な人たちはひとたまりもなく洗脳されてしまいそうだな。人種差別や排他主義が蔓延るのは貧困や無知に囚われている地域や集団に多いように思う。独裁者が現れやすいのもそういうところじゃないのかな。貧すれば鈍するという譬えの通りなのかもしれない。ネット右翼に乗っ取られて久しいローカルの掲示板でも反韓、反中、反在日、反日本の憎悪が燃え盛っていて、英語のメディアに出たらヘイトクライムに認定されそうな過激さだけど、日本人同士が日本語で互いを在日呼ばわりしているだけの話で、おもしろくもない。ただ、学校で教え込まれたのかどうかは知らないけど、「仮想的有能感」とやらに囚われて、現実の自分を直視できないでいる世代であることはたしかだろうな。

でも、何だかんだ言っても、生き難そうな社会だなあとは思っても、日本の未来を決めるのは日本人なんだから、日本人が遠い過去の栄光?への回帰を求めているのなら、それでいいと思うし、今のままではダメだと思うなら、民主主義国なんだから、政治を変えればいいと思う。だって、どの国の国民にも民族自決権というものが保証されているんだから。


またですか、消防車

2014年03月15日 | 日々の風の吹くまま
この週末はグランヴィルアイランドにあるArts Clubの一番小さい劇場Revue Theatreで、
劇団が高校生を対象に開いているLEAPという劇作ワークショップの発表会。初日の今日
はレベル1の作品数本、2日目の明日はレベル2の一幕物の作品4本、来週の土曜日には
最高レベルの完成作品1本を通しで、ボランティアを買って出たプロの俳優たちが舞台で本
読みをすることになっている。未来の劇作家を育てるこのLEAPがワタシの老後プロジェク
トの柱なので、行くつもりでいたら、あ~あ、また消防車仕事・・・。

メガ仕事と同じところから、今度は論文の参考資料にする英語論文の日本語訳で、打診さ
れた翻訳者が多忙でアウト。週末に入っていたこともあって、社長の直々の鶴の一声でワタ
シにお鉢が回って来たしだい。メガ仕事の緊急出動も社長のお声がかりだったし、直々の
ご指名はすごくうれしいんだけど、何だかフレンドリー消防署になったみたい。ま、日本語訳
はめったにないから、錆び付かせないためにもと引き受けたけど、カレシは「よ~し、東京で
は豪遊するぞ」と皮肉たっぷり。ま、東京に行く頃までにはみずほの残高がぶわっと膨らん
でいるだろうから、円安でもあるし、食道楽、飲み道楽で豪遊するのも悪くないかも・・・。

かなりの雨も降り出したことだし、発表会は諦めて仕事。ドライな契約書だけど、慣れている
からすいすい。でも、本来の意味からずれている用法があったりして、無理して難しい言葉
を使うことないだろうにと思うけど、最近はそういうのが多い。弁護士になったつもりでしか
つめらしくやっているところへ、いきなり取ってつけたような今どき風ていねい語が出現して、
こっちは危うく椅子から落ちるところ。日本語の文法、進化しているのか、退化しているのか。
小学校でも中学校でも、国語の時間に文法をみっちりやった記憶があまりないなあ。英語
はもっぱら文法だったけど。

契約書が半分くらい進んだところで飽きてしまって、ずっと考えていたことをダダっと別のブ
ログに書き出して、はあ・・・。デリケートなテーマかなと思ったけど、小町横丁でしょっちゅう
感じるし、メガ仕事の原稿の中にもそういう「潮流」が感じられた。まあ、ワタシが勝手に感じ
て考えていただけかもしれないけど。さて、頭の中、少し余裕ができたから、仕事だ、仕事。

脳みそをすっきりとデフラグ

2014年03月14日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたとたんにけろっと忘れてしまったけど、何か不思議で楽しい夢を見ていた。もし
かしたら宇宙に行ってたのかな。夢からすっと目を覚ますのは久しぶりのことで、メガ仕事
の間ググりまくったデータでごちゃごちゃになっていた脳みそのデフラグが済んだのか、何と
なくすっきりした気分。仕事はまだひとつあるけど、今日は休みモード。

カレシの床屋のアントニオがワタシも引き受けてくれることになったので、超久しぶりのヘア
カット。伸びすぎた髪を自分でバサッと切ったのはいいけど、毎日のように不揃いが出現し
ているうちにまた伸びて来てしまった。ジュゼッペと同時に引退したアントニオは親しい馴染
み客を相手にまだ南隣リッチモンドの自宅で営業中。広いベースメントの一角に業務用の
椅子や鏡、洗髪台があって、隅には大きなテレビ。友だちのところで寛いでいる気分できれ
いにカットしてもらって、カレシと交代。CNNのニュースを見ながら(聞きながら)、3人でマ
レーシア航空の消息を推理して、やっぱりハイジャックしか考えられないね、と結論。

帰ったらもう夕食のしたくの時間に近かったので、それでは、と腕まくりしたら食材を出して
いなかった。すぐに使えるのは豆腐。フリーザーにあった刺身用のサケの小さいのを急い
で流水解凍。発芽玄米のご飯を炊きながら、豆腐を茹でて冷まして小さめのさいころ切り。
サケもさいころ切りにして、ごま油と白ごまと醤油としょうがとコリアンダーでポケ風に豆腐と
和えてみたら、うん、いける。ほうれん草の葉とニラを固めの卵とじ風にして、炊き上がった
ご飯に刻みねぎと明太子を混ぜ込んで、何ちゃらアジア太平洋風のごはん。カレシがサケ
と豆腐のポケを大いに気に入って、「また作ってくれよ」。食材をかき集めて即興で作った方
が傑作ができるから、料理はおもしろい。これも脳みそをデフラグしたおかげかな。

夕食後はそれっとSave-on-Foodsまで走って、切らしたコーヒーやミルクや野菜を調達。
冷蔵庫もフリーザーもけっこう満杯なので、「ついで」はなしのはずだったけど、つい1.3キ
ロの牛肉の塊を買ってしまった。この間スロークッカーで作ったポットロースト、おいしかった
よね。今度のはポットロースト用のブレードという肩甲骨あたりの少し硬い肉だから、もっと
味わいがありそう。あ、また豆腐ポケを作ろうと思って豆腐も買って来たから安心して。

宇宙飛行士による地球生活ガイド

2014年03月13日 | 日々の風の吹くまま
小さい仕事は調子づいてゆうべ仕上げてしまったけど、メガ仕事の間じりじりしていた別の
客筋からねじ込み仕事が入って、また「無職」はお預け。作業用のファイルを作ってもらって
いる間しばしの息抜きができそうだけど、やれやれと窓の外を見ると、道路向かいの桜、日
当たりのいい方に伸びた枝に白っぽい点々が肉眼で見える。まだ0.1分咲きくらいかな。
春が来たという感じだけど、また大雨警報が出そうな予報でかわいそう。

カレシを英語教室に送り出して、日当たりのいいキッチンでコーヒーを飲みながら読書。こう
いうひとときは久しぶり。読みかけだった『An Astronaut’s Guide to Life on Earth』は国際
宇宙ステーションでデイヴィッド・ボウイを歌ったカナダのクリス・ハドフィールド元ISS船長
の自伝で、「宇宙飛行士による地球生活ガイド」とでも訳そうか。テストパイロットから宇宙飛
行士に選ばれるまでの話、失敗談、訓練やISSでの生活の話の端々に、地球上のどこの
国のどんな人でも実践できそうな処世術(地球生活)のアドバイスがそれとなく「提示」され
ている。

ヒューストンの宇宙飛行管制センターでスペースシャトルとの交信の責任者だった頃、優秀
だけどモラハラっぽい先輩の宇宙飛行士に怒鳴られ、能なし呼ばわりされているうちに、自
信をなくかけたことがあった。でも、あるとき気がついた。人を脅かし、貶すのがこいつのや
り方なんだ、と。人を落ち込ませるのが狙いで、それが実にうまい。現に自分も自分の能力
を疑うようになったではないか。そこで、感情的に反応するのをやめて、問題は同僚をみん
な自分を蹴落とそうとする敵としか見ない彼にあるのであって、自分は何百人の敵の1人に
すぎないと考えることにしたら、彼の宇宙飛行士としての優秀さが見えるようになり、チーム
を束ねる上で重要なことをいろいろ学ぶことができた、と。

何があっても助けが飛んで来ない宇宙では同僚が唯一の命綱。ハドフィールド船長の基本
方針は「和をもって尊し」を地で行くような感じだけど、それは各自が競争相手でもある同僚
の成功に手を貸すことよって自己の競争心を維持して能力を高め、チームの任務を成功さ
せるということで、根底には同僚の成功こそが自分の生存につながるという、個人を基本と
する思考があるところが「もめないこと」を尊しとする日本的な「和」とちょっと違っているとこ
ろかな。この本、そのうち日本語訳がでるのかしら・・・。

眼科の検査で極楽とんぼは視界不良

2014年03月12日 | 日々の風の吹くまま
目覚ましより早く午前9時20分に起床。2度変更した網膜検査の日。超特急でしたくをして、
タクシーを呼んで、ダウンタウンのセントポール病院へ。昔から、バンクーバーっ子が1人で
タクシーに乗るときはなぜか助手席に座る習慣?がある。タクシーの運転手はほとんどが
インド系で、今日の運転手は話好き。11月に親戚の結婚式で故郷のプンジャブに行ったら、
異常天候で寒いの何のって。元々暑いところで暖房なんてないから、凍死するかと思ったよ。
故郷だけどもう二度と帰らないよ。バンクーバーが一番いいよ。天気の文句は贅沢だよ・・・。

コンタクトなしの目でひと苦労して眼科を探し当て、チェックイン。廊下のいすに座って、瞳孔
を開く薬を2種類点眼されて、延々と待つ。隣では80歳くらいの恰幅のいいおじいちゃんが
2人、何やら楽しそうにおしゃべり。聞くともなしに聞いていたら、お互いの病気自慢?らし
い。あれやこれやと出て来るので、何か病気の宝庫みたいな人たちだなあと感心していた
ら、そのうち自分たちの病気を語り尽くしたらしく、今度は家族や親戚や友だちの病気談義。
しまいにはギリシャの親戚たちの病気の話になって、まるで総合病院の診療科を総なめに
したような・・・。

瞳孔が十分に開いたら検査。ライトが眩しくて涙がぽろぽろ。結果は両眼とも悪化や進行の
兆候がなくて、安定した状態。暮れから3ヵ月も目を酷使していて、視力が低下しなかった
のはうれしいね。(裸眼0.008のままってことだけど。)1年後にまたおいでと言われて、病
院を出たのは正午近く。普通なら朝食の時間。おなか、空いた~。天気が良すぎて、サン
グラスをかけても目を開けていられないくらい眩しい。地下鉄駅へ行く途中で、歩道と並行
している駐車場の出口の方に入ってヒヤリ。我が家の近くで電柱の支え線にぶつかりそう
になってヒヤリ・・・。

何とか無事に帰り着いたら、掃除をしてたシーラとヴァルが口を揃えて「わっ、エイリアンの
目」。キッチンの掃除が始まっていたので、朝ごはんを食べ損ね。グウグウとうるさい胃袋を
ひと掴みのナッツでなだめつつ、焦点の定まらない目で緊急出動の仕事をさっと見直して、
無事に納品したら、夕食のしたくの時間。瞳孔は平常に戻ったけど、5時間しか寝ていない
もので、ざわざわと寒いし、おなかが空くし。あ~あ、さすがに今日はくたびれた。ひとつだ
けあるおチビ仕事はあしたにしようっと・・・。

こちら極楽とんぼ消防署

2014年03月11日 | 日々の風の吹くまま
いい天気。道路向かいの桜の木も、よく観察するとつぼみがたくさん付いている。晴天の日
はさすがに夜になると底冷えするけど、春は春。東部の方はまた冬に逆戻りするという話で、
トロントなど春っぽい陽気から一気に30度も気温が下がるらしい。ま、悪いけど、春、お先
に失礼しま~す!

今日こそは無職と、張り切って大洗濯。ラタトゥイユをスロークッカーに仕込もうと思ったら、
カレシがパンを焼くのにカウンターを占領してしまったので、取りやめ。午後いっぱいをのん
びりゲームをしたり、ニュースを読んだり。ほお、カナダは10年かかって韓国との自由貿易
協定にこぎつけたんだ。ほとんどの品目で関税を撤廃するらしい。さっそくオンタリオ州の自
動車産業が安い韓国車が入って来るとブーイング。連中は昔から自分たちがカナダを食わ
せてやっていると威張っているけど、牛肉や豚肉、穀類の輸出でプレーリーの農業地帯が
受ける経済的恩恵の方が計り知れないくらい大きいから、文句言わないのっ。

日本が水曜日の朝になったと思ったら、はあ?またぁ?今度は別のメンバーが緊急事態で
最終納期に間に合わないかもしれない、と。親しいお隣さんが倒れて大怪我をしたけど、ア
メリカの小さな田舎町なので都会の病院に(たぶん長期の)入院ということになって、残され
たペットの世話や他の州にいる子供たちへの連絡などで大変だったらしい。不測の事態は
誰にでもあるんだから、ワタシはここでまたよっしゃぁ!と腕まくり。カレシは呆れているけど、
誰が間に合わなかったとかいう問題じゃなくて、プロジェクトを無事に完遂することが最優先
事項。手分けしてのチーム仕事でもうあと少しのところまで来たんだから、先にゴールインし
たワタシが手を貸すのもありでしょ?

と言うわけで、明日は早起きして網膜検査に行かなればならないのに、仕事、仕事。だけど
なあ、どうしてワタシってこうしょっちゅう消防車みたいにそれっと走ることになるんだろう。
自分ではお人よしだと思っていないし、特に人がいいとも思わないけど、こういう緊急事態
になるとつい腕まくりして、鉢巻をして火事場へ駆けつけてしまうのはどうしてだろうなあ。
やっぱり脳みそがどんなことになっているのか、一度調べてもらった方がいいかも・・・?

歴史くらい騒々しいものはない

2014年03月10日 | 日々の風の吹くまま
今日はまた「無職」。もう緊急出動はなさそうだから、肩の力を抜いてもいいかなと思ったら、
ニューヨークからのボイスメール。ここは法律専門の会社で、よく切羽詰った引き合いが来
るんだけど、メガ仕事と同じところからもう別の仕事が来ているし、急に今日、明日の予定
はどうかと聞かれてもねえ。ワタシって、「半引退」したはずなんだけど、はて、何かみんな
「半現役」の方ばかり見ているような・・・。

こつ然と消えたマレーシア航空機は謎が深まるばかり。エンジンが全部止まっても2、30分
は滑空できるはずで(ハドソン川での例がある)、着水した後で丸ごと沈没したという可能性
もありそうだけど、たとえ通信機能がマヒしても、今の時代は誰かがスマホで救助を求めよ
うとするんじゃないのかな。ふと、昔、バミューダトライアングルでアメリカの戦闘機が5機も
消息を絶って発見されなかった話を思い出した。それにしても、偽造旅券で乗った人がいた
り(ひとりはドイツ亡命を目論むイラン人という話)、チェックインしたのに搭乗しなかった人
が5人もいて、出発前に預けた荷物を下ろしたり、緩いという感じがしないでもないな。

クリミア情勢は硬直状態だけど、元々は数十年前にソ連のフルシチョフがロシアからウクラ
イナに移したのが、当時はソビエト連邦の中でのことだったから文句は出なかったらしい。
もっとも、クリミアはタタール人やトルコ系の人たちが何世紀も住んでいたところで、オスマン
トルコとの戦争に勝った帝政ロシアが分捕って、ロシア人を大量移住させたんだから、プー
チンが「ロシアのものだ」と主張すればするほど、ソ連時代にひどい目に遭ったタタール人
の遺恨が募りそう。ウクライナに留まったとしてもウクライナ人とロシア人の反目が起きそう
だし、歴史が複雑だから解決策はないかもしれないな。

日本では、どこかのスタジアムに、日の丸と「旭日旗」と一緒に「JAPANESE ONLY」という
横断幕を張った人(あるいは団体)がいて、人種差別だと問題になっているらしい。まあ、
SNSで広めて悦に入りたかっただけかもしれないけど、アベクンの国粋主義に付和雷同し
たのかもしれないし、英語で書いてあるところを見ると「排外主義」の台頭を示すものかもし
れない。少なくとも、日本社会の潮流は確実にそういう方に進んでいるということかな。はて、
人間の歴史にはみんな仲良く穏やかだったときがあったんだろうか・・・。

自分の脳みその構造を見てみたい

2014年03月09日 | 日々の風の吹くまま
きのうはすごい大雨だったのに、今日はけっこういい天気。まだ春分の日も来ないのに、今
日から「夏時間」。まじめに仕事をしている最中に、視界の隅っこで時刻の表示が「午前1時
59分」からいきなり「午前3時00分」に吹っ飛ぶから、一瞬タイムスリップしたような気分に
なる。この場合は1時間先に進むから、未来にタイムスリップかな。まあ、11月初めまでの
8ヵ月、1年の3分の2が「夏時間」で、標準時間は3分の1だけ。いっそのこと、長い方を標
準時間にして、短い方は「冬時間」にでもした方が合理的という気がするけど・・・。

まず、とりあえずと振られた緊急出動の仕事2つのうち、短い方をやっつける。ボロディンの
「中央アジアの草原にて」のメロディが漂って来そうなテーマだったけど、内容はいたってド
ライ。もうひとつの方は、うわ、植物の名前がぞろぞろで、日本名から対応する英語の一般
名とラテン語の学名を調べまくり。分類学は地球上の生物の戸籍のようなもので、ちゃんと
苗字と名前がある。たとえばソメイヨシノはPrunus yedoensisで、Prunusが「サクラ属」と
いう苗字、yedoensisが「江戸っ子」という名前。もっとも、苗字の上にはまだいくつもレベル
があって、ソメイヨシノだと「真核生物植物緑色植物緑色植物門有胚植物被子植物バラ目
バラ科サクラ属江戸種」となって、何か戒名みたいだから、江戸っ子の熊さんも八っつぁん
も目を白黒・・・。

植物の名前さえ調べておけば後は楽なもんで、やたらとすらすら進むのは、まだ没頭してい
たときのリズムが抜けていないからかな。まあ、2ヵ月も波に乗ってやっていると、集中力の
方は昔ほどではないにしても、文体や言葉の選択パターンが掴めて、思考もそれに同調し
て来るから、ワタシの脳みそのどこかにあるらしい「言語変換機能」の効率が良くなるんだろ
うと思う。日英と英日の変換機能が別々にあるのかどうかは知らないけど、日本語と英語
は同時にわかることが多いから、処理中枢は別々なところにあるかもしれないな。でも、マ
ルチリンガルになったら、脳みその配線が混雑しそう・・・。

ときどきワタシの脳みそがどんな具合になっているのか一度頭の中をじっくり観察してみた
いと思うけど、整理整頓がまったくできていなくて、足の踏み場もないような散らかりようだっ
たらイヤだなあ。まあ、とりとめもなくごちゃごちゃ考える習癖からすると、どうもそんな感じ
がするけど・・・。

春の大雨、お寿司の花

2014年03月08日 | 日々の風の吹くまま
想定外の仕事に捕まってしまったけど、とりあえず予定通りに郊外のHマートへアジア食品
の買出し。1月か2月から行く話をしていたような気がするんだけど、菜園用の土やら肥料
やらを買いに行かなくちゃと言っているカレシの腰が重いもので、チェンジ、チェンジでやっ
とこぎつけたと言う感じ。ところが、今日は大雨警報発令中。自分で袋に詰めて買う土は泥
んこ状態だろうから、篩ってパッケージしたものを買うんだそうな。「何倍もするけどしょうが
ないよなあ」って、だから天気のいいときに行っておけば良かったのに、もう。

ワイパーをハイスピードにしても視界不良なくらい土砂降りの中をフリーウェイを飛ばして、
ちょうど信号が赤になった交差点で下ろしてもらって、ワタシはHマート、カレシはそのまま
ガーデンセンター。駐車場は、みんなできるだけ出入り口に近いところに止めたいようで、
離れたところには空きがあるのに、店の前をぐるぐる回っている車が多い。まあ、濡れたくな
い気持はわかるけど・・・。まずはカレシに渡されたリストの野菜を調達して、ゆっくりとワタ
シの買い物。麦ご飯にする発芽玄米と押し麦、乾ラーメンにそば、冷凍タンメン、冷凍たこ
焼き(業務用)、冷凍ホッケ4袋、薄切りの豚肉と牛肉の特大パックといった、重くてダウンタ
ウンの店から運ぶのが大変なものは、次がいつになるかわからないから余分に調達。

カートがかなり一杯になって、このくらいでいいかなというところでカレシのケータイに「お迎
え」コール。帰りは急がずにローヒードハイウェイ(と言ってもただの幹線道路)を走って、大
規模開発の公聴会が始まったバーナビー市のブレントウッドのあたりをチラッと観察。スカ
イトレインの駅があって、モールがあって、Save‐On- Foodsがあって、Whole Foodsも進
出予定のところ。いずれコンドミニアムに引っ越すとしたら、カレシが候補にしたいというとこ
ろ。バンクーバーもバーナビーもどこも高密度化の再開発計画が目白押しだから、10年後、
15年後には選択の余地が広がっていそうだな。

帰ってきたら、そのまま買出し品の整理をして、そのまま立ちっ放しで夕食のしたく。仕事で
また3日くらいおかまいできなくなるので、カレシの要望に応えてちらし寿司。サーモン、ビン
ナガ、ハマチ、ボタンエビ(生がダメなカレシのは酒蒸し)、タコ、マテ貝、ホッキ貝、イクラで
花もよう。あさりの潮汁を添えて・・・。

     

☆やっぱり東は東で、西は西

2014年03月08日 | 日々の風の吹くまま
3月7日。仕事に埋もれているうちに年が明けたと思ったら、いつのまにか2月になって、気がついたらもう3月。「ときどき現役」を目論んだまではいいけど、大きな案件が重なって入って来て、一気に前世紀に戻ったような感じで、仕事の合間にクリスマスとお正月とバレンタインをねじ込んで延々と3ヵ月。年と共に時間の足が速くなるものらしいけど、まだ駆け足はして欲しくない。このブログもずいぶんごぶさたしたようで、何だか懐かしいね。気力だけでもまだ若いつもりでいても、やっぱりもう若くないんだなあと実感したけど、まあ、猛烈な激務をこなしていた1990年代はまだ40代で、今のワタシは60代後半に片足を突っ込んでしまっているんだもの、確実に流れる時間には逆らえない。

でも、重さが2キロもある大きな本の翻訳作業は、チーム作業でスケジュールはきつかったけど、久しぶりにやりがいのある仕事だった。フリーランス自営業は明日をも知れないの身の上(と、格好をつけてみる)だから、たまには終わったとたんに大空に向かって叫びたくなるような仕事がないと、いくら商売とわかっていても気持がだれてしまう。こういうテーマがくるくる変わる仕事はいかにも「何でも屋」向きで、しかもテーマごとに知らないことがてんこ盛りで、ググりまくっていると何かしら新しい学びや発見があるから「知りたがり屋」のワタシはぴったり。チームメンバーはみんな修士や博士の錚々たる顔ぶれなのに、無学歴(今は高卒をこう呼ぶらしい)で英語ネイティブでもないワタシにお声がかかったのは、人一倍の「やる気」が認められたのかな。打診があったときに仕事の内容をろくに考えずに「はぁい!」と手を挙げたからには後には引き下がれないけど、ま、やるといったら物おじせずに突進するのがワタシ・・・。

先に来たもう1社の(いつも眉間にしわを寄せて爪を噛んでいる複合ノイローゼで神経質な人が書いたようなお役所的文書の)大きな仕事をなんとか片付けたのが1月上旬。法改正で不都合なことを義務付けられるのを回避しようという意図が見え見えで、なるほど、社会問題に対処するために法律を改正しても、適用される方はうま~くそれを迂回して骨抜きにできる仕組みになっているんだ、と納得。つまり、建前を取り払ってしまうと、その後ろにある政治風土も企業風土も昔からあまり変わっていないということかな。昨今取りざたされる右傾化とか、排外主義とかも、新しい風潮の台頭と言うよりは、長いこと押入れにしまい込んであった思想を出して来たということかもしれない。ま、「変われば変わるほど元のまま」という言葉もあることだし、人間世界はどこでも所詮そんなものかもしれないな。

メガ仕事に着手してからの2ヵ月は、ハムスターのごとくひたすらバリバリ、ガシガシ、パカパカ、バンバン。ワタシがハムスター状態になると、カレシはいつもの調子で「かまってチャン」状態になって、ヘンな口笛を吹いたり、そわそわ、ちょろちょろ、うろうろするから、ワタシはイライラ、カリカリして、だんだんに繰り返し語のオノマトペだけでコミュニケーションができてしまいそうな雰囲気。しまいにはけんかまでしながら、それでも無事に最終納期2日前にゴールインして、ご苦労さんでした!と自分の背中をポンポン。実にいろんなテーマがあって、まるでフォレスト・ガンプのチョコレートの箱を開けるみたいな感じだった。でも、たぶんにお年を召された文系の学者大先生がお書きになったものらしく、見たこともない古くさい漢字がやたらと出て来たりして調べるのに四苦八苦。そうでなくても読めなくなった漢字が増えているのに。

全体としては「アジアに関しては上から目線、日本に関しては目がうるうる、国際的にはちょっと被害妄想気味」という印象だったけど、それは日本人の視線なんだから当然かもしれない。なぜか「望ましい」とか「求められている」とか「期待される」という、何とも他人事みたいな結びが多いからおもしろい。ああだこうだと論じておいて「ワシは後は知らんがな」はないもんだと思うけど、そのあたりがこういう分野の思考の特徴なのかもしれない。まあ、最近とみに判りにくくなって来た日本語表現をあれこれと解析しているうちに、ちょっとは日本に関して勉強もしたような感じで、ああ、日本はやっぱりアジアなんだと思ったな。明治の文明開化で「脱亜入欧」と「和魂洋才」を旗印に掲げた日本だけど、今でも「亜」そのままで、「欧」の飛び地にはなっていない。「洋才」だけを取り入れて利用して、「和魂」は堅持するという政策が成功したからだと言えるかな。キプリングの詩の通り「東は東、西は西」で、交わるどころか何かにつけて溝は大きい。だから翻訳者はつらいんだよね、寅さん。


デジタルはりねずみとアナログきつね

2014年03月07日 | 日々の風の吹くまま
雨、降っていない。しめしめ。今日は運動がてらモールまで歩いて行って底をつきかけてい
る化粧品を買って来よう。この年になってもスキンケアくらいはしないとね。眉だけ引いて、
さっとブラシでパウダーを刷いててかり止め。他人のファッションやメイクや容姿までチェック
を入れたがる目がないから、気楽にすっぴんでおでかけ。気温は10度。あちこちの庭先で
クロッカスやスノードロップが咲いている。やっぱり、春だなあ・・・。

クリニークのカウンターで要るものだけを買い込んで、寄り道もせずに往復小1時間のてく
てく運動でさっぱりして帰って来てみたら、あっちゃぁ。メガ仕事、期限に間に合わない人が
いて、ヘルプ!というメール。みんなより2週間も遅れて着手したワタシはゴールインが一番
だったそうで、じゃあと緊急出動のお声がかかったらしい。当初の期限が今日で、念のため
に1週間の余裕。それでも間に合わないって、どういうことかいな。まあ、みんな複数の客先
があるから、こういう大仕事に長期的に拘束されるのは営業上かなりやりにくい。ベテラン
のことだから、何か差し迫った事情が出来たんだろうと思って、よっしゃ、やったるわ、と腕ま
くりメール。

まさに昨年に続き今年の一年の計「play it by ear」の実践みたいで、どこで読んだか忘れ
たけど、バーリンの「ハリネズミとキツネ」を引き合いに出したコラムを思い出した。ハリネズ
ミは一点集中で深堀りするデジタル思考、キツネは自在変化で多角的に展開するアナログ
思考。グローバル時代を生き抜くには、正解がひとつしかない(ありえないと考える)デジタ
ル思考よりも、広く浅い知識で全体と部分を眺望して是々非々の総合判断ができるアナロ
グ思考の方がいい、と。グローバル化を促進したのはデジタル時代の到来だったと思うけ
ど、そのせいで人類が衰退することがあれば何とも皮肉だな。

前から、インターネットの普及で人間はグローバルな視野を持てるはずだったのが、二択の
デジタル化が進むにつれて、逆に人間の視野がどんどん狭まって近視眼になりつつあると
感じていたら、(モグラの親戚の)ハリネズミが増殖しているということか。でも、人類が行き
詰まったときに生き延びるのはまちがいなくアナログ思考の人間。ま、Play it by earもアナ
ログ思考であれば、広く浅く臨機応変に七変化のワタシはキツネということになるのかな。
あっ、ワタシは道産子だから、さしずめキタキツネだっ。


老後のお小遣いの問題、どうする?

2014年03月06日 | 日々の風の吹くまま
いやあ目が覚めるくらいのすごい雨で、起きて外を見たらいかにもぐじょぐじょという感じ。さ
て、今日のカレシは英語教室。今日の「どたんばの探し物」は水筒。ないないと家中を探し
回って、遅刻すれすれで「貸してくれ」。ほとんど使わないワタシの真っ赤な水筒にろ過水を
入れて、バッグに入れようとして「あったぁ」。出て来たのは空の青い水筒。「バッグが軽かっ
たから入っていると思わなかった」。そうだろうね、空っぽなんだから。ま、今日は赤い水筒
を持って、行ってらっしゃい。

今日も「無職」のワタシは、のんびりと小町横丁の散歩。相も変わらず人間関係は世界情勢
よりも複雑だし、お金の悩みはマイダス王どころじゃない。そこで興味を引かれたのが『定
年後のお小遣い』。年金生活になったら小遣いはなしと専業主婦の妻に言われたサラリー
マン夫の話。高給取りでも年金生活になれば収入はかなり減るだろうから、小遣いの額は
それまで通りとは行かないんじゃないかな。妻が家計を握って来たならなおさらのこと。よく
若い共働き夫婦が家計の分担でもめているけど、高齢化でこれから年金生活に入る夫婦
がどんどん増えれば、「定年後の小遣い」も深刻な家庭問題になるのかも。

我が家は「若い共働き夫婦」だった頃は小遣い制だったけど、家計はひとつで小遣いの額
は同額。ワタシが自営業になって大いに稼ぎ出してから、金額が大きいものを買うときにひ
と言だけ相談すれば、あとは必要なときに必要なだけ引き出せばいいことになったんだけど、
2人とも無理な節約も身の程知らずの浪費もしなかったから、お金の使い方でもめたことは
ないなあ。どっちかと言うとワタシの方が少々金遣いが荒いんだけど、家計管理はワタシの
担当だからいつも口座情報を見ているのもワタシだし、子供の頃からしっかりしつけけられ
たせいか、買えない物は買わない「ない袖は振らない」主義だし・・・。

まあ、世の夫婦の常というか、私たちの間にも何かと価値観のずれがあるんだけど、老後
に入ったこの先も「お小遣い」でもめる心配もなさそうだから、お金は一番大きな「縁の切れ
目」だとすれば、40年近くお金のことではけんかひとつせずにやって来られたのはラッキー
だったのかな。でもね、どっちがどれだけ稼いだかに関係なく、これが2人一緒に築いて来
た「豊かな老後」なんだから、使って楽しいことに使えばいいんじゃないのかな。違う?

ネット時代は遊びの手はずもめんどうくさい

2014年03月05日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めて、あっ、今日は仕事がないんだ。だったらもう少し寝ていようと思ったけど、仕事
がないと悟ったとたんに目が冴えてしまったので、ごそごそと起床。朝食後はしばらくぼん
やりとテレビのニュース。ウクライナ、どうなるんだろうね。ロシア系だらけのクリミアはプー
チンにあげちゃいなよと思ったけど、そしたらウクライナは陸封されてしまうからダメだろうな。
それに、あの辺は歴史的にロシアとの関係がややこしい・・・。

積み上がった仕事を片付けた翌日はいつも何となく糸の切れた凧のようなフワフワした気
分になるけど、今回は暮れからずっと2社の大仕事を抱えて、カレンダーの納期の赤い印を
横目で睨んでの毎日だったので、フワフワどころか、無重力状態。やること、やりたいことは
山ほどあるのにため息ばかり。普通は1日か2日で「遊びモード」になれるけど、今回は長
かったから、「無職」に慣れるのに時間がかかりそうかなあ。何か、サラリーマンが定年退職
した翌日みたいなもんかな。在宅フリーランス24年と2ヵ月。定年はないんだけど・・・。

でも、まずは3ヵ月後の東京行きの算段。飛行機のチケットはカレシがゆうべ手配したんだ
けど、なぜか最後の最後のクリックでシステム障害。エアカナダに電話して、処理が完了し
ていたことを確認して、Eチケットが来たけど、ちょっとヒヤリ。で、今日は今日で新宿駅南口
のホテルの予約がうまく行かない。問合せは電話かファックス(今どき?!)でとあったので、
北米の番号にかけたら、これが何とフィリピンのコールセンターで、愛想はいいけどさっぱり
埒があかない。業を煮やしたカレシはホテルに直接電話。どうやら英語ができる人がいて、
予約のアドレスを聞き出して、さっそくメールを飛ばしたけど、何だか頼りないなあ・・・。

いくら東京でも、1ヵ月もホテルの空室ゼロなんてことはありえないから、まだオンラインの
予約を受けていないのかな。でも、カレシの提案で、過去3回「定宿」にしていた京王プラザ
を調べたら、6月は「空室なし」の日はまだゼロ。連続14泊も問題なしということで、保険の
つもりで予約を入れたら、「早割25%オフ」ですんなりと確認メール。まあ、プラザはお気に
入りのバーもレストランも健在のようだから、前回のようなトイレの水漏れさえ起きなければ、
「住みなれた定宿」でいいんだけど、どうなるのかなあ・・・。