8月27日(土曜日)。🌤☁⛅。涼しい週末。週の半ばにはちょっと猛暑が来るけど、またすぐに涼しくなると言う予報。何でも、アジアの台風がジェット気流をかき回して大きく蛇行させるので、アルバータ州とサスカチュワン州は猛暑、太平洋岸と五大湖地方は秋深しになるんだそうだけど、上空に気流を遮るものがないのでささっと通り過ぎて、何とか心と秋の空みたいな変わりようになるらしい。来週の真ん中はバンクーバーのホテルのレストランでArts Clubのディナーパーティがあって、パティオでやるそうだから、ちょっと暑いくらいがいいかな。
土曜日は断食の日なので時間がたっぷり。ウォーキングが済んだら、洗濯機を回し始めて、ミニチュア工房に陣取って、プロジェクト第20号にあたる「バルコニーBBQ」の制作開始。メーカーは最新のレーザー技術を駆使する中国蘇州の若い輸出企業で、デザインのテーマからして主にヨーロッパや北米の市場を念頭に置いていると思われるけど、中国人の「西洋」のコンセプトには思わずえぇ~っと唸ってしまう。最初の頃のシリーズはは違和感はまだあまりなかったけど、最近は急速にアジア的な「カワイイ志向」への傾倒が目立って来て、ご愛敬と言えばそういうもんなんだろうけど、そのままのデザインではやる気がわいて来ない。でも、ミニチュア作りを止める気もないから、今ではデザインのテーマは無視してパーツやアクセサリーの「材料」を買っているつもりになって、自分流のイメージが浮かぶまま。まあ、料理も素直にレシピ通りにはやらないワタシなので、その方がやる気がもりもりで、ずっと楽しい。
まずは壁。キットにはいつも当たり障りのない白い絵の具が付いて来るんだけど、それじゃあつまらないから、白のゲッソに黄土色をほんのちょっと混ぜて、絵筆をグルグル回しながら10回くらい重ね塗り。こうすると何となく漆喰壁のような印象になるので、屋外シーンの壁にはもってこい。オリジナルのサンルームの壁は水色とも緑色ともつかない壁紙が入っていたけど、オープンにしてバルコニーと一体化するので、これもゲッソで漆喰風。
床はサンルームがバルコニーより一段高くなっていて「タイル張り」。オリジナルはパティオドアがあって、バルコニーに下りると床は「フローリング」。オリジナルの完成図ではピンクの椅子があったりして、どう見ても室内風だからフローリングなんだろうけど、バーベキューをやるんだから、ウッドデッキ風にするか、コンクリートにするか。宝の箱をあれこれかき回していて見つけたのはタイカレーのペーストが入っていたしわしわの紙袋。しろうとがDIYでセメントを流したみたいな見た目が何ともいえないな。
次は室内に通じるドア。板紙にレーザーでカットを入れたパーツがいくつかあって、それぞれ番号が付いているので、原寸大のイラストのシートで番号を照合して、必要ならパーツをイラストに当てて確認できるようになっている。(広州のおもちゃメーカーのキットにはこんな親切なものは付いて来ないな。)使うパーツがどれかわかったら、ぽちっとつながっている部分をナイフの先で切って、シートから押し出せばいい。ドアは、厚紙2枚のドアのパーツの間に透明なシートを貼って、ワイヤとヒートシュリンクチューブと小さい金色のビーズで作った取っ手を付けて、反対側の縁には金色のワイヤを短く切ってオリジナルにはない蝶番の管の部分を糊付け。オリジナルにないものを思いつくとは、けっこう芸が細かいなあと自画自賛。
出来上がったドアは横に置いておいて、元サンルームの部分の枠組み。オリジナルは黒の枠に白い枠の押し出し窓があったけど、ここでは我が家のバルコニーのガラスの手すりを参考に、裾の部分にだけ透明シートを貼って、後はオープン。ドアから出て来たところで通る部分はパティオドアは付けずにオープン。糊付けをするときは洗濯ばさみが活躍する。
ドアはきちんと収まるかなあ・・・。
ドアを少し開いているように取り付けて、バルコニーの手すりは接続部分に(宝の箱から探し出した)ハトメを被せて接着。糊付けのスペースが極端に限られているので、糊が乾くまで指で押さえていたり、すぐに外れるのを何回も糊付けしたりして、指先は乾いた糊が厚い膜になって剥がすのにひと苦労。元サンルームの上には透明シートを貼った「屋根」を取り付けて、壁枠を固定。これで外枠は完成で、後はぼちぼちとアクセサリーを作って入れて行けばいい。
と思っていたら、写真を整理していて見つけた「大問題」。手すりの外側の壁枠には「ガラス」が入っていないので、まるきりオープンで危険極まりない。建築基準法違反は間違いなしで、検査が入ったら一発でアウトじゃないの。うっかりしちゃった。ふと背の高い観葉植物でも置けばブロックできると考えたけど、うっかりぶつかって鉢ごとバルコニーから落ちたらタイヘン。ミニチュア工房に戻って、バルコニーからの転落事故が起きかねない細い壁の途中に桟を入れるのに、ちっちゃな木切れをしまってある宝の箱から適当な切れっ端を探し出して、絵の具で黒く塗って、乾くのを待っている間に下半分に取り付ける透明シートの寸法を計って切って、まず下の端を糊付けしておいて、桟が乾いたらちょうどいい高さのところに貼って、対策は完了。これでもう誰も落ちる心配はないね。
ほんとに自分でも感心するくらい細かな木切れのコレクション。大雑把に大中小と分けてビニール袋に入れて会って、他にはいろんなサイズの額縁もたくさんある。普段のワタシはカレシのようにあれこれ何でもため込む「捨てられない人」じゃないんだけど、ミニチュア工作の材料は別次元の話。とにかく小さな切れっ端でも捨てずにとっておけば、いつどこでどんなプロジェクトで役立つかわからないものね。
断食の日は時間がありあまっているおかげで、今日はすいすいと進んで、やった感がいっぱい。さてこれから先は調度品とか鉢植えとか細々した小物を思いつくままに、ストーリーが浮かぶままに作って行くだけ。目玉は創作するバーベキューグリル。ごちそう山盛りのお皿もいるし、食器もいるし、ワインもいるし・・・。