鴻海によるシャープの買収交渉が難航している。
第三者割当増資の発表までしておいて、買収の調印保留というのは前代未聞である。
調印保留の理由は、3500億にものぼる偶発債務の存在が判明したためだ。
不信を募らせた鴻海は、調印の前にシャープの財務状態を精査することにしたらしい。
買収交渉の期限は2月29日までだったが、これを1週間延期、さらには期限を設けずに変更された。
恥も外聞もなく、鴻海にすがるしかないシャープの窮状が垣間見れる。
その醜態ぶりはもはや嘲笑の対象でしかない。
3月1日の日経新聞に、「シャープを追い詰めた社徳のなさ」という記事が掲載された。
これを読むと、どうやらシャープという会社は業界の嫌われ者だったようだ。
液晶の成功で慢心し、礼儀も信義も軽んじる傲慢な会社に変貌していたらしい。
「液晶製造装置を納品していたコマツは、ほとんどオーダーメイドだったのにもかかわらず、汎用品の金額しか支払ってくれなかった」
「不振の液晶事業の再編を打診するためシャープを訪問した日立は、上から目線でけんもほろろの扱いをされた」
「ソニーと東芝は、液晶パネルの購入契約を結んでいたにもかかわらず、液晶テレビが売れ始めたら、供給を制限された」
その後の凋落は自業自得といえそうだ。
我が家には、シャープ製のテレビが2台、掃除機が1台ある。
その評価は、「デザインや使い勝手はいいが、壊れやすい」というものだ。
しかも同じような壊れ方をする。
以前購入した液晶テレビ、DVDレコーダー、エアコンは、いずれも突然電源が入らなくなった。
いつ爆発するか分からない時限爆弾のようだ。
信頼よりも目先の利益優先の企業風土は、企業相手だけではなく、消費者に対しても同じなのかもしれない。
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