徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

第10回 小出川桜まつり

2016年02月28日 | まち歩き

2月21日(土)から3月6日(日)までの2週間、恒例となった小出川桜まつりが開催されている。
中日の2月28日(土)には式典が開催され、茅ヶ崎市長や寒川町長などが来賓として出席した。
茅ヶ崎観光協会の会長までいる。
どうしてこんな小さなイベントにVIPが来るのだろう、とても違和感がある。

天気と花は気まぐれだ。
昨年は雨続きで式典は中止、一昨年は5分咲き、その前は蕾状態だった。
花が咲いてなくても、演歌や舞踏などの催し物は予定どおり決行される。
時として、とても滑稽な状況になる。

今年は天気にも花にも恵まれた。
澄み切った青空の下で、河津桜は満開である。
遠方には富士山の姿も見えた。
好天に誘われて、100人以上の人が集まっていた。
第10回小出川桜まつり
来賓挨拶で、茅ヶ崎市長がこんなことを言っていた。
「圏央道が開通し湘南を訪れる人も増えました。この桜まつりも多くの観光客が集まるイベントになるかもしれません」

社交辞令にしても少し言い過ぎだ。
まわりは畑と狭い農道である。
車を止めるスペースもほとんどないし、屋台を置ける場所も限られている。
第10回小出川桜まつり売店
河津町のように土手沿いに屋台を展開できれば、観光地化できるかもしれない。
しかし、それも難しい。
河津町の場合は、土手の川側に桜を植えてあるので、陸側に屋台が展開できた。
ここは陸側に桜を植えてしまった。
おまけに川も雑草だらけで汚らしい。

本気で観光地化したいなら、そのあたりの整備から始めなければいけない。

お気に入り名盤! シェリー・マン:My Fair Lady


 

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シャープの落日

2016年02月25日 | 日記・エッセイ・コラム

シャープが台湾の鴻海精密工業に買収されることになった。
昨年5月には資本金を減資するなど債務超過が隠し切れなくなっていた。
自転車操業を繰り返したあげく、ついに進退窮まり、産業再生機構のもとで解体的再建を目指す予定だった。
そこに、割り込んできたのが鴻海である。
7,000億の大金を手土産に、
「経営陣は更迭しない」
「会社の解体はしない」
「従業員のリストラはしない」
などの甘い提案を受け、驚いたことに、シャープの経営陣は自ら買収される道を選択したのである。
怒りを通り越して呆れてしまった。



鴻海といえば、iPhoneの組み立てで知られるEMSの大手である。
EMSとは、大量の非正規社員を雇い入れて電子機器の組み立て作業を請け負う、労働集約型ビジネスである。
中国に工場を造りたくないメーカーにとってはまことに都合がよい。
アップルだけでなく、HPやソニーなどの上客がついて、今や売り上げは15兆円に達するという。
でもそれだけことだ。
製造技術には長けても開発力があるわけではない。
メーカーに脱皮するために、シャープの技術を買い取ることにしたのだろう。

かつて、経営難に陥った日産がルノーの傘下に入った。
客離れを恐れた日産は、「買収されたわけではなく、パートナーになった」と苦しい説明を繰り返した。
このとき、日産もルノーも年間生産台数はほぼ同等の200万台だった。
あれから約20年が経ち、日産の生産台数は550万台に達し、世界有数のビッグメーカーになった。
一方のルノーは経営不振に陥り、生産台数も20年前と変わらない。
それでも、日産の親会社として経営権を掌握したままである。
日産は確かにルノーの下で成功したかもしれないが、それは日本人が望むような成功ではなかった。
日本向けの車づくりを放棄し、生産の大半を海外で行っている。

シャープの企業スローガンは、「目指してる、未来がちがう。」である。
買収されるシャープにはどんな未来があるのだろう。
中国化し、利益重視で技術力は減退し、物まね商品を薄利多売するだけの会社に成り下がっているかもしれない。
再建できても、日本人が望むような成功にならないことだけは確かである。

お気に入り名盤! デクスター・ゴードン:Go!

 

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今年最初の「海辺の朝市」

2016年02月20日 | まち歩き

毎週土曜日の朝は、「茅ヶ崎海辺の朝市」が開催されている。
8時から1時間だけの茅ヶ崎産の野菜や花きの即売会である。
場所は茅ヶ崎公園野球場だから、海に近いことは間違いないが、海辺というのは少々語弊がある。
でも、洒落たネーミングだ。

さすがに冬の朝は寒くて億劫だ。
でも、少し春めいてきたので、久しぶりに行ってみることにした。
この日は少し曇っていたが寒くはない。
いつものように行列ができていた。
冬場は閑散としている時もあるのだが、暖かいと賑やかになる。
大きな蕪3個とサラダ菜2束を購入、しめて280円。

海辺の朝市

今年は暖冬だという。
そもそも暖冬とは何だろう。
調べてみると、数値的な定義があった。
1981年から2010年までの30年間の平均を平年値といい、冬(12月~2月)の平均気温が平年値より0.5度高い場合を暖冬というらしい。

確かに、去年よりも暖かく感じる。
12月1日から2月20日までの茅ヶ崎の平均気温を計算してみた。
昨年が6.26度だったのに対し今年は6.59度で、ほとんど変わらない。
ちなみに、1月1日から2月20日までの平均気温では、昨年が5.68度だったのに対し今年は6.98度である。
年が明けてから暖かい冬になったようだ。

お気に入り名盤! デューク・ピアソン:Tender Feelin's


 

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冬の青森 地吹雪体験

2016年02月13日 | 旅行記

冬の津軽の風物詩になっている「地吹雪体験」。
地吹雪とは、積もった雪が強風で舞い上がり、目の前が真っ白に染まる状態のことである。
1988年から始まり、28年間で約1万2600人が体験し、そのうち約2600人が外国人観光客だという。

2010年2月、男鹿半島の入道崎灯台で、シベリアおろしを体験した。
一歩も前に進むことができず、口のまわりの空気が奪われて息苦しくなり、風に背を向ければ背中を叩かれているような痛みを感じた。
こんな環境の中での暮らしが信じられず、同時に、とても愛おしくも感じられた。
以来、あれほど好きだった沖縄にはまったく関心がなくなり、もっぱら寒いところを目指すようになった。
シベリアおろしを求めて、2011年には能登半島、昨年は男鹿半島を再訪した。
結果は、いずれも拍子抜けするほどの好天だった。
そんなこともあって、今回の地吹雪体験は期待するところが大きかった。

当日は金木駅に集合する。
台湾人女性が3名が加わって、この日の体験者は8名だった。
会場は隣駅の芦野公園駅から徒歩5分ぐらいのところにある田んぼである。
芦野公園駅までは津軽鉄道で移動し、駅舎の中でもんぺとかんじきを装着する。
なぜ、芦野公園駅集合にしないのか、不思議に思った。
芦野公園駅
喫茶店「駅舎」の前にある公園内をかんじきをはいて雪上歩行する。
田んぼは公園の先にある。
広いといえば広いが、雪原というほどではない。
ここで角巻を渡された。
小さい毛布のようなものだが、驚くほど暖かい。
支度ができたところで、田んぼに入った。
後は自由である。
地吹雪の到来を待って、田んぼの中でウロウロするだけだ。
地吹雪体験
しかし、待てど暮らせど、シベリアおろしは一向にやってこない。
結局、地吹雪を体験できないままタイムアップになった。
残念だが、相手はお天気だからいたしかたない。
予定では、このあと金木駅まで角巻ともんぺ姿で歩くらしい。
こちらは時間がないので、ここで終了となった。

芦野公園駅で帰りの電車を待っていると、近くの踏切にゆるキャラが現れた。
津鉄のゆるキャラで、「つてっちー」という。
この日、芦野公園では津軽まつりが開催されていて、津鉄のゆるキャラも参加していたようだ。
つてっちー
電車の時間になるとお見送りに出るらしい。
これで地吹雪がきたら可哀想だ。


お気に入り名盤! ドン・フリードマン:Circle Waltz 21C


 

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冬の青森 ストーブ列車

2016年02月12日 | 旅行記

青森駅から五所川原駅までは車で約1時間である。
できれば電車を使いたかったが、ストーブ列車の時間に間に合わない。
仕方なくレンタカーを借りた。
車はJR五所川原駅の前に止めた。
大きな駅にもかかわらず人影はほとんどない。
対照的に、小さな津軽鉄道の駅舎はストーブ列車を待つ乗客であふれかえっていた。

津軽鉄道は、沿線の過疎化で利用客が激減し、存続が危ぶまれていた。
第3セクターではないので、自治体からの赤字補填もない。
この危機的状況を救ったのがストーブ列車である。
東北新幹線の開通も追い風になり、今や、観光による定期外収入が売り上げの4分の3を占めるようになった。
2008年にはついに黒字化を達成、まさに奇跡的な出来事である。
ストーブ列車
この日は、ストーブ客車2両、一般車両1両の3両編成。
ストーブ客車には、乗車券のほかに、400円のストーブ列車料金がかかる。
これは年間1200万円の維持費用を賄うための措置だという。

予約してあった「ストーブ弁当」を受け取り、さっそく乗車。
運よく、ダルマストーブに最も近い席に座れた。
金木まで26分間の小さな旅である。
ストーブ弁当
動き出すと、アテンダントの女性がスルメを焼き始めた。
すると乗客が一斉に立ち上がりカメラを向ける。
奇妙な光景である。
スルメは意外に早く焼ける。
焼けると、スルメを買ったお客さんのもとへ急いで届ける。
ダルマストーブは車両の前後にあるので、混み合った車内を頻繁に往復する。
なかなか大変だ。

しばらくすると、津鉄のはっぴを着た車内販売のワゴンが入ってきた。
狭い車内がさらに混雑する。
スルメのほかに、飲み物や菓子などが積まれている。
ストーブ列車の刻印がはいったどら焼きを2つ購入。
ストーブ列車アテンダント
しばらくすると、今度は手にマヨネーズを持った男性が現れた。
「ストーブ弁当ですか、通ですねー」
津鉄の職員で、乗客と会話しながら、スルメを買ったお客さんにマヨネーズのサービスをしている。

列車が嘉瀬駅に着くと、アテンダントの女性がしゃべり始めた。
「わたし、これでもアテンダントなんです。業務の一環でスルメ焼いてます。 ・・・・」
「ここ嘉瀬は吉幾三さんの故郷ですが、電気も信号もあります。 ・・・・」
津軽弁で話す機智に富んだ語りが楽しい。

スルメひとつで、ここまで盛り上げるとは大したものである。

お気に入り名盤! ウィントン・マルサリス:Black Codes (From the Underground)


 

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冬の青森 酸ヶ湯温泉

2016年02月11日 | 旅行記

青森駅を14時に出発した無料の大型送迎バスは満席だった。
酸ヶ湯には約1時間で到着、予定よりも30分早い。
受付は大渋滞で、特に外人客の多いことに驚かされた。
部屋にトイレもない、古い木造の、日本的すぎるくらいの旅館に、どうしてこんなに外人がいるのか、とても不思議な気がした。
秘湯の雰囲気はまるでない。
酸ヶ湯温泉
全室禁煙になったという話を聞いていたが、部屋には灰皿が置いてあった。
どうやら禁煙はやめたらしい。
暖房はガスストーブで、部屋だけでなく、廊下やトイレにもガスストーブが置いてあった。
それでも廊下は寒い。

夕食前に、名物「ヒバ千人風呂」にいった。
中はもうもうたる湯気で、1m先もはっきり見えない。
パンフレットに掲載されているクリアな写真はどうやって撮影したのだろう、それも不思議だった。
酸ヶ湯仙人風呂
大きな浴槽が2つあり、「熱の湯」と「四分六分の湯」という。
奥にある「四分六分の湯」はかなり熱い。
泉質は酸性硫黄泉で、硫黄臭はそれほどきつくないが目に入ると痛い。
混浴だが、浴槽の中央あたりに男女を区切る目印が置かれている。
女性が何人かいたようだったが、湯気のせいで姿は確認できず、声で女性と分かるぐらいだった。

夕食は大広間で、畳の上にテーブルが置かれていた。
よくある温泉旅館の大食堂で、食事も堂々たる会席料理だった。
部屋の鄙びた雰囲気とは随分違い、妙に俗っぽい。
雪深い山奥の宿に、マグロやイカは要らない。
酸ヶ湯会席料理
酸ケ湯は世界有数の豪雪地帯として知られている。
一昨年の記録的な大雪のときも、酸ヶ湯の積雪量が話題になった。
今年は暖冬のせいか、想像していたよりも普通だった。
それでも一夜あけたら、駐車場の車はことごとく雪の中に埋没していた。
ひとたび雪が降るとすさまじい。

お気に入り名盤! レイ・ブライアント:Ray Bryant Trio


 

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冬の青森 青い森鉄道

2016年02月10日 | 旅行記

青い森鉄道の八戸・青森間の料金は2,280円である。
ところが、券売機に2,280円のボタンがない。
2,280円以上のきっぷは窓口で買うらしい。
窓口に行ったら、「青い森ホリデーフリーきっぷ」を渡された。
土・日・祝日などの特定期間だけ、普通・快速列車の普通車自由席が1日乗り降り自由になるという。
途中下車の予定はないが、料金は2,060円で正規料金よりも安い。
安くなるのは結構だが、なんだか分かりにくい。
青い森鉄道フリー切符
青森へは、12時13分発の快速大湊行きに乗車し、野辺地で快速青森行きに乗換え、13時43分に青森に着く。
酸ヶ湯温泉の無料送迎バスは14時発なので、ぎりぎり間に合う計算だ。

大湊行きは2両編成のボックスシート車両。
車内は地元客で混み合っていて、相席になった。
席に座ると、さっそく酒盛りである。
大騒ぎするわけではないが、昼間から酒盛りする集団との相席は迷惑だったに違いない。
三沢を過ぎると外の様子が一変、横殴りの雪が吹き荒れる薄暗い雪国になった。

野辺地駅には、「日本最古の鉄道防雪林」と書かれた看板があった。
駅の背後の森がそれらしい。
青い森鉄道野辺地駅
Wikiによると、
防雪林とは雪対策のうち、雪崖、吹雪対策で設置される森林ことで、東北本線の水沢駅・小湊駅間の38カ所に延べ50ヘクタールにわたって植林された。その中で野辺地駅周辺に残るものが1960年に「野辺地防雪原林」として鉄道記念物に指定された。

野辺地からは、1両のボックスシート車両になった。
ここも混み合っていた。
酒盛りは野辺地までに終わっていたので、青森まではおとなしく車窓を楽しむことにした。
海沿いを走っているはずだが、海が確認できたのは浅虫温泉のあたりだけだった。
景観のよい場所も賑やかな場所もほとんどなく、フリーきっぷの使い道に首をかしげてしまった。

お気に入り名盤! マル・ウォルドロン:Left Alone


 

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冬の青森 八戸のせんべい汁

2016年02月09日 | 旅行記

新幹線の駅は中心地から離れている場合が多い。
八戸駅もそのひとつである。
以前は「尻内駅」と名乗っていたが、1971年に「八戸駅」に改称、もともとあった八戸線の「八戸駅」は「本八戸駅」になった。
新幹線の開業に合わせて改称されたわけではなく、市の中心駅は本線上にあったほうがいいという理由から変更されたらしい。
名前は変わっても、市街地から外れていることに変わりはない。

八戸の観光名所は意外に少ない。
八戸駅を起点にした定番は、ウミネコで有名な「蕪島神社」、食品市場の「八食センター」、屋台の「みろく横丁」ということになる。
「蕪島神社」は昨年11月に全焼してしまったし、「みろく横丁」は夜しか営業していない。
「八食センター」へは専用バスが用意されているが、つなぎが悪い。
青い森鉄道で八戸駅に着くのが10時56分、バスはその1分前に発車してしまう。
観光客は新幹線でしか来ないと思っているらしく、新幹線の到着時間に合わせたダイヤになっている。

結局、何もない八戸駅からはどこにも行けず、せんべい汁を食べられる店もお土産を買う店も自ずと決まってしまう。
せんべい汁は、八戸駅に隣接するホテルメッツ八戸の中にある「いかめしや 烹鱗」。
お土産は、八戸駅と連絡通路でつながる「ユートリー」。
駅弁は、連絡通路の下にある「さばの店 朝市屋」。
八戸駅
烹鱗は想像していたよりも小さな店だった。
「八戸ばくだん丼とせんべい汁定食(1,720円)」を注文する予定でいたのに、それほど食欲がなかった。
無理もない、昼食には少し時間が早い上に、三沢駅で駅そばを食べていた。
それで、量が少なめの「いかめしせんべい汁定食(980円)」に変えた。
せんべい汁
初めて食べるせんべい汁。
「B-1グランプリ」に輝くB級グルメだから、こってりしたものをイメージしていたが、まったく違った。
けんちん汁にせんべいを割り入れたようなもので、あっさりしている。
「こんなものか」という印象だ。
せんべい汁よりも、いかめしのほうが美味かった。
八戸はイカの水揚げ高日本一を誇る「イカのまち」だそうである。
いかめしは北海道の郷土料理だが、八戸のいかめしにもそれなりの裏付けがある。

イカとならんで水揚げの多い魚がサバである。
青い森鉄道の青森までの乗車時間は1時間半、小宴会には十分な時間である。
酒はユートリーで、つまみは朝市屋で調達した。
朝市屋の「さばカラ」と「鯖二色寿司」はいずれも絶品、これこそB級グルメ。
八戸は、せんべい汁よりもサバで押したほうがいいように思った。

お気に入り名盤! オスカー・ピーターソン:An Evening With Oscar Peterson

 

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冬の青森 とうてつ駅そば

2016年02月08日 | 旅行記

毎年2月は、ゴルフ仲間と温泉旅行である。
気まぐれで伊豆に行ったのが最初で、それがいつしか恒例になり、最近ではあえて雪深い処を目指すやや自虐的な旅行になっている。
12年目の今年は、青森の名湯・酸ヶ湯温泉である。

酸ヶ湯温泉へは、青森駅14時発の無料送迎バスが用意されている。
東京駅10時20分発の東北新幹線に乗れば、青森駅には13時50分に着ける。
簡単でいいが、移動だけで一日が終わってしまうのは芸がない。
そこで、八戸で途中下車し、せんべい汁の昼食をとることにした。
どうせやるなら、飛行機で三沢空港に行き、そこからバスで三沢駅に移動し、青い森鉄道で八戸に向かうことにした。
ついでに、八戸から青森への移動も、青い森鉄道にしようということになった。
面倒くさいことこの上ないが旅情はある。

三沢駅のバス停は、十和田観光電鉄三沢駅の前にある。
鉄道は2012年に廃線になり、今はバスの待合室として利用されているが、電車の文字はそのままになっている。
歴史を感じさせる駅舎は昭和39年7月に「三沢観光センター」として開業した。
青森県初の民衆駅で、かつては多くの観光客で賑わったそうだ。
昭和39年といえば、東京オリンピックが開催された年で、社会インフラが急速に整備された。
ここも、そんな高揚感の中で開業したのかもしれない。
十鉄三沢駅
この廃墟のような建物の中で、いまでも蕎麦屋が一件だけ営業している。
昔懐かしいかんじの駅そばだが、立ち食いではなく、すべて椅子席である。
注文したのは、天ぷら、山菜、山芋、生卵が入ったスペシャルそば、420円。
とうてつ駅そば
驚いた、かなり美味い。
昭和39年から営業しているとすれば創業50年である。
老舗の味は伊達じゃない。

お気に入り名盤! マイルス・デイヴィス:A Tribute To Jack Johnson


 

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マイナス金利 賞味期限2日の愚策

2016年02月03日 | 日記・エッセイ・コラム

日銀は、1月28日と29日に開いた金融政策決定会合で、これまで実施してきた量的緩和策に加えて、金融機関から預かっている当座預金の一部に対してマイナス金利を付与することを決定した。

黒田日銀総裁はかねてから「マイナス金利は考えていない」と明言していたので、まさに青天の霹靂だった。
株は乱高下を繰り返したあと、2日間で823円も急騰し、118円台だった円/ドルは121円台まで円安が進行した。
その一方で、業績不安から銀行株は暴落。
さらに、長期金利が低下し、財務省は予定していた個人向け国債の販売を見送る事態になった。

当座預金から法定準備金部分を差し引いた残高は221兆円に達する。
行き場のない遊び金だが、日銀はこれに0.1%の金利を付けていた。
この金利をマイナスにするのかと思ったら、そうではなかった。
2015年の平均残高(基礎残高)を超える部分についてマイナス0.1%の金利を適用するという。
今後の積み増し分にペナルティを課すということであって、ただちに大きな負担が発生するわけではない。



マイナス金利は、日銀に眠る遊び金を民間経済に回し景気と物価をテコ入れするのが狙いである。
しかしながら、その効果については懐疑的だ。
そもそも、221兆円も遊び金が積みあがったのは、資金需要のないところに大規模な量的緩和を実行してきた結果である。
すでに金利は異例の低水準にあり、さらに下げても大した効果はない。
あるいは、これ以上積み増ししたくない銀行は、今後日銀の国債買いオペに応じないかもしれない。

その後、原油価格の下落や相次ぐ企業業績の下方修正で、日経平均は大幅反落。
2日間で674円の下落となり、マイナス金利導入による上昇分をほぼ帳消しにしてしまった。
為替も119円半ばまで円高が進行した。
マイナス金利による緩和効果はわずか2日間だけだった。

一連の金融不安は、中国経済の失速、原油安、米利上げによる新興国からの資金引き揚げなど、すべて外部に要因がある。
日銀の量的緩和だけで状況を打開できるはずもない。

お気に入り名盤! ミッシェル・カミロ:One More Once

 

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