第94回選抜高校野球大会第4日目、大垣日大(岐阜)と只見(福島)戦は雨と前の試合が延長戦になった影響で、大会史上最も遅い18時26分の開始になった。試合は大垣日大のワンサイドゲーム、五島投手の2安打、18奪三振の快投で、6-1で勝った。
結果は予想がついた。只見の選手はたったの13人。ベンチ入り18人を競っている強豪校とは違い、紅白戦もできないチームだ。奥会津の豪雪地帯で、一年のうち半分は雪に覆われている。それでも、昨秋の県大会でベスト8に入り、21世紀枠で選出された。
一体、何点取られるのだろう。そんな気がしていた。実力差は歴然としていたが、毎回訪れるピンチを必死に守り、数少ないチャンスに1点返した。8回まで、4-1の大健闘だった。9回にさらに2点失ったが、これは13人全員を出すための措置をしたからで、致し方ない。只見に悲壮感はまったくなく、楽しそうに全力疾走する姿が胸を打った。
21世紀枠なんていらないと思っていたが、今回に限っては、なかなか粋な計らいだった。