決勝進出をかけた最終戦の相手はポーランド。
FIFA世界ランキング8位の強豪だが、セネガル、コロンビアに連敗し敗退が決定していた。
ここまで1勝1分の日本は、引き分けでも決勝進出が決定する。
ほぼ同じ時刻に、コロンビアとセネガルの試合が行われる。
仮に、日本が負けたとしても、セネガルが日本以上の失点で負ければ、決勝進出の可能性も出てくる。
刻一刻と状況が変わる緊張した一戦になった。
日本は前2戦からメンバを大幅に入れ替えた。
走れるメンバを入れた、引き分け狙いの作戦だったのかもしれない。
決定的チャンスを作ることもなく、前半はドローで凌いだ。
後半早々、岡崎が故障で離脱し、代って大迫が入った。
それでも、相手陣内に思うように攻め入れない。
そして、後半14分、相手のフリーキックから得点を許してしまう。
コロンビア-セネガル戦はこのとき0-0。このままでは、日本は3位で予選敗退になる。
1点を追いかける展開になったが、やはりこのメンバではチャンスメークができない。
後半20分、宇佐美に代えて、好調の乾を投入。
しかし、ディフェンスが不安定で、特に槇野が良くない。
再三ピンチを向かえるが、相手のシュートミスに救われた。
すると、後半29分頃、コロンビアが1点先制するニュースが入ってきた。
これで状況はまた変わり、イエローカードの差で日本が2位に浮上した。
後半37分、武藤に変えて長谷部を投入。
西野監督が長谷部に指示したことは、このまま試合を終わらせることだった。
ここから、自陣でのボール回しが始まり、時間を使いだした。
会場からは大ブーイングが起きた。
当然だ、負けているチームの戦略ではない。
しかも、もしセネガルが同点に追いついたら、歴史上「最も間抜けな戦略」と言われるに違いない。
それなのに、解説者は「ブーイングなんか気にするな」と言う。
そして、セネガルが負け、日本の決勝進出が決まると、西野の采配を「大した決断だ」と誉めたたえた。
こんな戦い方で決勝に進出したところで、何の意味があるのだろう。
日本は参加国中の最弱チームなのだから、常にチャレンジャーでいなくてはならない。
たとえグループリーグ敗退としても、果敢に戦った結果なら誰も咎めはしない。
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