読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

青春のうた 第28巻 1970年台後期④

2007-02-23 22:23:32 | 読んだ
1.案山子/さだまさし 1977年11月

さだまさしの歌の中ではベスト3に入る曲である。
聞いていても歌っていても、なんだか花の奥がツーンとなってくる。

解説にもかいてあるが「弟」への想いを歌ったものだ。(本人がそう言っているのを聞いたことがある)

そういうことだからなのか「ベタベタ」しない暖かさというかいいカンジの間柄みたいなのが感じられる。

♪元気でいるか 街には慣れたか
 友達できたか
 寂しかないか お金はあるか
 今度いつ帰る♪

という部分が、兄貴らしい尋ねかけであるが、その問いは弟であれ、子どもであれ、あるいは恋人にも通用しそうな、普遍的な愛を感じさせる。

2.夢一夜/南こうせつ 1978年10月

かぐや姫を解散して、南こうせつはそれなりにやっていたんだとおもうが、なんだかパッとしない感じであった。
それは、伊勢しょうぞうが風というグループで「22歳の別れ」をヒットさせたことと比較されているようにも思えた。

そんなとき、この「夢一夜」がでて、ああ南こうせつは明るさもいいが、もしかしたら本質的にマイナーな歌が似合うんではないか、なんて思ったりしたのである。

詩が阿木耀子で、どろどろしたというか思い入れが激しい、そんな言葉を、マイナー(短調)ながらもあっさりふうに仕上げた歌で、いいバランスになっている。

化粧品のCMで小林麻美とよく似合っていた歌でありました。

私はこの歌で南こうせつをソロとして認めたような気がします。
(私が認めたってしょうがないのですがネ)

3.たそがれマイ・ラブ/大橋純子 1978年8月

大橋純子が歌い上げるというのはあまり好みじゃなかった。
どちらかといえば、この歌のように「しっとりと」というのが似合っていると思っていた。

この歌を何気にスッと歌っているところがよかった。
といっても時々テレビでは後半部を力を入れて歌ったりして、そんなときは「違うだろう!」なんて思ったりしていた。
どちらかといえば「抑え気味」で歌ってほしい。

4.思えば遠くへ来たもんだ/武田鉄矢(海援隊) 1978年9月

武田鉄矢というか海援隊の歌の中では文句なく一番の歌である。

♪二十歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
 いっそ死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた♪

の部分が、たまらなくいい。
同感、共感、納得。なのである。
オレもそうだった、と言いたいのである。

この歌も近頃は思い入れたっぷり歌っているが、あっさりと歌ったほうがいい。
だから、コンサートなんかで海援隊の3人がかわるがわる歌うと、中牟田さんの歌い方のほうが沁みるのである。

ふるさとを離れて生きていないので「思えば遠くへ来たもんだ」ということはないが、近頃は「土地」として遠くへ来たのではなく、時間的な感覚で「思えば遠くへ来たもんだ」と思うのである。
それゆえに、この歌はなおさら心に響くのである。

蛇足ながら付け加えるが、武田鉄矢主演の映画「思えば遠くへ来たもんだ」は、角館が舞台である、あべ静江が清楚できれいだった、村田雄浩のデビュー作であった、この3点を除くと「つまらない」映画であった。
でも、しかし、だからこそ、テーマ曲としてのこの歌がよく聞こえるのである。

5.マイ・ピュア・レディ/尾崎亜美 1977年2月

そうではないかと思っていたのであるが、尾崎亜美は私と同級(同学年)であった。

尾崎亜美を聞くたびに「何故こんなポップな感覚になれるんだろう」って思っていた。
早い話、尾崎亜美の歌は「歌えない」のである。
微妙なメロディーライン、そっちのほうに行くのか?というカンジがするのである。

で、こういっちゃ何だが、そのわりにはポップでない容姿で・・・このアンバランスさ、というのが魅力なんだろうなあ、って思っていたのである。

聴く分にはいいのだが、若干「苦手」という意識もある、尾崎亜美なのである。

6.季節の中で/松山千春 1978年8月

松山千春は歌に接するだけで、その言動についてはゼンゼン知らなかったので「ああいう人」だとは思わなかった。

きれいな歌をきれいな声で歌うきれいな人。
というのが印象である。

この「季節の中で」はグリコのチョコレートのCMに使われていたと記憶している。

ドーンとでてくる
♪めぐるめぐる季節の中で♪
がすごく印象的であった。

あとがき
 28号は「しみじみ」とさせられる歌ばかりであった。

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