読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

会社は社員を守ってくれるか 岩井克人 文藝春秋3月号

2007-02-15 21:40:54 | 読んだ
「終身雇用の崩壊、上がらぬ給与、残業代ゼロ」という副題がある。

産業資本主義の時代には資本投下して機械制工場を建て農村に過剰に存在した安価な労働者を雇って大量生産をすれば利潤を上げることができたが、現在はポスト産業資本主義の時代で利益の源泉となるのは、差異性、他社との違いをいかに生み出すか、ということ。
つまりは「人」が大切。

格差といわれているが、数字上で見ればアメリカは格差が第2次世界大戦前の状況にもどり格差があるが、マダマダ日本では平等であるということ。

「株主主権論」の異常さ。
「日本的経営」の新しい形での復活。
組織作りが会社の命運を握る。

などなど、フーム、と唸ってしまった。
なるほどこういう見方もあるのか、と思った。

近頃の日本では、ヒステリー気味にひとつの事柄をひとつの方向から騒ぎ立てるフシがある。もっと柔軟な見方があってもいいのではないだろうか、と思っていたところに、この文章を読み腑に落ちるところがあった。

平等とは何か?
何かをした人間としない人間、工夫した人としない人、これらに「差」があって当然である。
ただ一生懸命したといっても、無駄な一生懸命もある。

格差、というのは評価でもあると思う。
ただ、その評価の基準が一時代前と違うということなのである、と思ったのだ。

今月はわりと真面目に文藝春秋に取り組んでいる。


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