読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

世界悪女大全 桐生操 文春文庫

2007-02-21 22:50:55 | 読んだ
副題が<淫乱で残虐で強欲な美人たち>である。

桐生操の本は「美しき拷問の本」というのを読んでいる。
で、知っているのだが、題名ほど内容は「スゴク」ないのである。
この「スゴイ」の意味がアレだけれど、つまりはそれほど興奮するようなことはないのである。
どちらかといえば「論文」風で、世の中には色々な人がいるのだなあということを知ることができる、ほうが大きい。
だから、題名をもうすこし「穏やかな」ものに変えてもらいたいのである。
なにしろ、新刊は「性生活大全」である。

さて、著者の桐生操は上田加代子と堤幸子の二人のペンネームである。いわゆる「共著」なのであるが、本書のあとがきによれば、この世界悪女大全が最後の共著であり、堤幸子は亡くなったのである。(合掌)

さて、なんというかそっちのほうを期待すると「スゴイ」ことはないのであるが、登場する悪女たちの所業は「凄い」のである。

主に西洋の悪女たち(中国の悪女も登場するが、日本からは登場しない)の話であるが、この本を読むとなにがインモラル、アブノーマルなのかよく分からなくなる。

まあ、登場する悪女たちは有名で歴史上に残る人なので、それなりに「権力」や「金」を持っているし、概ね「美人」であるので、やることが「凄い」のである。

なんというか、人間は「美」とか「金」とか「権力」を持つと、何がいいことで何が悪いことなのか判別できないようになるのではないだろうか?
なんて思うほど「悪女」だらけなのである。
実際にはそれほど悪女がいたわけではないんだろうけど・・・

というか歴史に残らない「悪女」のほうがコワイ。と思う。

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コメント
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