先週末は、京女の叔母※の中陰(ちゅういん、四十九日)だった。
中陰とは中有(ちゅうう)ともいい、仏教で人が死んで49日間を指す。
死者があの世へ旅立つ期間をいいます。
死者が生と死、陽と陰の狭間にいるため中陰ともいいます。
宗旨によってやることが違うようです。
位牌を仮のものから正式な漆塗りの位牌に霊を移し替えておられたように思います。
そのあたりのことを坊さんちゃんと解説して欲しかったな。
最近の坊さんは、読経だけですぐに終わってしまいますね。
本来なら、簡単な説法をした方がいいと思う。
これから彼岸に行く人たちばかりなので、生前から教え諭しておくのが僧侶の仕事だと思う。でないと檀家さんがついてこなくなるように思います。
※父母の姉→伯母、妹→叔母
↑河藤「黄白上用」
こういう仏事の時に登場するのが「黄白上用」。
地方によって名前は違うでしょうね。
京都市内では、「黄白(きしろ)」といいます。
京都市内を歩かれると餅屋さんやおまん屋さんが多いのに気付かれると思います。
古い街で行事を重んじる街だからです。
行事に出てくるのか「饅頭」や「餅」です。
↑河藤「黄白上用」白、こし餡
われわれの小さい頃は、お正月や創立記念日とか、冠婚葬祭には、かならず上用饅頭が配られます。
「黄白上用」の場合は、仏教の考え方と密接なんです。
故人のための行事の時、当然故人の成仏を願う訳です。
その時、どんな人でも聖人君主ではない。多かれ少なかれ罪を犯しています。
その罪を少しでも軽くするために「布施」や「慈悲」を世間に施すのです。
昔は、甘いものが貴重でした。だから上用饅頭なんてのは、贅沢な食べ物でした。
それをできるだけ沢山の人に配ることで「布施」や「慈悲」の行為をします。
そうすることで故人が成仏するという考え方なんです。
↑河藤「黄白上用」黄、つぶ餡
最近は、こういう黄白を配る家が少なくなりました。
「商品券」の方が喜ばれるからかな・・・。
小さい時は、この「黄白」がちょっと怖かった。
だから食べなかったように思います。
いまは、美味しくいただきます。
彼岸に近づくと生死なんてあまり気にならなくなるものですね。
※京都の不祝儀で水引を「黒白」ではなく「黄白」にする場合があります。何故か?宮中に納める献上品の紅井水引が黒白に見えるため、見惑うことのないようにという話があります。紅井水引(濃い緑)は紅花で染めた貴重な水引なんです。現在では、宮内庁の婚礼行事もつかわれているそうです。
和菓子 | |
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河出書房新社 |
↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)
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