京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

おめでとうさんにございます

2008年01月01日 16時47分52秒 | 風景


今年もどうかよろしくお願いします。
いままでアナログの年賀状をひたすら書いておりまいた。
やっといま投函しました。
2008年になってしまいましたね。
去年の記事が明日からまた続きますが、カンニンしておくれやす。



京都のお正月のタイムスケジュールを書いておきます。
基本的にお正月は、大年神(おおとしのかみ、大歳神とも書く)を家に迎えるための行事なんです。だから仏教やキリスト教はあまり関係ない行事。
大年神さんの「年」は稲の実りのこと。
日本神話では、スサノオと神大市比売(かむおおいちひめ。大山津見神の娘)の間に生まれた大年神(おおとしのかみ)としている。兄弟に宇迦之御魂神がおり、これも穀物神さんなんです。
宇迦之御魂神さんは、外宮の神さんやね。伏見稲荷大社の神さんでもあるんです。
中世のころ、都市部で「年徳神(歳徳神)」と呼ばれるようにならはった。
徳は得に通じ縁起が良いとされたためである。方位学にも取り入れられ、歳徳神のいる方角は「恵方」と言って縁起の良い方角とされるようになった。



歳徳神を迎えるために、小さな飾り餅(星つきさん)を井戸、お風呂、走り(台所)、お便所などに飾ります。門には根引き松をかざります。これは歳徳神さんをここを依代(アンテナみたいなもの)にして家にきてもらいます。家にはいらはったら、星つきさんや鏡もちのところにおっとってもらうんです。


↑根引き松↓


神社で31日に大祓(おおはらえ)をしてもらいます。夏越祓から半年ずいぶん穢れがたまっていますよね。それをお祓いしてもらいます。
年が明けた午前1時頃、八坂さん(八坂神社)のおけら詣りに行って浄火を吉兆縄につけて消さんように家に持って帰ります。
元日は寅の刻(午前4時)ぐらいからはじまります。
お雑煮を祝います。まず夜が明ける前に若水を汲んで神さんに供えます。
おけら火で火をつけてお雑煮を炊きます。昔は、お雑煮を炊くのは男の仕事だったそうです。
女性は不浄(失礼)だという考え方だったそうです。







その家の主人の椀には、大きな頭いもを一人にひとつ切らずに丸のままはいっていました。
そして子孫繁栄という意味でこいも。大地に根を張る願いをこめて、お雑煮大根の輪切り、お餅はもちろん丸餅が基本。お出汁はもちろん白みそ。みんな角のないもんばっかりで祝います。
食べる時に花がつおをふうわりかけていただきます。



用意ができ、みんながお膳についたら、まず「おめでとうさんにございます」と挨拶を交わし、「お祝いやす」と祝い始めます。
まず、お屠蘇をいただく、もしくは大福茶を飲みます。
お雑煮をいただく。
写真は、中村軒で食べた白味噌のお雑煮です。家でこんな器でたべません。
塗りのお椀なんです。



京都で絶対に食べないといけないお節料理は、「ごまめ、数の子、たたきごんぼ」これだけあればそれでよろし。

こう書くと結局徹夜をしているでしょ。
そうなんです。本来31日の夜は寝ないのが本式なんです。だから初夢は1日の夜に見るもの。
そして歳徳神が家に来てくれはって定着してもらうまでの三日間は外にでたらあかんのです。
せっかく神さんがきてくれたはるのに、ヨソの神社にお詣りに行ったらあかんのです。
このあたりが最近わかってない人が多すぎ。またヨソさんの家に挨拶に行くのもあかんのです。
歳徳神さんに留守番してもらったらバチがあたりまっせ。
そのために年末に保存食をつくるのがお節料理の始まりなんです。
このあたりがいま、まったく忘れられている。とても残念なことです。
コメント (4)
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