2021年6月16日(水)に第204通常国会が閉会した。4野党が共同で会期延長を求めていたが、拒否されたわけである。そこで菅義偉内閣不信任案を提出したが、「粛々と」否決されて終わった。自民党の二階幹事長は「不信任案が出たら、総理に解散を進言する」などと脅してきたが、結局それは嘘の脅しだったのだろう。何でも10年前の2011年には、野党だった菅義偉議員が、当時の菅直人首相に国会延長を求めていたという。それを受けて、菅直人内閣は8月30日まで大幅に会期を延長した。だからこそ、民主党内閣は自民党に政権を奪還されたのだろう。
今までのケースでは、国会で様々な問題が追及されると内閣支持率が下がり、国会を開いていない間に少しずつ支持率が上がって行くというパターンが(少なくとも安倍内閣では)多かった。今回は東京五輪、パラリンピックのあり方、コロナ感染者やワクチン接種の事情など予測出来ない問題も多いが、いずれにせよ国会を開いてない方が政権には都合がいい。
もうすでに、河井克行元議員の実刑判決、東芝株主総会への経産省関与問題、平井デジタル改革相のパワハラ・談合疑惑など目白押し。今後「赤木ファイル」開示、菅原一秀元議員の略式裁判、夫婦別姓訴訟の最高裁判決等と続く。その中で「五輪観客問題」の結論を今月中に出すという。国会を開かないのなら、首相自身(官房長官ではなく)記者会見して国民にきちんと説明するべきだけど、もちろんそんなことはしないのだろう。
国会に限らず、五輪開催なども、すべては「10月(予定)の衆議院選挙」に有利かどうかが判断基準になる。つまり首相は「五輪の有観客開催」が「国威発揚」につながり、選挙に有利だと判断しているわけでなる。そう上手く行くかどうか。僕には判断しようがないが、五輪をきっかけに支持率が反転上昇して、選挙では自公で過半数を獲得する(菅氏が自民党総裁を続投する)という可能性は「かなりある」と思っている。逆に言えば、首相としてもそこに賭けるしかない。
ところで、五輪、総選挙を前にして、都議会議員選挙がある。6月25日告示、7月4日投開票なので、もう間もなくである。国政選挙がある年は、都議選の結果がその後の選挙結果に連動することが多い。2009年には民主党が都議会第一党となり、直後の総選挙で民主党の政権交代につながった。2001年には小泉首相誕生直後に自民党が都議会で圧勝し、直後の参院選でも自民党が圧勝した。前回2017年は「都民ファーストの会」が躍進して、自民党が大敗した。
2017年秋の衆院選では小池都知事が「希望の党」を結成し、民進党(当時)も加わって「政権選択」になるはずだった。小池氏による「排除」発言から「立憲民主党」が誕生し野党第一党になるという結果になったが、逆の意味で都議会選挙が中央政界に波及したわけだ。
(現在の都議会勢力分野)
では今回はどうなるだろう。今の段階で言えることは少ないが、「都民ファーストの会」が激減し、その分「自民党」と「立憲民主党」が増えることは大きな傾向としてはっきりしている。どっちの傾向が大きく出て来るかは、今のところはなんとも言えない。そもそも「都民ファーストの会」は前回「風」だけで当選した議員が多く、名前もあまり浸透していない。小池知事が前面に出れば別かもしれないが、今回は「コロナ対応」「五輪」を理由にして知事は「静観」などと言われている。政権をあまり刺激したくないとも言うが、秋の衆院選に自民党から出馬して国政復帰説もあるらしい。
(都議選の投票意向調査)
都議選は1人区も多いが8人区まであって、予想が立てにくい。1人区は順当なら自民党以外は当選が難しい。そこに前回は公明の支援を得た「都民ファーストの会」が席巻することになった。今回公明は自民支援に戻ったので、常識的には1人区はほとんどが自民党だろう。菅内閣のコロナ対応への低評価、相次ぐ議員の不祥事などが自民党の得票にどの程度影響するか。それは秋の衆院選を占うことになるだろう。
もう一つの大注目は公明党の得票。今回は新人を含めて23人を立て、現状維持を狙っている。選挙上手なだけに全員当選の可能性は高いと思うが、新人が立つところでは取りこぼしもあるかもと言われている。問題は得票数である。実は公明党というか創価学会が一番力を入れるのは都議会選である。国政選挙の時は全国すべてで選挙をしているんだから、東京だけに力を入れるわけにはいかない。都議選の時は東京しか選挙をやってないから、全国から支持者が動員される。遠い遠い縁をたどって電話を掛けてくるのも、今や都議選の公明党ぐらいだ。
都議会は公明党発祥の地でもあり(公明党以前の「公明政治連盟」も出来ていない時代、最初に選挙に乗りだしたのは首都圏の地方選挙だった)、歴史的に重要視されてきた。しかし、コロナ禍で昨年から創価学会や公明党の地道な集会はほとんど開けていないという話である。支持者の高齢化でどの党も集票に苦労しているが、公明党も支持者の活動が鈍っているのかどうか。その試金石が都議選で前回票に比べて、どのような出方になるかで判断出来るだろう。
共産党は現有18議席が、微増、微減、現状維持のどれになるか微妙なところ。立憲民主党は前回民進党が壊滅的だっただけに、今回はそれをどこまで取り戻せるか。増えるのははっきりしているが、大選挙区の最後の方がどうなるかは今の段階ではなんとも言えない。「都民ファーストの会」の票の出方とも合わせて、秋の衆院選を予見する結果になるか。ホントは五輪から衆院選の話まで書きたかったのだが、都議選だけで長くなってしまった。まあ地元だけに都議選には関心があるので悪しからず。
今までのケースでは、国会で様々な問題が追及されると内閣支持率が下がり、国会を開いていない間に少しずつ支持率が上がって行くというパターンが(少なくとも安倍内閣では)多かった。今回は東京五輪、パラリンピックのあり方、コロナ感染者やワクチン接種の事情など予測出来ない問題も多いが、いずれにせよ国会を開いてない方が政権には都合がいい。
もうすでに、河井克行元議員の実刑判決、東芝株主総会への経産省関与問題、平井デジタル改革相のパワハラ・談合疑惑など目白押し。今後「赤木ファイル」開示、菅原一秀元議員の略式裁判、夫婦別姓訴訟の最高裁判決等と続く。その中で「五輪観客問題」の結論を今月中に出すという。国会を開かないのなら、首相自身(官房長官ではなく)記者会見して国民にきちんと説明するべきだけど、もちろんそんなことはしないのだろう。
国会に限らず、五輪開催なども、すべては「10月(予定)の衆議院選挙」に有利かどうかが判断基準になる。つまり首相は「五輪の有観客開催」が「国威発揚」につながり、選挙に有利だと判断しているわけでなる。そう上手く行くかどうか。僕には判断しようがないが、五輪をきっかけに支持率が反転上昇して、選挙では自公で過半数を獲得する(菅氏が自民党総裁を続投する)という可能性は「かなりある」と思っている。逆に言えば、首相としてもそこに賭けるしかない。
ところで、五輪、総選挙を前にして、都議会議員選挙がある。6月25日告示、7月4日投開票なので、もう間もなくである。国政選挙がある年は、都議選の結果がその後の選挙結果に連動することが多い。2009年には民主党が都議会第一党となり、直後の総選挙で民主党の政権交代につながった。2001年には小泉首相誕生直後に自民党が都議会で圧勝し、直後の参院選でも自民党が圧勝した。前回2017年は「都民ファーストの会」が躍進して、自民党が大敗した。
2017年秋の衆院選では小池都知事が「希望の党」を結成し、民進党(当時)も加わって「政権選択」になるはずだった。小池氏による「排除」発言から「立憲民主党」が誕生し野党第一党になるという結果になったが、逆の意味で都議会選挙が中央政界に波及したわけだ。
(現在の都議会勢力分野)
では今回はどうなるだろう。今の段階で言えることは少ないが、「都民ファーストの会」が激減し、その分「自民党」と「立憲民主党」が増えることは大きな傾向としてはっきりしている。どっちの傾向が大きく出て来るかは、今のところはなんとも言えない。そもそも「都民ファーストの会」は前回「風」だけで当選した議員が多く、名前もあまり浸透していない。小池知事が前面に出れば別かもしれないが、今回は「コロナ対応」「五輪」を理由にして知事は「静観」などと言われている。政権をあまり刺激したくないとも言うが、秋の衆院選に自民党から出馬して国政復帰説もあるらしい。
(都議選の投票意向調査)
都議選は1人区も多いが8人区まであって、予想が立てにくい。1人区は順当なら自民党以外は当選が難しい。そこに前回は公明の支援を得た「都民ファーストの会」が席巻することになった。今回公明は自民支援に戻ったので、常識的には1人区はほとんどが自民党だろう。菅内閣のコロナ対応への低評価、相次ぐ議員の不祥事などが自民党の得票にどの程度影響するか。それは秋の衆院選を占うことになるだろう。
もう一つの大注目は公明党の得票。今回は新人を含めて23人を立て、現状維持を狙っている。選挙上手なだけに全員当選の可能性は高いと思うが、新人が立つところでは取りこぼしもあるかもと言われている。問題は得票数である。実は公明党というか創価学会が一番力を入れるのは都議会選である。国政選挙の時は全国すべてで選挙をしているんだから、東京だけに力を入れるわけにはいかない。都議選の時は東京しか選挙をやってないから、全国から支持者が動員される。遠い遠い縁をたどって電話を掛けてくるのも、今や都議選の公明党ぐらいだ。
都議会は公明党発祥の地でもあり(公明党以前の「公明政治連盟」も出来ていない時代、最初に選挙に乗りだしたのは首都圏の地方選挙だった)、歴史的に重要視されてきた。しかし、コロナ禍で昨年から創価学会や公明党の地道な集会はほとんど開けていないという話である。支持者の高齢化でどの党も集票に苦労しているが、公明党も支持者の活動が鈍っているのかどうか。その試金石が都議選で前回票に比べて、どのような出方になるかで判断出来るだろう。
共産党は現有18議席が、微増、微減、現状維持のどれになるか微妙なところ。立憲民主党は前回民進党が壊滅的だっただけに、今回はそれをどこまで取り戻せるか。増えるのははっきりしているが、大選挙区の最後の方がどうなるかは今の段階ではなんとも言えない。「都民ファーストの会」の票の出方とも合わせて、秋の衆院選を予見する結果になるか。ホントは五輪から衆院選の話まで書きたかったのだが、都議選だけで長くなってしまった。まあ地元だけに都議選には関心があるので悪しからず。