万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

利権独占集団化した中国共産党

2010年12月16日 15時39分43秒 | 国際政治
【巨竜むさぼる 中国式「資源」獲得術】第7部 識者に聞く(3)(産経新聞) - goo ニュース
 共産主義とは、国家を一種の”配分マシーン化”する思想ですので、権力が容易に”利権化”する下地は充分に整っています。この土壌の上に、市場経済路線を進めたのですから、共産党が、巨大利権独占集団化するのは必然の成り行きであるかもしれません。

 共産主義国ではない一般の諸国でも、政治家の利権を排除し、政治腐敗を防止することは、簡単なことではありません。ましてや、政権交代を可能とする民主的な選挙制度や外部チェックの仕組みとしての権力分立が導入されていない中国では、党の内部から組織改革を行うことは至難の業です。既得権益をしっかりと握っているのは、改革者であるべき党の幹部であり、一般の党員なのですから。権力に対する監視機関を設立するにしても、共産党の息がかかり、独立性も中立性も保障されていないようでは、効果的な監視ができるとも思えません。

 経済成長に比例して、利権は市場の隅々まで及び、民間の経済活動を縛り、余計な負担を強いることになります。市場のルールも、自由な営業も、自由な取引も、公正な競争もない中国の”市場主義”は、共産党が利益を吸い上げるための歪な”市場”にしかならないのではないでしょうか。

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北朝鮮には経済協力ではなく経済制裁

2010年12月15日 15時49分16秒 | アジア
金総書記「日本の経済協力に関心」 中国高官と会談時(朝日新聞) - goo ニュース
 民間人を殺傷した延坪島砲撃事件という暴挙に及びながら、北朝鮮が、日本国から経済協力を得られると本気で胸算用しているとしますと、かの国の独裁者の精神は狂っているとしか言いようがありません。

 この情報は、中国高官からもたらされたようですが、北朝鮮の発言に疑問を感じていないとしますと、中国のメンタリティーもまた、北朝鮮と同類と言うことになります。休戦協定に違反して、一方的な攻撃を仕掛けたのですから、他国から経済支援を得られるはずもありません。報じられるところによりますと、北朝鮮は、新たな核実験を計画しているそうですので、実のところは、核による脅迫ということなのでしょう。暴力を使えば、相手は容易に屈すると信じているのです。

 日本国政府が北朝鮮に対してとるべき政策はただ一つ、それは、より一層の経済制裁です。21世紀は”アジアの時代”と称されながら、周辺諸国が”ならず者国家”の暴力主義を抑えられないとしますと、近い将来、人類にとって不幸な時代が到来することになると思うのです。

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冒とく罪―”ムハンマド”という名がもたらす混乱

2010年12月14日 15時09分19秒 | 国際政治
ムハンマド名刺捨て、冒とく罪? パキスタンで医師拘束(共同通信) - goo ニュース
 パキスタンでは、預言者ムハンマドと同じ名の患者の名刺を医師が捨てたところ、冒瀆罪として当局の取り調べを受けているそうです。しかしながら、もし、この行為が冒瀆罪となるならば、”ムハンマド”という名を持つ人々は、日々、気が休まる時がないかもしれません。

 例えば、”ムハンマド”という名の人が、犯罪を犯した場合はどうでしょうか。預言者と同じ名の人を罰してはならない、として、たとえ悪事を働いたとしても、無罪放免となるのでしょうか。名前が免罪符となるならば、子供に”ムハンマド”と名づける親が増えそうですし、当然、犯罪が増加して治安が悪化します。また逆に、”ムハンマド”という貴く神聖な名を持ちながら、罪を犯すことこそが、預言者に対する許し難い冒瀆であるとして、より厳しい刑罰が本人、あるいは、名付けた親に課せられるかもしれません。

 ”ムハンマド”という名をめぐるイスラム社会の動揺は、宗教と刑罰との関係を通して、現代社会における政教一致の問題を浮き彫りにしていると思うのです。

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中国はマルクス・レーニン主義の逆バージョンを行くのか

2010年12月13日 17時37分51秒 | 国際政治
夢も足も奪った天安門 中国人民主活動家の方さん(朝日新聞) - goo ニュース
 何でも逆になってしまう中国。中国が信奉するマルクス・レーニン主義から中国の将来像を占うとしますと、やはり、逆の結果が予測されるのです。

 マルクス・レーニン主義では、独占資本主義から国家独占資本主義に移行し、さらに帝国主義からプロレタリアートによる”革命的祖国敗北”へと至る道が描かれているそうです。共産党が権力を独占し、かつ、国民を懐柔するために政府が財政拡大政策を実施している現在の中国は、さしずめ国家独占資本主義の如き状況ですので、次の段階は、積極的に海外に植民地を求める帝国主義の時代となりそうです。実際に、急速に軍備拡張を図り、権益の確保に乗り出している現在の中国は、理論の道筋の通りに”帝国主義”の方向性を示しています。そうして最後に、この理論では、祖国を敗戦に導き、その混乱に乗じて労働者が革命を起こし、共産主義政権を打ち立てることになるのですが、何でも逆になる中国では、ここでどんでん返しが起こりそうなのです。つまり、共産主義政権樹立ではなく、国民の要求の前に体制が崩壊し、民主主義政権が誕生するという…。

 マルクス・レーニン主義の逆バージョンを経ずして、平和裏に中国が民主化される日が来ることを願うばかりです。

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中国人トップで国際機関が被るリスク予測

2010年12月12日 15時44分58秒 | 国際政治
中国、日本人トップ選出に反対 国際機関人事で(共同通信) - goo ニュース
 ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が政治犯として投獄された理由は、氏が起草した「08憲章」に、立憲主義や権力分立といった、近代以降に一般化した統治機構の原則が含まれていたからです。これらの原則を真っ向から否定した中国出身の人物が、国際機関のトップに付くとなりますと、権力の濫用と組織腐敗のリスクを懸念せざるを得ません。

 報道によりますと、ASEAN+3を枠組として経済監視機関を設ける構想があり、中国は、そのトップに日本人が就任することに反対しているそうです。「AMRO」と呼ばれるこの機関は、おそらく、各国の自由化措置が条約に定められた通りに進展しているのか、定期的にチェックする機関なのでしょう。しかしながら、そもそも、条約に誠実に従って約束事を実行することも、権力を外部からチェックする機能、すなわち、権力分立によるチェック・アンド・バランスも理解していない中国の人々に、この中立・公平性が重んじられる職務が務まるとは思えません。中国の国益のためにこの権限が政治的に利用されるかもしれませんし、あるいは、賄賂次第では、いくらでも検査を甘くするかもしれません。

 加盟国間の政治的な価値観の違いは、国際機関の設計にも、また、その運営にも影響を与えます。中国が主導権を握る国際機関は、中国の特異な政治文化によって侵食されるリスクを抱え込んでいると思うのです。

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中国のノーベル平和賞批判―共産主義も西欧思想では

2010年12月11日 15時43分15秒 | 国際政治
ノーベル平和賞授賞式欠席は17カ国 劉氏「私と中国に悲しいこと」(産経新聞) - goo ニュース
 昨日、ノルウェーのオスロで行われたノーベル平和賞授賞式には、暖かい拍手で迎えられるべき受賞者、劉暁波氏の姿はありませんでした。凍てつく会場の外では、在ノルウェーの中国人の団体が、劉氏のノーベル平和賞受賞に対して非難の声をあげていたそうです。

 国際社会から人権弾圧の非難を受けるたびに、中国は、”欧米の価値観の押しつけ”として、拒絶反応を示してきました。しかしながら、中国が信奉してきたマルクス・レーニン主義もまた、その思想は、西欧に発しています。ユダヤ系ドイツ人であったマルクスは、イギリスにおける経済史研究と当時の労働事情の分析から、共産主義理論を導き出しました。ところが、マルクスの期待に反して、共産主義発祥の地では、プロレタリア革命は起きず、ロシア革命により成立したソ連邦と社会・共産主義陣営に引きずり込まれた諸国もまた、1989年の東欧革命を転機として民主化されました。

 その一方で、中国を含む若干の諸国のみが、後生大事に西欧生まれの共産主義を堅持しているのです。共産主義を掲げて一党独裁を正当化しながら、国際社会からの批判をかわすために、西欧文明の固有性を持ち出す中国の態度は、矛盾に満ちていると思うのです。

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ノーベル平和賞授賞式欠席国の国民は政府に異議を唱えないのか

2010年12月10日 12時01分25秒 | 国際政治
平和賞授賞式を欠席のセルビアにEUが警告(読売新聞) - goo ニュース
 中国の圧力に屈して、劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式の欠席を決めた諸国。これらの諸国の国民は、政府の方針に素直に納得しているのでしょうか。

 劉氏が求めた民主化や権力分立の否定とは、欠席国の国民にとりましては、自国の政府が、国民の基本的な自由と権利を蔑にし、国民の政治参加を否定することに、半ば同意したことを意味します。国民は、政府から重大な挑戦を受けたことになるのですから、国民の多くは、自国の政府に対して不信感を抱いてもおかしくはありません。対中関係に配慮して欠席を決定したセルビアでも、国内の人権団体などから、政府の決定に批判の声があがっているそうです。

 授賞式欠席の理由は、中国への同調ばかりではないかもしれませんが、国民は、政府の決定が、自らにも跳ね返ってくるリスクに気づくべきと思うのです。もし、日本国政府が欠席を表明したとしましたら、内閣支持率は、限りなく0%に近づいたはずです。ノーベル賞授賞式欠席に反対の世論が起きてこそ、成熟した民主主義国家の証しと言えるのではないでしょうか。

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「孔子平和賞」を受賞する日本人は誰か

2010年12月09日 15時23分29秒 | 国際政治
中国「孔子平和賞」新設 ノーベル賞対抗(産経新聞) - goo ニュース
 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に対抗して、中国でも、「孔子平和賞」を設けたそうです。第一回目の受賞者は、中台関係の改善に貢献したとされる台湾の連戦氏とのことですが、この平和賞、受賞者の国の国民に、微妙な波紋を広げると思うのです。

 台湾の連氏が選ばれた理由とは、中国側が主張する”一つの中国”政策の台湾サイドの協力者であったからであると、容易に推測することができます。間違っても、台湾独立を主張した民進党の陳水扁氏が選ばれるわかはなく、受賞者は、あくまで、中国の基本方針や政策に合致した行動を取った人物でなければならないのです。果たして、「孔子平和賞」の受賞者は、この受賞を名誉と感じるのでしょうか。

 将来において、日本人がこの平和賞を受賞するとなりますと、日本国民の多くは、この人物を、猜疑心に満ちた目で眺めることになるかもしれません。中国サイドに組み込まれ、自国を売った”売国奴”ではないかと。「孔子平和賞」は、対中協力者をあぶり出すことになるかもしれないのです。

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中国が尖閣諸島の領有を主張するならば司法の場で

2010年12月08日 15時41分56秒 | 国際政治
尖閣漁船衝突 知日派・劉清華大教授が寄稿 「棚上げ」破棄恐れた中国(産経新聞) - goo ニュース
 尖閣諸島に対する中国の公式の立場は、日本国の明治政府が拡張主義の一環として不法占拠し、”中国から盗み取った”ということのようです。”盗み取った”とは、聞き捨てならない表現なのですが、もし、そのように考えるならば、一方的に「領海法」を制定して編入したり、軍事力で奪い取ろうとするよりも、司法の場に訴えるべきと思うのです。

 島嶼の領有をめぐる争いは、法律問題として司法解決しやすい問題であり、これまでにも、裁判を通して解決した事例が幾つもあります。中国側のいう”不法占拠”や”侵略”は、あくまでも、中国の主観から見た表現であり、それが、国際法において通用するとは限りません。あくまでも、当事者の一方の言い分に過ぎないのです。中国側の主張には、以下のような難点があります。

(1)外交文書第18巻と第23巻に記載されている我が国側の文書は、”無主地”でないのを認めたのではなく、清国側が、尖閣諸島の存在を知っていることを認識していたことを示している。国際法では、清国が存在を認識していたとしても、統治権が及んでいなければ、”無主地”として扱われる。

(2)国際法では、最初の発見=領有権の成立とは見なしていない。また、航海の目印=領有権の成立でもない。

(3)明時代の『籌海図編』を根拠とした防衛対象区域論は、”防衛線”と同義であり、領有権の根拠とはならない(中国人とされる後期”倭寇”の取り締まり?)。

(4)中国側の史料に尖閣諸島の名が見えるのは、あくまでも、琉球への冊封使の航海記録上であり、明・清時代を通して支配権を及ぼしていた証拠がない。

(5)中国側の史料に見える琉球との境界に関する記述によれば、境界について説明しているのは民間人であって、冊封使の方は認識していない。

(6)清国は滅亡しており、清国の版図を、現在の中国政府が、領有権の根拠とすることにも疑問がある(清国は、積極的な領土拡張政策を遂行した)。

 日本国は、当時の国際法に則って尖閣諸島を領有したのであり、”盗み取った”わけではありません。19世紀という時代にあって、日本国と清国との間には、境界線が曖昧な部分があり、近代国際法秩序がアジアに及ぶに当たって、日本国は、こうした領有権が未確定な諸島を、国際法に基づいて合法的に領有したと考えられます。何れにしましても、中国もまた、歴史や法的な根拠を持ち出して主張するならば、それは、司法の場こそ、相応しいのではないでしょうか。

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ICCは金親子を逮捕できるのか

2010年12月07日 15時39分30秒 | 国際政治
北朝鮮の韓国攻撃 国際刑事裁が「戦争犯罪」予備調査(朝日新聞) - goo ニュース
 北朝鮮が、延坪島を無差別砲撃し、民間人の住居を破壊して死傷者を出したこが、戦争犯罪であることは疑いありません。問題は、ICC(国際刑事裁判所)が、砲撃を指揮したとされる金親子を逮捕することができるか、否かにあります。

 北朝鮮は、国際刑事裁判所に関するローマ規定を批准しておりませんが、報道されているように、予備調査(捜査?)を開始したとしますと、ICCは、自らに管轄権があるものと判断したようです。韓国側の被害は明白ですので、検察官が北朝鮮国内を捜査しなくとも、訴追までは可能と考えられます。しかしながら、逮捕状や召喚状が発布されても、金親子を逮捕することができなければ、被告人を公判に出廷させることができません。この点に関して、ローマ規定は、非締約国の逮捕手続きをとる義務については規定を設けていないのです。果たして、北朝鮮は、最高権力者である金親子を司直の手に引き渡すでしょうか。全ての国家権力を独裁者が握っている体制では、独裁者が、自らの行為を反省して、”自首”することを期待することはできないのです。

 このことは、無法者である北朝鮮を裁判の判決の下で罰するには、ICCの仕組みでは、限界があることを示しています。国際犯罪者に対して確実に刑罰を与えるためには、強制力の発動を視野に入れる必要があるのです。国際犯罪を有効に取り締まり、責任者を罰することができない現状の改善は、今後、国際社会が、真剣に取り組むべき課題であると思うのです。

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在日中国人は劉氏の釈放デモを何故行わないのか

2010年12月06日 17時13分57秒 | 国際政治
ノーベル平和賞・劉氏の釈放求めデモ 香港で約300人(朝日新聞) - goo ニュース
 獄中にあるノーベル平和賞受賞者、劉暁波氏の釈放を求めて、香港でデモが行われたそうです。カナダやアメリカでも同様のデモが予定されているそうですが、何故、日本国に居住している在日中国人の方々は、デモを行わないのでしょうか。

 我が国に滞在している在日中国人の数は、現在、60万人ほどに上り、その中には、本国の政治体制に対して批判的な人々も少なくないはずです。日本国では、言論の自由が認められていますので、予定地の警察署にデモの実施を申請すれば、問題なく許可されます。もし、当局が、中国に配慮した”政治判断”で不許可とすれば、世論は、警察署の対応の方を非難するでしょう。日本国でのデモ実施の情報が、本国のネットに流れれるとすれば、言論の自由の意義も中国に伝わるはずです。

 長野の聖火リレーでは、在日中国人の人々が大量に動員されたことを思い起こしますと、日本国には、本国の統制が及んでいるのでしょうか。日本人の反中デモでさえ、劉氏の釈放も叫ばれていたにもかかわらず、当の在日中国人の人々が沈黙していることには、どこか、そら恐ろしさを感じるのです。

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農業団体―TPPに反対なら対案を

2010年12月05日 15時26分18秒 | 日本経済
米韓FTA合意、日本「太刀打ちできぬ」 TPP参加にも反応鈍い政府(産経新聞) - goo ニュース
 TPPへの参加は、安い外国の農産物の流入が予想されるため、農業団体からは、強い反対の声が上がっています。しかしながら、製造業もまた、TPPのチャンスを逃しますと、国際競争上不利となり、産業の衰退と失業問題に直面することになります。

 政府も産業界も、自由貿易と国内農業が両立する道を必死に探っています。農業や農家を切り捨てようとは、微塵も考えてはいないのです。一方、農業団体を見ますと、やみくもにTPP参加に反対しているように見えます。製造業の将来は、自分たちの利益を守るためには、犠牲にしてもよいとでも思っているかのように。

 農業だけでは、一億三千万人の国民は生きてはゆけません。農業団体も、農家の方々も、TPPの参加に反対するならば、製造業のために、対案や条件を提示すべきと思うのです。反対だけでは、農業も製造業も共倒れになるのではないでしょうか。

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”第二のコソボ論”―中国が怖れるのは帝国分解

2010年12月04日 14時49分49秒 | アジア
中国発レポート!対北朝鮮外交の本音 水面下では高まる不信感 北崩壊による第2コソボ化を恐れる(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 中国が、北朝鮮を執拗に擁護する理由として、吉林省の延辺朝鮮自治区を中心とした朝鮮人居住区における独立運動への警戒が指摘されています。

 中国が警戒するシナリオとは、第二次朝鮮戦争が勃発し、北朝鮮が体制崩壊した場合、大量の難民が中国の朝鮮自治区に押し寄せ、これを機に、”国連軍”の名の下で、米軍とともに韓国軍が朝鮮自治区に進駐し、自治独立を要求するようになるのではないか、というものです。この見解は、中国高官が、韓国のコントロール下における朝鮮半島の統一を容認していたとするウィキリークスの情報とは食い違っていますが、中国が最も怖れている事態とは、民族独立による”帝国分解”なのではないかと思うのです。チベット、ウイグル、女真、モンゴルなど、中国が支配下に置いている民族は、朝鮮族ばかりではありません。

 国際社会において、民族自決の原則が独立の根拠となるに至った今日にあって、中国が、20世紀のハプスブルク帝国の運命を辿ることは、充分にあり得ると思うのです。

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”尖閣事件検証”の第三者機関こそ必要では

2010年12月03日 11時28分44秒 | 日本政治
イラク戦争検証の議連発足=第三者機関設置を提言へ(時事通信) - goo ニュース
 イギリスは、アメリカと共に自国の軍隊を派遣し、イラク戦争を戦いましたので、第三者機関を設置して、事後的な政策評価を行うことは、理解に難くはありません。しかしながら、日本国の国会議員が、第三者機関を設置してまでイラク戦争を検証するとなりますと、これは筋違いなように思うのです。

 もし、政策評価をしたいならば、まずは、尖閣諸島で起きた一連の事件こそ、国会サイドで検証すべきです。この事件は、中国の圧力と脅迫、那覇地検による中国漁船船長の釈放、密使の派遣と中国側との密約、フジタの日本人社員の解放・・・など、不可解な出来事が続きました。菅内閣は、後世において評価されるとうそぶいていますが、尖閣事件をめぐる不透明で秘密主義的な自国政府の動きこそ、検証すべきです。未だに、尖閣ビデオも国民に公開されていないのですから。

 国民の多くは、尖閣諸島をめぐる政府の判断は不適切であると見なしています。自国のことは棚に上げて、他国の政策を、政治裁判よろしく検証しようとする態度に、国民は、呆れ果てるのではないでしょうか。

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中国の北朝鮮非難決議反対―国連機能の停止か

2010年12月02日 15時35分42秒 | 国際政治
中国反対、北朝鮮への声明見送り ウラン濃縮めぐり国連(朝日新聞) - goo ニュース
 国連の安全保障理事会とは、国際の平和と安全の維持のために設置された機関です。いわば、国際秩序の守護者の役割を果たすのですから、拒否権を持つ常任理事国の責任は、非常任理事国とは比較にならないほど重いはずです。

 にもかかわらず、中国は、安全保障理事会の常任理事国の地位は、平和のためではなく、自己の利益のために利用すべき特権と考えているようです。あるいは、安保理の拒否権とは、中国にとっては、自国が侵略行為を行っても、安保理に侵略と認定させないための、免罪符なのかもしれません。一方的な砲撃により民間人に死傷者を出したのみならず、密かにウラン濃縮を進めている北朝鮮に対して、非難の決議一つできないならば、もはや、国連の機能は停止したに等しくなります。

 現在、国際社会が直面している危機とは、秩序の守護者のテーブルに、破壊者が座っていることです。警察のトップに、犯罪者が紛れているようなものなのです。国連には期待できない以上、国連決議なき北朝鮮リスクの除去を、真剣に検討すべき段階に入っていると思うのです。

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