万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

民主党は共産党の選挙協力提案に応じるのか?-中国の影

2015年09月20日 14時50分45秒 | アジア
共産、他党と選挙協力=安保法成立で方針転換
 安保関連法案の成立阻止に失敗した共産党は、次なる闘争の場を来夏に予定されている参議院議員選挙に定めたようです。国政選挙での勝利による安保関連法の”白紙化”は、昨日、民主党もアピールしていましたが、この民主党の方針を意識してか、共産党は、野党間の選挙協力を提案していると報じられています。

 他党に対する選挙協力の提案は、各選挙区に独自候補を擁立してきた従来の共産党の選挙方針の転換をも意味します。この方針転換の背景には、一体、何があるのでしょうか。共産党は、”国民連合政府の樹立”まで言い出しており、万年野党の地位に甘んじてきたこれまでの姿勢とは打って変わり、政権担当まで視野に入れています。たとえ来夏の参議院議員選挙で野党側が過半数を超える議席を獲得したとしても、参議院は半数改選ですし、衆議院の議席数には変わりはありませんので、政権交代はあり得ないはずです。にも拘らず、”国民連合政府構想”を打ち上げるのですから、相当の自信が伺われるのです。民主党を軸とした野党との共闘への期待の表れかもしれませんが、左派政党間の協力として思い起こされるのが、中東欧諸国においてソ連邦が用いた政党再編の手法です。ソ連邦は、衛星国には共産党一党独裁体制を導入せず、左派政党を纏めて統一政党を結成し、この左派統一政党に指導的地位を与えるケースが少なくなかったのです。この手法からしますと、日本共産党に代表される左派政党の背後に、中国、あるいは、国際共産主義勢力が潜んでいるとしますと、日本国においても、”国民連合政府(左派統一政権)”の樹立を目指した、同様の政党再編の手法が採られる可能性がないわけではありません。

 このシナリオは現時点では憶測に過ぎませんが、共産党の提案に民主党が応じるか、否かが、その存在を推定する一つの判断材料とはなりそうです。両者が共に既に中国共産党の手の内にあるとしますと、両党の選挙協力はすんなりと成立することでしょう。民主党が共産党の選挙協力に応じる時、それは、日本国に共産化の危機が迫る時でもあると思うのです。

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コメント (8)
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