万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国際社会にもある加害者の被害者偽装心理

2015年09月27日 15時05分47秒 | その他
 昨日、NHKのBSプレミアムで、アガサ・クリスティー原作のドラマを放映しておりました。老婦人が冴えた頭脳で謎に満ちた事件を見事に解決してゆく”ミス・マープル・シリーズ”の一話ですが、推理小説から犯罪者心理の一面を学ぶことも少なくありません。

 推理小説ですので、先に犯人を明かしてしまいますと視聴者や読者の楽しみを奪ってしまいますので、ここでは題名を伏せて抽象的な表現に留めますが、この作品も推理小説の常道から逸れず犯人は、”意外な人物”となります。”意外な人物”、それは、”被害者”こそ”加害者”であったとする顛末です。ドラマの中で、作者は、登場人物に”加害者には、自らの罪を逃れるには、被害者を装うしか道がなかった…”とする趣旨の言葉を語らせています。そして、この結末に多くの人々が納得するのも、加害者が被害者を装う心理を理解するからです。被害者の立場に自らを置くことができれば、同情されこそすれ、疑いをかけられることも、罪を問われることもないからです。この心理、推理小説に描かれた架空の世界に限らず、実社会、そして、国際社会においても様々な場面で観察されます。昨日も、米中首脳会談では、サイバー攻撃問題も議題となりましたが、中国は、自らも被害者とする立場を崩さなかったそうです。”歴史認識問題”にあって、中国や韓国などが捏造までして被害性を殊更に強調するのも、その裏には、’自らの加害行為の責任から逃れたい’とする心理が働いているのではないか、と疑ってしまいます。

 犯罪者の心理を理解しますと、不自然さが漂う被害の主張に対しては、それを鵜呑みにせず、慎重に事実関係を調査する必要がありそうです。事実は小説よりも奇なり、というこもあるのですから。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村

 
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする