松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

国語科~追求形態の授業~

2012-07-31 16:51:05 | Weblog

 
 国語科(物語文)の追求形態の授業を今一度振り返り、基本を学び直そう。



               追求形態の授業

手    順 
問題つくりのポイント
[追求形態の授業]到達点と課題             

1.「何のために」追求形態の授業に取り組むのか
◎自主性のある子をめざす・・・・自分から進んで、物事に集中して取り組む
◎主体性のある子をめざす・・・・自分の考えをしっかり持ち、素直に表現する
◎探求心のある子をめざす・・・・分からないこと不明確なところを納得できるま
                で追求し、真理に素直になれる。
◎心のしなやかな子をめざす  ・友達の発言に耳をかたむけ、対応し、友達と
                交流できる。
 授業内容が発言によって深まり、すべての子どもに学習することの楽しさを味わわせたい。
 また、子どもたちの可能性が掘り起こされていくとともに、教師自身の力量も伸ばしていきたい。

2.「何を」取り組むのか(原則は同じ、どの教科にも応用していける)
 教科・・・国語
 領域・・・文学教材を中心に

3.「どう」取り組むのか
 原則・・・ありのままの子どもから出発する
☆ 自分の考えやイメージをことば、動作、表情で対応する。
☆ 対立点を明確にして話し合う。
☆ 自分勝手な思いをせず、ことばにこだわる。
  ●分かっているようでも辞書を引く
   ・教師(2~3種類)・・・・・・岩波書店「岩波国語辞典」
                  三省堂「新明解国語辞典」
                  角川書店「基礎日本語辞典」
                  角川書店「類語新辞典」など
   ・子ども(3年以上)・・・・・・・教育同人社「新版小学国語辞典」など

1. 手順 
(1).全文を読む 
   ●聞いている人に伝えたいものをもって読む
(2).初発の感想を書く
   ●一次解釈(・テーマに迫るもの/テーマに関係ないもの)
(3).初発の感想を発表する
   ●感じ方の違いを聞き分ける
(4).中心人物を決める
(5).個人学習をする
   ●分からない漢字の読み方を調べる(ふりがなをつけてもよい)
   ●意味の分からないことばを辞書で調べる(中高学年)
   ●大きな声でつかえずに正しく読めるように家庭学習をする
   ●「変だ、おかしい、つじつまがあわない」ところに書きこみをする
(6).あらすじをつかみ、場面わけをする。
   ●目を向けさせるところ(・場所  ・時間の流れ ・接続語)
(7).場面ごとに追求形態で進める
  ○ ある一場面を板書する(高学年は中心のところだけ)
  ○ 各自が音読する(みんなで声をそろえるのではなく、それぞれのペースで)
   ・しっかり息を吸って、ゆっくり読む
   ・自分のイメージで気持ちを込めて読む
  ○ 文に番号をつける
  ○ 主人公が変化したところを見つける(行動の変化 /心情の変化 /呼び方)
  ○ 変化の中で重大なものをさがし、大問題を作る。
   ●子どもたちから出させる
    ・低学年・・・・・・物語のはじめから順にすることが多い
    ・高学年・・・・・・テーマに迫るところから始めることが多い。これを解決するために小問題を話し合い、再び大問題に戻り解決する
   ●問題づくりのポイント(ひっかかり方を知る)
    ・時間・・・・・・ ・思いこんだのはいつ頃からか
    ・一瞬前は何を考えていたのか
    ・行動が完了した時何を思ったか
    ・前後の違い
    ・場所・・・・・・・どこから見ていたのか→本当に見えたのか →本当に見ていたか(それは想像か)→違うところで見るのと状況はどう違うか
    ・どこにできたか
    ・相手・・・・・・ ・誰が、誰に、視線はどこか
    ・相手か、自分か、両方か
    ・誰に言わせたか
    ・誰に言ったのか
    ・顔つきはどうか
    ・比較・・・・・・・大小 強弱 全体か一部か 長いか短いか早いか遅いか
    ・その中でどれが一番心を打つか
    ・表面のこと、内面のこと、 一体何を言いたいのか
    ・内面が行動に表れているか
    ・一口で言うとどんな感じか
    ・変化・・・・・・・ことばの変化。なぜ強くなったのか、あるいは同じか(くり返し)
    ・異常性はあるか
    ・大事件 大転換はあるか
    ・削除・・・・・・ ・抜かしたのと、抜かさないものの違い
    ・倒置・・・・・・ ・とばして読んだらどうか
    ・前後を変えたらどうか
    ・強調・・・・・・ ・反語、どのくらい深いか
    ・心情の比較
    ・わざわざか、思いつきか
   ●問題を整理統合する(仲間分け)
    ・初歩の段階は、疑問をたくさんださせる(低学年)・・・量
                 ↓

    ・より大切な(重要な)問題を見ぬく(4年生以上)・・・・・質
   ●問題を作ったら自分なりの予想(高学年では解釈)をさせる
    ・作った問題の吟味を行い、分類することで重要な問題の傾向を知って行く
  ○.わけ(根拠となることば)を考え、話し合い、結論を出す
   ●対立点を明確にし、限定して(1行1文)ことばの裏を探る
    ・明確な時・・・・・・・どちらが当てはまるか
    ・明確でない時・・・当てはまらないものから切っていく
   ●自分の立場を挙手ではっきりさせる(分からない時はあてずっぽでもいいから、立場を決める
   ●大問題にかみ合わない時
    ・問題をいいかえる。簡単な例を出させる。
    ・子どもがどこに疑問を持っているかをはっきりさせる
    ・初歩の疑問は「どうして~、なんで~したのか?」が多い。
     「どのように~、どのような~なのか?」というように具体的に言いかえさせる。
   ●収束
    ・全員の考えが一致する。
    ・Aの心が大きく、Bの心も、Cの心もある。
    ・一致はみないでも、そういう考え方もあるんだなあと人の考えも分かる。
    ・結論が出ないので、おいておいて、次のところを先にやる。
  ○テーマをつかむ
  ○感想を述べ合う。(感想文を書いてもよい)
   教材解釈の方法


                              授業研究の会資料より