司法試験予備試験憲法学の論述問題です。
皆さんは、法科大学院で是非勉強したいBを救いますか?
法律上の差別はないが、事実としての差別(法曹人口の明らかな男女差)があり、それを解消する方策として、積極的差別是正措置(女性優遇措置)をとったが、その積極的差別是正措置が、逆差別(男であることで差別を受けた。)を生んだ事案です。
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http://www.moj.go.jp/content/000077123.pdf
[憲法]
多くの法科大学院は2004年4月に創設されたが,A大学(国立大学法人)は,2005年4
月に法科大学院を創設することとした。A大学法科大学院の特色は,女性を優遇する入学者選抜制
度の採用であった。A大学法科大学院が女性を優遇する入学者選抜制度を採用する主たる理由は,
法科大学院・新司法試験という新しい法曹養成制度の目的として多様性が挙げられているが,法曹
人口における女性の占める比率が低い(参考資料参照)ことである。A大学法学部では,入学生に
おける女子学生の比率は年々増え続けており,2004年度には女子学生が約40パーセントを占
めていた。A大学法科大学院としては,法学部で学ぶ女子学生の増加という傾向を踏まえて,法科
大学院に進学する女性を多く受け入れることによって,結果として法曹における女性の増加へ結び
付けることができれば,法科大学院を創設する社会的意義もある,と考えた。
A大学法科大学院の入学者選抜制度によれば,入学定員200名のうち180名に関しては性別
にかかわらず成績順に合格者が決定されるが,残りの20名に関しては成績順位181位以下の女
性受験生のみを成績順に合格させることになっている(このことは,募集要項で公表している。)。
男性であるBは,2007年9月に実施されたA大学法科大学院2008年度入学試験を受験し
たが,成績順位181位で不合格となった。なお,A大学法科大学院の2008年度入学試験にお
ける受験生の男女比は,2対1であった。
〔設問1〕
あなたがA大学法科大学院で是非勉強したいというBの相談を受けた弁護士であった場合,ど
のような訴訟を提起し,どのような憲法上の主張をするか,述べなさい(なお,出訴期間につい
て論ずる必要はない。)。
〔設問2〕
原告側の憲法上の主張とA大学法科大学院側の憲法上の主張との対立点を明確にした上で,あ
なた自身の見解を述べなさい。
参考資料:
【参考資料】法曹人口に占める女性の比率(2004年までの過去20年のデータ)
女性割合女性割合女性割合
(裁判官) (検事) (弁護士)
(%) (%) (%)
昭和60年1985年3.3 2.1 4.7
昭和61年1986年3.5 2.0 4.8
昭和62年1987年3.9 2.1 5.0
昭和63年1988年4.1 2.5 5.2
平成元年1989年4.5 2.9 5.3
平成2年1990年5.0 3.5 5.6
平成3年1991年5.5 3.8 5.8
平成4年1992年6.0 4.1 6.1
平成5年1993年6.7 4.6 6.3
平成6年1994年7.2 5.0 6.5
平成7年1995年8.2 5.7 6.6
平成8年1996年8.9 6.4 7.3
平成9年1997年9.7 7.1 7.8
平成10年1998年10.2 8.0 8.3
平成11年1999年10.4 8.4 8.9
平成12年2000年10.9 9.2 8.9
平成13年2001年11.3 10.6 10.1
平成14年2002年12.2 11.6 10.9
平成15年2003年12.6 12.6 11.7
平成16年2004年13.2 12.8 12.1
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