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「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

健康になろうとする意思

2007-03-25 07:31:31 | 医療
昨日3/24 聖路加病院で同期に研修を行った
医師仲間と食事をした。
同期の医師仲間は、仲がよく、
たまにではあるが、 集まる。

今回のメンバーは、
一人は、大学医局に属し、医局人事で、
病院勤務の医師。
一人は、子育てを生活の中心におき、
週に数日働く医師。
そして、私の三人。


そこで出た話。
医師仲間の一人が、問題提起した。

健康診断、救急も含め小児医療、
高齢者医療の現場において、
本人に『健康になろうとする意思』を
もっていただくことが、難しい、と。

本人が、自分の体を
健康にするのだという、
主体的な意思のこと。

上で述べた医療が、
無料でなされたり、
無料化の傾向があるが、
アクセスをよくすることが、
逆にその主体的な意思をもつことを
阻んでいるのではないか。

健康診断でいえば、
無料で受けられることが、当たり前となり、
そのありがたさ、必要性を、意識されなく
なってはいないか。

小児医療でいえば、
救急受診もふくめ、すべて医療費が無料になっているが、
小児救急医療の現場では、医療のコンビニ化が進んでいる。
通常の時間の受診で、大丈夫な場合でも、
親御さんの都合で、救急受診するケースがある。
やむをえない救急受診は無料、コンビニ化の受診は有料など、
線を引くのは、難しいが、アクセスのよさが、
かえって安易な救急受診を増やし、
小児科救急の疲弊につながっているのではないか。
(小児科医の意見としては、コンビニ化で救急受診される親御さんに、
小児救急医療の現場で対応することは、それはそれで意義があること
と考えるのであるが、そのことは、ここでは、述べないでおく。)



“無料化”が当然という頭から入っていた、
私にとって、
医師仲間からの問題提起は、
新鮮な部分があった。


無料化の是非は、ともかく、
自分の体を健康にしようという
意思を患者さんがもつために、
医療者といしてどのようにして
関与していけるのだろうか。


勉強でもそうだが、
やらされている、テストがあるからやる。
という段階では、なかなか伸びない。
自らが、勉強する意思をもち、
どんどんその自らの意志で勉強していく時、
はじめて、伸び始める。


昨日の食事会では、
自分の体を健康にするという
意思をもつことへの回答は、
「教育」にあるのではないか、と
話が飛躍して、その話題は終わったが、
私自身、考えて行きたいところである。

文責:小坂和輝
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