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そのものの処分権限のない無権利者から取得したのに、その取得が許される制度(即時取得)

2013-02-04 23:00:00 | シチズンシップ教育
 法律の世界では、不思議なことを起こすことがあります。そのひとつ。

 “無”から“有”が生まれるのです。
 

 民法192条

(即時取得)
第百九十二条  取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。


 この条文は、例外であることがわかります。

 原則は、無権利者から、取引行為をしても、無効。


 例外として、即時取得という制度(民法192条)がある。
 所有権その他の処分の権限をもたない単なる動産の占有者を正当な権利者と誤信して取引した者が、その動産について完全な権利を取得すること

 所有権の無いところから、所有権が生まれています。
 
 例外を認める必要性。これを認めないと、商取引の安全性が守られないから。


 ならば、その要件は。

 1.不動産はだめで、動産に限る。
  不動産の所有者が害される。

 2.有効な取引であること。
  取引の安全を守るためなのだから、取引が有効は大前提。
  無権代理は、×。
  表見代理は、〇。

 3.平穏・公然・善意・無過失に占有

 4.取得者自ら占有。
  「占有改定」を判例は、否定。

 5.無権利者からの取得の場合。


 例外の例外として、

 1.盗品・遺失物については、即時取得の効果が制限。
   被害者又は遺失者は、盗難・遺失のときから、2年間、占有者に対し回復請求できる。

(盗品又は遺失物の回復)
第百九十三条  前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。


 2.1.の場合、代価を弁償しなければならない場合がある。

第百九十四条  占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

 
 3.家畜以外の動物の場合、飼い主からの回復請求ができるのは、1か月以内である。

(動物の占有による権利の取得)
第百九十五条  家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
 
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