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未決拘留者の新聞閲読の制限などの人権制限は、どのような場合・理由から是認されるのか?

2014-10-02 23:00:00 | 憲法学
 監獄内における在監者の新聞閲読の制限などの人権制限は、どのような場合にどのような理由から是認されるのだろうか。

 部分社会論に関連する問題です。

 よど号ハイジャック事件新聞記事抹消事件(最高裁昭和58年6月22日)の判例を参考にします。

 当時の「監獄法」は、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」に変わっています。
(平成十七年五月二十五日法律第五十号)



回答:

1、許される理由について

 ①逃亡及び罪証隠滅の防止という勾留の目的があるため

 ②監獄内の規律及び秩序の維持する目的があるため。

 それら二つの目的があることが許される理由である。

2、許される場合とは

 上記二つの目的達成のために真に必要と認められる場合に許される。

 すなわち、新聞閲読を許すことにより、監獄内の規律及び秩序が害される一般的・抽象的なおそれがあるというだけでは足りず、①被拘禁者の性向、行状、②監獄内の管理、保安の状況、③当該新聞紙、図書の内容その他の具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生じる相当程度の蓋然性があると認められる場合に許される。

 なお、相当程度の蓋然性の判断は、個々の具体的状況をもとにした監獄長の裁量による。




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<現行の法律の関連する部分>

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
(平成十七年五月二十五日法律第五十号)

 第八節 書籍等の閲覧



(自弁の書籍等の閲覧)

第六十九条  被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。



第七十条  刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。
一  刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

二  被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。

三  被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2  前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。



(新聞紙に関する制限)

第七十一条  刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。



(時事の報道に接する機会の付与等)

第七十二条  刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。

2  刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。

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