「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

2019年成人の日、成人を迎えられた皆様へ、二十歳おめでとうございます。小坂クリニックより応援メッセージ。

2019-01-14 22:41:20 | こども達へのメッセージ

 成人になられた皆様、おめでとうございます。

 この日を共に迎えられるに至った、ご両親、ご家族の皆様、おめでとうございます。

 2001年に開業し、もうすぐ20年が経とうとする当院に取りましても、赤ちゃんや小さなころから診させていただいてきた子ども達が、成人を迎えるに至っており、毎年、この日はうれしく思います。

 一つの通過点ではありますが、社会人への第一歩となる大事な通過点です。
 今日以降、自由を手にし、社会に出て行くこととなりますが、そこは、弱肉強食の社会であり、油断禁物です。

 成人を迎えられた皆様へのお祝いの気持ちを込めて、その倍以上を生きた者として、アドバイスを書かせていただきます。


 一、じっくりと、ゆっくりと、自分のやりたいことを探して下さい。

   35歳ぐらいまでにやりたいことを探し出して、やり始めればよいのではないでしょうか。
   15年ぐらい経って、失敗しても、まだまだ、50歳だから、やり直せますし、改良できます。
   深めたい部分が見えてきたら、それをまた、新たに始められます。


 一、やり直しは、何度でもできます。学び直しも、いつからでもできます。何かを始めるのに遅すぎることはございません。

   医学部時代では、社会人を経て再度、医師を目指す方が何人もおられました。法科大学院でも、そのような方がおられました。
   私自身、理学部を退学して、医学部に入学したクチです。
   いつからでも、学び直しができます。


 一、あきらめず、生きる。

   理不尽なことは、山ほど、起こります。
   でも、生きて下さい。
   生きているうちに、きっと、ひとや本やラッキーな出来事に出会います。
   ひとりで悩まず、だれか周りのひとに、ご相談下さい。当院(03-5547-1191、kosakakazuki@gmail.com)もその選択肢のひとつに入れておいてください。
   ひとは、ひとを助けるためにできています。
   万が一、友達がひとりもいなくとも、でも、法律や日本国憲法が守ってくれています。


 私が、二十歳となり社会人の仲間入りをさせていただいた時代からすると、不安定、不透明な時代に、皆様を社会人としてお迎えせざるをえなかったことは、社会を構成するひとりとして、たいへん申し訳なく感じるところです。
 大恐慌、大戦へと進んでいった時代に同期しているなどという論調さえ、少なからず、あります(例えば、日経新聞、下図)。

 誰も、ひとりでは、時代の流れは止めれません。できる範囲で、やるのみです。
 忖度?空気を読む?そんなこと気にしないで、自分の知識や経験を信じて言いたいことを言っていきましょう!
 皆様の新たな力で、新しい時代、切り開いていってください。

 私達、早くに成人に達した者も、一緒にがんばります。


******日経新聞 2019年1月*******


 
 以下は、各紙の成人の皆様へのメッセージです。
 ご参考までに。

******朝日新聞20190114*******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13848108.html 
(社説)成人の日に 思考の陰影感じる世界へ
2019年1月14日05時00分

The space for nuanced debate in an era of outrage (訳=怒りの時代に、ニュアンスある議論へ与えられた空間) By Cathy Wilcox

 新成人のみなさんに、見てもらいたい風刺画がある。

 黒と白の真ん中に引かれた、グレーの細い線。「怒りの時代に、ニュアンスある議論へ与えられた空間」だという。

 作者は、30年以上のキャリアを持つオーストラリアの人気風刺画家、キャシー・ウィルコックスさん。昨年9月にツイッターに載せると、すぐに1500回近く「いいね」された。

 「ニュアンスある議論」とは、何だろう。

 あなたの意見に共感はできないが、意図するところは理解する――。そんな結論に至ることができる意見交換だと、ウィルコックスさんは話す。

 LINEやツイッターなどのソーシャルメディアが社会のすみずみにまで広がり、前向きな対話が細ったのではないか。その思いを込めて描いたら、意外なコメントがたくさん届いた。

 いや、線の幅はまだ広すぎる。世の中はもっと不寛容だ。「昔はその中間部分に多くがいたものだった。今の政治家や左右両極の支持者たちは違うけれど」というのもあった。

 賛成と反対、好きと嫌い、敵と味方。社会には二択では決められない、微妙で複雑な感情があふれている。ツイートに積み上がる「●(●はハートマーク)(いいね)」の陰には、いろいろなサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)の思いがあることを想像してみてほしい。

 そう、世の中は、白黒だけで成り立っているわけではない。

 ■SNS時代の議論

 米大学の心理学者らが2年前、銃規制や同性婚など3テーマに絞って56万件以上のツイートを調べた研究がある。異なる考えの人たちは無視しあい、似たもの同士による意見交換に終始する傾向が強い。同じ価値観同士でも、特に「怒り」と「嫌悪」への共感で行動が活発化することもわかった。

 名古屋大学大学院の大平英樹教授(感情心理学)は「SNSでは、同じ意見をほめ、異論は遮断できる。これを続けていると、異質のものを想像したり、中長期的に感情を制御したりする機能が低下するという考え方がある」と話す。

 会って意思の疎通をするとき、相手の考え方は言葉だけでなく、口調や表情、しぐさなどからも判断できる。会ってみたら悪意はないとわかった、ただ自分とは違う価値観を持った人だった、というように。

 スマートフォンやパソコンの画面だけを通じたやりとりだけでは、十分にはわからない。時にはスマホから顔を上げて真っ正面から向かい合い、触れてみよう。怒りや嫌悪の裏にある、何十、何百もの陰影に。

 みなさんが成人の仲間入りをした世界に目を向けると、そこにも分断線が広がっている。

 グローバル主義を否定するトランプ大統領の米国で、ポピュリズム勢力が台頭する欧州で、相反する意見への拒絶反応が激しさを増している。

 ■違いを超えて対話を

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は1日、新年恒例の平和メッセージを出した。「閉鎖的なナショナリズムの姿勢が政治の中にも表れている」「真の政治活動は、人々の誠実な対話と法に基づいている」として、文化や宗教などの違いを超えた対話を呼びかけた。

 暴力や差別に対するように、みんなで怒りを共有し、告発する勇気が必要な時もある。同時に、異なる価値観に思いを巡らせ、対話し、理解しようとする寛容さも大切にしたい。

 ニュアンスある世界へ、ようこそ。

*******毎日新聞20190114*********
成人式 向けでなかったので略

*******東京新聞20190114*********
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019011402000155.html
成人の日に考える 「伝達人」になろう

2019年1月14日


 新成人、おめでとうございます。大人の境が曖昧(あいまい)になり、今さら何を祝うのかという声も。でも今日は本来、この国の持続を祈る日なのかもしれません。

 愛知県主催の「かがやけ☆あいちサスティナ研究所」は、その名の通り、ユニークな試みです。

 サスティナとはサステナビリティー=持続可能性。企業と現役大学生がお互い対等なパートナーとして、企業側が抱える持続可能性の課題に本気で取り組もうというのです。

 今回が四期生。今はやりのSDGs(国連持続可能な開発目標)のいわば先駆けです。

◆持続可能性が危うい
 温暖化の進行で、化石燃料の時代は終焉(しゅうえん)に向かい、経済の血脈といわれるエネルギーや投資の流れも大きく変わろうとしています。宇宙船地球号のエンジンが変わる時、新しい船を動かせるのは本当に古い水夫ではないのかもしれません。未来のことは未来を生きる人に聞けというのも、至極自然な筋道なのかもしれません。

 今回も、デンソーやトヨタ車体といった地元の看板企業のみならず、イケアのような外資系グローバル企業も名を連ね、県内の大学から応募した四十人の現役学生が、四人一チームで十社・団体に“配属”されました。

 六月に環境問題の基礎講座を受けたあと、八月、九月はパートナー企業・団体の現場を調査、十月は、各チームを担当する専門家のアドバイスを受けながら、プレゼンを練り上げる。そして十二月の成果発表会でプレゼンの審査を受けて、最優秀に選ばれたのは、チーム・スターバックス。ミッション(課題)は<私たちの社会貢献活動に共感し行動できる仲間を増やす企画を検討せよ>でした-。

 チーム・スタバは、愛知県内の別々の大学の二年生と三年生が二人ずつ。女子三人、男子が一人。抽象的なミッションに、当初はひどく戸惑いました。

◆拡散ではなく手渡しで
 プラスチックによる海洋汚染が国際問題になる中で、スタバはすでに、プラスチックストローの廃止を決めている。これをPRするという手もないではない。

 「でも今あるものを宣伝するだけなんて、つまんないよね」。この点で四人はぴったり一致した。

 「カフェって、みんなが集まる場所。双方向のコミュニケーション空間にできないか。PRには一方通行感がある-」

 そこで、唯一の男子が提案したのが「伝達人(でんたつびと)になろう!」というキーワード。ただ伝えるだけでなく、伝えることをその場で促す人になろうよ、と。

 方向性が決まったところで、そのあとは女子力の独壇場。「コミュニケーション カップス」なるものがひらめいて、試作品が出来上がる。

 カウンターで注文した客に、コーヒーカップの形のカードを二枚手渡す。そこには「地球温暖化が進行しています。あなたにできることはなんですか?」などと印刷されている。商品を受け取るまでに自分なりの答えを書いて、スタッフにじかに手渡してもらう。ネットで「拡散」するのではなく、その場で「じかに」が、みそだ。

 後日スタッフが感想や返事を手書きして店内に掲示する。もう一枚は「あなたも、どう」と友達へ。こうやって「伝達人」の仲間を増やす、ついでに客も-。

 スタバ側は「提案にあったカードを早期採用したい」と約束してくれました。

 実は、優勝チームの中の二人が新成人。名古屋市立大二年の清水夏波さんは「正直サスティナをやるまでは、働くことにあまりいいイメージを持っていなかった。夜遅くまで働いて、疲弊して帰宅してって。だけど、企業社会でがんばっていても、目をきらきらさせながら、私たち学生に夢を語ってくれる人がいる。私自身、大人になることに夢が持てるようになりました。こんな大人になりたいと-」。

◆大人の自覚伝えたい
 教えられるもの、与えられるもの、それらをただ受け止めよう、繰り返そうとするだけでなく、自ら、あるいは仲間と考え、見いだし、見つけたものを誰かに伝えてみたいと念じることができる人。いいね!の一言で片付けず、一緒にやろうと促すことができる人、恐らくそれが「伝達人」、伝達人こそ大人なのかもしれません。

 もう一人、名城大二年の仁瓶栞里さんは、地元の成人式で司会の大役を務めます。

 選挙も恐らく多くが経験済みの新成人仲間に、何を「伝達」したいですかと、聞いてみました。

 即座に「自覚」という答え。それも言葉ではなく雰囲気で、と。

 清水さんが働く大人の姿から多くを感じ取ったみたいに。


*******日経新聞20190114**********
成人式 向けでなかったので略

******読売新聞20190114*******
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190113-OYT1T50071.html 

成人の日 踏み出せば見える景色がある
2019年01月14日 06時00分
 一人の大人として、社会とどう関わり、責任を果たしていくか。この先の生き方を改めて考える日にしてほしい。

 成人の日のきょう、125万人が大人の仲間入りをした。新たな門出を祝いたい。

 新成人が生まれた1998年以降、日本は数々の自然災害に見舞われた。その都度、若者たちのひたむきな頑張りが、復旧・復興への大きな力となってきた。

 昨夏の西日本豪雨で特産のミカン畑が崩落するなど、甚大な被害を受けた愛媛県宇和島市では、2日に式典が開かれた。

 代表であいさつした二宮有里佳さんは、飲料水の運搬や土砂のかき出しといったボランティアを炎天下で体験した。「つらく苦しい時こそ笑顔で支え合う大切さを学んだ」と、壇上で語った。

 95年の阪神大震災を契機とする災害ボランティアは、社会貢献活動として定着している。

 被災した住民のために、一心に汗を流す。世代や立場の異なる人たちとの共同作業が、若者の新たな人生観を育み、自らの古里や地域を見つめ直す機会にもなる。

 宮城県気仙沼市の根岸えまさん(27)は、まちづくり団体で働く。東京の女子大生だった頃、2011年の東日本大震災の被災家屋で清掃作業などを経験し、地元の人たちとの交流を深めた。

 黙々と働く漁師や主婦の姿に「大人たちの使命感を感じ、震える思いだった」という。被災現場で直面した出来事は、成長の大きな糧になったに違いない。

 卒業後、迷わず気仙沼に移り住んだ。同じ20歳代の移住者仲間と一緒に、豊かな自然や暮らしぶりなど地域の魅力をインターネットで発信している。

 勇気を持って一歩、踏み出すことで、見える景色がある。

 岩手県陸前高田市の漁師の元でカキの養殖、販売に携わる三浦尚子さん(27)も、ボランティア経験をきっかけに地域に魅せられ、5年前、神奈川から移り住んだ。

 首都圏に住んでいては、疲弊する地方の実情は分かりにくい。三浦さんは「自分の知らない世界が開けた」と振り返る。

 今春からは様々な分野で外国人材の受け入れが拡大する。互いの価値観を理解し合うためにも、幅広い視野がより大切になる。

 3年後には、成人年齢を18歳に引き下げる改正民法が施行される。施行時には、18~20歳がそろって成人となる。現在、15歳の中学生にも、3年後には大人になる自覚が求められている。

**********産経新聞20190114*******
https://www.sankei.com/column/news/190114/clm1901140001-n1.html 
主張】成人の日 未来を創るのはあなただ
2019.1.14 05:00コラム主張

 成人の日を迎えた皆さんの門出を、心から祝福したい。

 成人としての自覚と責任感を持ち、よい人生、よい社会を築いていってほしい。皆さんの前途に幸多かれと願わずにいられない。

 必ずしも社会の明るい未来像が描けているわけではない。総務省の人口推計では、今年元日時点の新成人は125万人と2年ぶりに増加した。それでもピークだった昭和45年の半分程度でしかない。

 少子高齢化は今後も続くとみられている。勤労世代が減る一方で高齢者数は2040年代の初めまで増える。10月の消費増税だけでなく中長期的に税金や保険料の負担が増さないか、社会保障制度を維持できるか、など不安はつきまとおう。


 中国や北朝鮮がわが国にもたらす安全保障上の脅威も、簡単にはうせまい。地球温暖化もすでに深刻な不安要素となっている。

 しかし新成人の皆さんには、決して内向き、あるいは後ろ向きになってほしくない。むしろ日本と世界の未来を創るのは自分たちだという自負を持ってほしい。

 それぞれが得意とする分野で、よりよい社会を実現する知恵を出し合おう。職業や学業の場で将来をよくするすべを考えてみよう。少子高齢化や安全保障などの問題をめぐって、政治のあり方に積極的に声を上げるのもいい。

 3年後には成人の年齢が18歳に引き下げられる。今回の新成人に限らず、全ての若者に未来を考えてほしい。

 参考にできる事例がある。2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致には大学生らの団体「WAKAZO(ワカゾウ)」が一役買った。内外の若者から意見を募り、独自のパビリオンを考えるなど積極的だ。昨年6月のパリでのプレゼンテーションにも登壇した。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪万博に主体的に関わり、少子高齢化時代を考えようとしている。「若造」どころか実に頼もしい。

 高齢者も、若い世代の負担が増えるままの社会にするのは本意ではあるまい。企業の定年後の継続雇用などにより、年を取っても働ける環境が整ってきている。力を合わせ、若い世代が生きがいを持って働き暮らせる社会にしたい。安全保障環境の整備や地球温暖化の防止は、全員の課題だ。

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