「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

麻しんの流行に伴いMR予防接種、鋭意実施。GW中も診療9時-13時を行いますので、ご相談下さい。小坂クリニック(東京都中央区月島03-5547-1191)

2018-05-02 17:19:11 | 小児医療

 麻しん流行のニュースが引き続き報道されています。

 ただし、4/29までの情報で、東京での発生は、合計9名であり、中央区での発生はありません(正確には、中央区保健所への麻しん発生の届出はありません。)。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/measles/measles/ 





 とは言え、ゴールデンウイーク中に、人ごみに出かけ、感染することのリスクはあることから、ご注意願います。

 特にまずできることは、麻しんワクチンの予防接種ですので、

 1、現在、①MR定期予防接種の対象となっている1歳児、②小学校入学前の1年間にあるお子さんは早めにワクチン接種を受けるようにしましょう。

 2、感染すると重症化する可能性のある乳児への感染を防ぐため、生後6ヶ月から12ヶ月未満の乳児へのワクチン接種されることもおすすめします。

 3、10代から40代で、ワクチンを一度も接種していない、2回の接種や感染の履歴が確認できないかたは、接種をしてください。


 沖縄県がわかりやすく表にまとめられており、ご確認ください。

 ゴールデンウイーク中も、9時-13時で診療を行います。

 なお、万が一、麻疹の症状が疑わしい場合は、クリニック来院の前に、他の患者さんとうつしあわない配慮をさせていただきたくお電話をお願いいたします。
 
 よい連休を!

 
 


はしかとは?

 はしか、ウイルスによる空気感染も来す感染力の強い病気です。

 はじめの2-3日は、熱、咳、鼻水、目やになどで、かぜと同じ症状です(この時期に診断することは難しいです。)。

 いったん熱が下がり、再び高熱が出ると同時に、全身に発疹が現れます(ふたこぶラクダの発熱と言われます。)。

 発疹が現れてからも、さらに高熱が3-4日続きます(発疹は、融合し色素沈着をする特徴的な発疹です。)。

 肺炎や脳炎を合併し重症化することもあります。

 また、「修飾麻しん」と言って、ただの風邪の症状と変わらない発症の仕方もあります。一度予防接種をしているなどで弱い免疫があるかたが発症するパターンです。

 いずれにしろ、抗ウイルス薬はなく、治療は、水分補給と咳などに対する対症療法を行います。

さらにわかりやすい記事⇒ https://medley.life/news/5ae80edcc1e7156d55e15db4/

(ネット上の画像をお借りしました。)





********朝日新聞20180502*****************

https://digital.asahi.com/articles/ASL5234Z2L52OIPE005.html

新たに4人がはしか感染、初の3次感染確認も 名古屋市

2018年5月2日12時16分
 
 名古屋市は、はしか(麻疹)の感染を新たに4人で確認したと発表した。そのうち3人はすでに感染が判明している患者と接触があった。もう1人はタイ旅行から帰国して発症したという。愛知県内の感染者は計14人となった。

 感染が分かったのは、名古屋市守山区の20代女性2人と三重県桑名市の30代女性、名古屋市天白区の20代女性の4人。

 市によると、守山区の2人は4月19~23日、はしか感染がすでに確認されている親類の女性と自宅や医療機関へ付き添った際に接触した。この親類の女性は沖縄へ旅行した名古屋市の10代男性(4月11日に感染が判明)と名古屋第二赤十字病院で接触した可能性があり、3次感染の確認は初めて。

 桑名市の女性は同病院に勤務していて、4月9日と17日に感染患者と接触。23日にMRワクチンを接種していた。

 天白区の女性は4月14~16日の3日間、タイに滞在。帰国後、勤務先の名古屋市中区の飲食店に地下鉄を利用して出勤し、26日以降に発熱や発疹の症状が出て医療機関を受診した。

 市の担当者は、麻疹を疑う症状が現れた場合は、事前に医療機関に連絡し、指示に従って早急に受診してほしいと呼びかけている。

**********沖縄タイムズ20180502********
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/246223

はしか患者3人増え85人 名護・糸満市で


2018年5月2日 11:49

 沖縄県地域保健課は2日、県内で新たに麻疹(はしか)患者3人が確認されたと発表した。3月下旬に患者が確認されてから合計85人になる。

 新たな患者は名護市の1歳男児と同市の40代女性、糸満市の30代男性。1日にはしかの疑いのある22人を検査し、3人の感染を確認した。



**********神奈川NHK20180427*******************
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180427/1050002428.html 


はしかの患者数 100人超える

04月27日 16時18分

 沖縄県と愛知県ではしかが流行していますが、東京と埼玉県でもそれぞれ5人の患者が確認されるなど、ことしの全国のはしかの患者数は100人を超え、専門家は「2回の接種や感染の履歴が確認できない時はワクチンの接種を検討してほしい」と呼びかけています。

 ことしのはしかの患者は、26日までに流行が起きている沖縄県で73人が確認され、沖縄県から流行が拡大した愛知県でも11人が報告されています。

 全国ではこのほか4月18日までに東京と埼玉県でそれぞれ5人、茨城県で3人、神奈川県と山梨県、大阪府など6府県でそれぞれ1人の患者が報告され、ことしの全国のはしかの患者数は、26日までに少なくとも103人となりました。

 国立感染症研究所によりますと、患者は10代から30代を中心に、ワクチンを一度も接種していないか、したかどうかわからない人が多いということで、「2回の接種や感染の履歴が確認できない時は、ワクチンの接種を検討してほしい」と呼びかけています。
 国立感染症研究所の多屋磬子室長は「連休中に旅行を予定している人や医療関係者、それに教育や保育の関係者など子どもと接する人、さらに不特定多数の人と接触する職業の人たちは特にワクチンの履歴を確認してほしい」と話しています



*****************************
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/kikaku/kansenjouhou/documents/kinkyuapeal180411.pdf 

平成30年4月11日

沖縄在住の皆様へ



沖 縄 県 保 健 医 療 部
はしか”0”プロジェクト委員会

緊急アピール

「ワクチンを接種して、はしかの感受性者を減らそう!」

 沖縄県では1998年から2001年にかけて、麻しん(はしか)が流行し、多数の患者と9名の乳幼児死亡が報告されました。当時の県内の麻疹予防接種率は60~70%と低率であったため小児医療・保健関係者は危機意識と緊急性を痛感し、2001年に沖縄県はしか“0”プロジェクト委員会を発足し、予防接種の推進や全数把握体制の確立などの活動を行ってきました。現在、県内では3月下旬以降、麻しんが流行を続けており、4月10日現在で35例が報告されています。この事態を受けて、当委員会として、本日ここに緊急アピールを行います。

 麻しんは、ワクチンによって予防できる感染症です。現在の定期予防接種は1期が1歳児、2期が小学校入学前の1年間で、この2回接種によって麻しんをほぼ予防することができます。麻しんの予防接種を受けていない、あるいは1回だけの接種によって、感染を予防することができない状態の方を「感受性者」と呼びますが、今後、流行を早く終息させるためにも感受性者を減らしていくことが重要です。

 今回の流行は、一人の外国人観光客によって持ち込まれた麻しんをきっかけに、県内各地で感染が広がりました。多くの感染者が出ているのは、感染力の強い状態で県内を旅行したまたま居合わせた人に空気感染させたと考えられます。また、感染した人の多くは20~40歳代の成人の感受性者でしたが、幸いこれまでのところ、重症者の報告はありません。今後は、初発例から感染した方(二次感染例)との接触により感染した患者(三次感染例)が発生すると考えられます。すでに家族内で幼児が感染する例も出ており、引き続き注意が必要な状況です。

 麻しんの感染を防ぐため、現在、定期予防接種の対象となっている1歳児、小学校入学前の1年間にあるお子さんは早めにワクチン接種を受けるようにしましょう。また、感染すると重症化する可能性のある乳児への感染を防ぐため、県は市町村が行う生後6ヶ月から12ヶ月未満の乳児へのワクチン接種に対して補助を行う方針を決定しました。今後、多くの市町村が乳児への接種を勧奨する予定ですので、保護者の方はかかりつけの医師と相談をして接種を受けるようにして下さい。

 成人でも今回の流行で見られるように、特に20~40代のワクチン未接種者が感染を受けると、発症する可能性があるため、予防のためにはワクチン接種をご検討下さい。特に、医療従事者や保育、学校関係者、乳児の保護者、そして不特定多数の方と接する観光関連の仕事に就いている方には、ワクチン接種を強くお勧めします

 また、この時期は特に急用でなければ、人混みの多い場所や病院へのお見舞いなどは控えることも検討して下さい。麻しんは空気感染の他、飛沫および接触でも感染します。インフルエンザ対策同様、手洗いやアルコールによる手指消毒を行いましょう。咳をしている人はマスクの着用をお願いします。しかし、「感受性者」は、ワクチンを受けることが最も確実な予防手段です。

 感染をひろげないため、麻しんに感染している可能性がある方は、発熱等の症状がある場合、直接、受診するのではなく、事前に電話等で医療機関に「麻しんかもしれない」ことを伝えてから、指示に従って受診するようお願いします。受診の際はマスクを着用しましょう。もし、麻しんに罹患して学校や職場をお休みする際には「熱が下がって3日間」を経過するまでは自宅で療養して下さい。また、体調が完全に回復してから職場復帰や学校への登校してください。

 この流行を早く終息させ、麻疹から乳幼児を含めた県民の命を守るためにも、県民ひとりひとりが予防や感染拡大防止を理解し、県民一丸となって麻疹対策に取り組んで頂くようお願いします。

 平成30年4月11日

沖 縄 県 保 健 医 療 部
はしか”0”プロジェクト委員会

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