終戦の日と名付けられている敗戦の日。
http://www.theguardian.com/world/2015/aug/15/japans-emperor-strikes-more-apologetic-tone-than-abe-over-second-world-war
第二次世界大戦により、日本だけでもの軍人と民間人あわせて約300万人が死者・行方不明者となり、被災者は合計約875万人と推計されています。
ソ連シベリアに約60万人が強制連行され、約6万人が死亡とのことです。
戦争で亡くなられた皆様、被災された皆様に、深く哀悼の意を表します。
二度と、戦争の惨禍が、ここ日本で繰り返されないように努力行動することを誓います。
また、日本国が、戦争を放棄した国として、積極的平和主義のもと、世界平和に貢献していくことを、一国民として強く強く願っています。
そのために一国民としてできること、「おかしいことにはおかしいと表現をする」、「真理を追究するために学問は常に怠らない」ことだと考えています。
ここに、井上ひさし氏の『子どもにつたえる日本国憲法』(講談社、2006年7月20日第1刷)を紐解きます。
***************************
もう二度と戦(いくさ)はしない
私たちは、人間らしい生き方を尊ぶという
まことの世界をまごころから願っている
人間らしく生きるための決まりを大切にする
おだやかな世界を
まっすぐに願っている
だから私たちは
どんなもめごとが起こっても
これまでのように、軍隊や武器の力で
かたづけてしまうやり方は選ばない
殺したり殺されたりするのは
人間らしい生き方だとは考えられないからだ
どんな国も自分を守るために
軍隊を持つことができる
けれども私たちは
人間としての勇気をふるいおこして
この国がつづくかぎり
その立場を捨てることにした
どんなもめごとも
筋道をたどってよく考えて
ことばの力をつくせば
かならずしずまると信じるからである
よく考えぬかれたことばこそ
私たちのほんとうの力なのだ
そのために、私たちは戦をする力を
持たないことにする
また、国は闘うことができるという立場も
みとめないことにした
*****************************
井上氏は、この詩のあとに、日本国憲法第9条を以下のように解説しています。
*****************************
もう二度と戦争はしない、という第9条ができてから、
日本国家が国としてよその国の人を殺したり、
武器をつくってよその国に売ったりはしていません。
世界でもこんな国は、まれです。胸を張っていい。
戦争や、病気で苦しんでいる世界の人々を助けるために、
日本ができることは、武器や兵士を外国に送ることではないはず。
日本は力がある国ですから、その力を
世界の人たちの役に立つ方向に使えば、りっぱに生きていけます。
たとえば、防衛に使うお金を医学の研究に使って
がんに効く薬を発明するというように、
世界の苦しみや悩みを解決するためにお金を使う。
もっている力をそういう方面に向ければ、
「あの国は世界にとって大切な国だから、
あの国を絶対にこわしてはいけない」
と世界から思われるようになるでしょう。
それをするだけの力と良識が、
日本にある、ということを私は信じています。
人間には残虐な面があることはたしかですが、
言葉をもち、その言葉で気持ちや考え方を交換し合う能力があります。
むだな争いはやめて、なかよく生きることもできるはず。
ちかごろ、この第九条の中身が古いという人たちがいます。
「平和主義」という考え方が古いでしょうか。
問題が起こっても、戦争をせず、
話し合いを重ねて解決していく。
その考え方が古くなったとは、
私にはけっして思えません。
むしろ、このやり方はこれからの人類にとっての課題ですから、
第九条は、新しいものだといっていい。
日本は正しいことを、ほかの国より先に行っているのです。
「平和主義」という考え方は、
人類にとっての理想的な未来を先取りしたものだといえます。
その考え方が戦争をふせぐ最良の方法だと
注目している人は、外国にもたくさんいます。
第九条は、世界の人々のあこがれでもあるわけですから、
なんとしても、その精神を
つらぬいていきたいものです。
******************************
あわせて、日本国憲法 前文を見てみます。
****日本国憲法前文*****************
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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http://www.theguardian.com/world/2015/aug/15/japans-emperor-strikes-more-apologetic-tone-than-abe-over-second-world-war
第二次世界大戦により、日本だけでもの軍人と民間人あわせて約300万人が死者・行方不明者となり、被災者は合計約875万人と推計されています。
ソ連シベリアに約60万人が強制連行され、約6万人が死亡とのことです。
戦争で亡くなられた皆様、被災された皆様に、深く哀悼の意を表します。
二度と、戦争の惨禍が、ここ日本で繰り返されないように努力行動することを誓います。
また、日本国が、戦争を放棄した国として、積極的平和主義のもと、世界平和に貢献していくことを、一国民として強く強く願っています。
そのために一国民としてできること、「おかしいことにはおかしいと表現をする」、「真理を追究するために学問は常に怠らない」ことだと考えています。
ここに、井上ひさし氏の『子どもにつたえる日本国憲法』(講談社、2006年7月20日第1刷)を紐解きます。
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もう二度と戦(いくさ)はしない
私たちは、人間らしい生き方を尊ぶという
まことの世界をまごころから願っている
人間らしく生きるための決まりを大切にする
おだやかな世界を
まっすぐに願っている
だから私たちは
どんなもめごとが起こっても
これまでのように、軍隊や武器の力で
かたづけてしまうやり方は選ばない
殺したり殺されたりするのは
人間らしい生き方だとは考えられないからだ
どんな国も自分を守るために
軍隊を持つことができる
けれども私たちは
人間としての勇気をふるいおこして
この国がつづくかぎり
その立場を捨てることにした
どんなもめごとも
筋道をたどってよく考えて
ことばの力をつくせば
かならずしずまると信じるからである
よく考えぬかれたことばこそ
私たちのほんとうの力なのだ
そのために、私たちは戦をする力を
持たないことにする
また、国は闘うことができるという立場も
みとめないことにした
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井上氏は、この詩のあとに、日本国憲法第9条を以下のように解説しています。
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もう二度と戦争はしない、という第9条ができてから、
日本国家が国としてよその国の人を殺したり、
武器をつくってよその国に売ったりはしていません。
世界でもこんな国は、まれです。胸を張っていい。
戦争や、病気で苦しんでいる世界の人々を助けるために、
日本ができることは、武器や兵士を外国に送ることではないはず。
日本は力がある国ですから、その力を
世界の人たちの役に立つ方向に使えば、りっぱに生きていけます。
たとえば、防衛に使うお金を医学の研究に使って
がんに効く薬を発明するというように、
世界の苦しみや悩みを解決するためにお金を使う。
もっている力をそういう方面に向ければ、
「あの国は世界にとって大切な国だから、
あの国を絶対にこわしてはいけない」
と世界から思われるようになるでしょう。
それをするだけの力と良識が、
日本にある、ということを私は信じています。
人間には残虐な面があることはたしかですが、
言葉をもち、その言葉で気持ちや考え方を交換し合う能力があります。
むだな争いはやめて、なかよく生きることもできるはず。
ちかごろ、この第九条の中身が古いという人たちがいます。
「平和主義」という考え方が古いでしょうか。
問題が起こっても、戦争をせず、
話し合いを重ねて解決していく。
その考え方が古くなったとは、
私にはけっして思えません。
むしろ、このやり方はこれからの人類にとっての課題ですから、
第九条は、新しいものだといっていい。
日本は正しいことを、ほかの国より先に行っているのです。
「平和主義」という考え方は、
人類にとっての理想的な未来を先取りしたものだといえます。
その考え方が戦争をふせぐ最良の方法だと
注目している人は、外国にもたくさんいます。
第九条は、世界の人々のあこがれでもあるわけですから、
なんとしても、その精神を
つらぬいていきたいものです。
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あわせて、日本国憲法 前文を見てみます。
****日本国憲法前文*****************
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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