「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

札幌のDNA

2008-09-28 23:00:00 | NPO・地域力
この週末、札幌へ、研修会と視察に行って参りました。
目的は、いくつかありました。

一、思春期医療に関する研修会

一、生活支援型文化施設『札幌のみんなの劇場 コンカリーニョ』視察

一、「2,000円札でお特区」企画の南郷商店街 仕掛け人に会うこと

などなど。

 札幌の夜は、すでに寒かったです。もう、マフラーは、道行く人の普通のファッションになっていました。
 雪まつりや、YOSAKOIソーランのメイン会場になる大通公園では、ちょうど「さっぽろオータムフェスト2008」という札幌や北海道の食が楽しめるイベントが開催されていました。
 さっぽろオータムフェスト実行委員会運営事務局(札幌市観光文化局観光部観光企画課内)企画で、今年が第一回目ということでした。夜は、8時過ぎと少し早めで終ります。10時ごろまでやらないのは、訪れた観光客に、すすきのなど周囲の街へ次の流れを生み出すためとのことでした。

 思春期医療の研修会は、日本小児科学会主催「第3回 思春期医学臨床講習会」
 思春期は、小児科と内科の狭間の期間で、十分な連携が必要になります。薬の管理が、本人任せになり、内服をきちんとされないという問題があったり、第二次性徴とともに心と体が急激に変化を来たす時期で、それに派生した心の病気も増えてきます。
 具体的には、思春期の発達障害、思秋期喘息、思春期のうつ病、思春期の腎疾患、思春期の内分泌異常、思春期の虐待と性被害、思春期の摂食障害、思春期の不定愁訴などなど。どれも難しい課題です。
 第一人者の講演を聴き、診療でのあり方及び行政の支援のあり方を考える上で非常に参考になりました。

 
 『札幌のみんなの劇場 コンカリーニョ』では、行政からの助成をもらうことなく、NPOが自主的に演劇場を運営していました。
 できるところは、なにもかも手作りでありながら、しかし、200名以上は収容できる立派な観客席と舞台。それを支える市民ボランティアを含めた有志の協力と、行政の協働がなされていました。協力していただいた善意にお返しする仕掛けにも工夫がなされていました。
 昨日9/27は、スベエング ジャパンツアー2008(平成20年度文化庁芸術拠点形成事業)といって、フィンランドのハーモニカカルテットの日本公演がなされ、満席だったといいます。
 札幌には、自主運営の演劇場が、3-4あるといいます。演劇がさかんになるバックグランドは、なにかあるのかもしれません。
 コンカリーニョの設立趣旨には、「再開発をきっかけとして、今、ひとまわり大きなコミュニティ形成の拠点を目指して、NPO法人として再出発します。そしてまちがアートを育て、一方でアートがまちの力になるような仕掛けであると同時に、ライブ・アート分野の北海道のトップアンテナ基地ともなりうる創造現場をつくります。」とあります。これからも街への仕掛けに大いに期待したいと思っています。
 ここ中央区も、「まちがアートを育て、アートがまちの力になる」ことを目指したいと思います。まずは、11/2の「中央区まるごとミュージアム」がひとつのきっかけになればといいと思っています。


 「2,000円札でお特区」企画の南郷商店街は、昨年11月に視察させていただきました。その企画を仕掛けられた方、南郷商店街中村薬局の中村峰夫氏とお話して、「民から社会を変えていく」という思いがひしひしと伝わってきました。
 今の日本の画期的な制度の先駆けを実践されている感をうけました。例えば、商店街での職業体験、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)」で謳う公会計をオープンにする取組み、「なんのために学問するか」を子ども達につたえることなどなど。
 今後も新しい取組みをその方はなさっていくということで、私もお話をお聞きして、そのスケールの大きさにわくわくさせられました。


 もう一人、YOSAKOIソーラン祭りの長谷川岳氏とお会いしたかったのですが、ちょうどお忙しく今回は叶いませんでした。本当に長谷川氏にとってちょうど大きなイベントと重なっており、仕方なかったと思っています。
 なぜ、長谷川氏に面会を希望したかといいますと、月に一度ゼミを開催くださる坪井善明氏の書物を検索していたら、「YOSAKOIソーラン祭り 街づくりNPOの経営学」(岩波アクティブ新書2002年6月5日第1冊発行)にヒットしました。これは、坪井善明教授と長谷川岳氏が共著でかかれており、坪井教授と長谷川氏のつながりをしりました。
 私が今、区議会議員をしているその大きな引き金の一つは、坪井教授の助言がありました。先日のゼミ後の懇親会で、坪井教授から、長谷川氏のお話を聞き、お会いしたくなった次第です。
 「YOSAKOIソーラン祭り 街づくりNPOの経営学」は、今、読んでいますが、祭りを生み出し、作り上げていく苦労が実践者であるが故に、細かく書かれており、引き込まれるように読み進めているところです。街づくりNPOのあり方を学ぶ格好の本だと思います。


 タイトなスケジュールでしたが、多くの刺激を受けた札幌でした。
 「自分達の力で、なんとかしよう」そういう思いを持った人は、東京にもたくさんいらっしゃるのを知っていますが、北海道、札幌の人のDNAには、その思いが組み込まれているのだろうか?
 そんなに多くの知り合いはいないのだけど、そんな仮説を抱いています。
 私も、ここ中央区の場で、「自分達の力で、なんとかしよう」という思いをもった人たちの思いの実現を、一緒に考えて行きたいと思います。


 小児科学会の関係者の皆様、講師の皆様、コンカリーニョ 小室様・斎藤様、長谷川岳事務所 牛間様、南郷商店街中村薬局 中村様、本郷商店街酒菜九谷 九谷様、視察・研修にあたり、お世話になりました皆様に、感謝申し上げます。
コメント (1)
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