ザ・コミュニスト

連載論文&時評ブログ 

共通世界語エスペランテート(連載第18回)

2019-07-25 | 〆共通世界語エスペランテート

(3)基本品詞②

Ⅳ 人称代名詞

 人称代名詞の一人称はmo(単数)/moy(複数)、二人称はbo(単数)/boy(複数)、三人称はjo(単数)/joy(複数)である。

 最大の特徴として、エスペランテートでは三人称単数がジェンダー中立的にjo一語に包括されることがある。つまり、英語やエスペラント語にもみられるという男性・女性・中性のジェンダー分岐が存在しない。したがって、人称代名詞のみでは、主語の性別は判明しない。
 たとえば、Jo barori ESPERANTETO.(joは、エスぺランテートをはなす。)では、主語joが男性か女性か、あるいは性別をもたないロボットなのか、これだけでは不明であるが、たいていは前後の文脈上判別できるだろう。
 しかし、当該の文脈上性別の明示が必要なばあいは、それとわかるよう実質的に表現する。たとえば、Jo esti matro.(彼女は、ははおやである。)のようにである。このばあい、述語の「ははおや」は女性にきまっているから、主語joも女性と判別されるのである。

 人称代名詞の複数形は、単数形に複数形語尾‐yを付加してえられる。

 エスペラント語の二人称は英語と同様、単複同形であるが、二人称においても「あなた」と「あなたたち」の区別は語彙上明瞭であるほうがわかりやすいので、エスペランテートでは語彙上区別されるのである。

 人称代名詞の所有格は、上記人称代名詞の末尾に品詞語尾‐aを付加するが、人称代名詞を後置する用法もみとめられる。

 所有性を強調したいときは前置することがのぞましいだろう。たとえば「わたしのいえ」というとき、「わたしの」という所有を明示したければmoa domoと前置するが、とくに強調しないならばdomo moaと後置してもよい。

 所有代名詞は人称代名詞の末尾に名詞語尾-oを付加してえられる。なお、発音は「モー」と長音化せず、「モ・オ」のように、明瞭にくぎって発音する。

 例;Boa domo esti simira arn moo.(あなたのいえは、わたしのものとにている。)

コメント

共通世界語エスペランテート(連載第17回)

2019-07-25 | 〆共通世界語エスペランテート

第2部 エスペランテート各論

(3)基本品詞①

Ⅰ 普通名詞

 エスペランテートでは、名詞・動詞・形容詞・副詞という基本品詞にごとに統一された語尾(品詞語尾)がわりふられる。このような品詞語尾というしくみは、祖語であるエスペラント語からの継承である。

 名詞は語幹に品詞語尾‐oを付加してえられる。名詞の複数形はoのあとに複数形語尾-yを追加してえられる。

 例;orano(人)/oranoy(人々) mono(金銭)/monoy(資金)

 なお、エスペラント語の名詞は唯一の格変化として目的格をもち、名詞語尾のあとに‐nを付加するが、エスペランテートの名詞は格変化しない

 例;Mo habi espero.(わたしは希望もっている。)⇔ エスペラント語の場合:Mi habas esperon.

Ⅱ 固有名詞

 固有名詞に関しては、つぎの法則にしたがう。

○固有名詞は、すべて大文字で表記する。

○固有名詞は、名詞語尾-oをともなわない。

○外来の固有名詞は、それが属する民族言語の発音に可能なかぎりちかい表記をする。ただし、ラテン文字での正式表記法があるばあいは、それにしたがう。

 たとえば、日本は英語でJapan、エスペラント語でもJapanio(名詞語尾つき)と表記されるが、エスペランテートでは、NIHONまたはNIPPONと表記される。一方、ニューヨークのような固有名詞は英語の正式表記にしたがい、NEW YORKと表記される。

Ⅲ 冠詞

 エスペランテートには冠詞は存在しない。ただし、普通名詞の頭文字を大文字で表記することによって定冠詞と同等の機能をはたさせることはできる。

 たとえば、Jo esti Baramenteyo.(あれが、かの議事堂だ。)のようにである。しかし、おおくのばあい、tiu(その)/diu(あの)といった相関詞をつかうことでたりるだろう。

コメント

共産論[増訂版]・総目次

2019-07-25 | 〆共産論[増訂版]

English

本連載は終了致しました。下記目次各「ページ」(リンク)より全記事をご覧いただけます。


まえがき&序文
 ページ1

第1章 資本主義の限界

(1)資本主義は勝利していない
 ◇ソ連邦解体の意味 ページ2
 ◇ソ連型社会主義の実像 
 ◇ソ連型社会主義の失敗  ページ3
 ◇資本主義の「勝利」と「未勝利」

(2)資本主義は暴走していない
 ◇グローバル資本主義の実像 ページ4
 ◇「資本主義暴走論」の陥穽

(3)資本主義は崩壊しない
 ◇ケインズの箴言 ページ5
 ◇打たれ強い資本主義

(4)資本主義は限界に達している
 ◇四つの限界 ページ6

(5)共産主義は怖くない 
 ◇二方向の限界克服法 ページ7
 ◇共産主義のイメージ 

第2章 共産主義社会の実際(一):生産

(1)商品生産はなされない 
 ◇利潤追求より社会的協力 ページ8
 ◇無償供給の社会
 ◇文明史的問い 

(2)貨幣支配から解放される 
 ◇交換価値からの解放 ページ9
 ◇金融支配からの解放
 ◇共産主義と社会主義の違い

(3)計画経済に再挑戦する 
 ◇古い経済計画モデル ページ10
 ◇持続可能的計画経済モデル
 ◇計画の実際
 ◇非官僚制的計画

(4)新たな生産組織が生まれる  
 ◇社会的所有企業と自主管理企業 ページ11 
 ◇生産事業機構と生産協同組合 
 ◇諸企業と内部構造
 ◇農業生産機構 ページ12
 ◇消費事業組合

(5)土地は誰のものでもなくなる
 ◇共産主義と所有権 ページ13
 ◇土地所有制度の弊害
 ◇共産主義的土地管理制度
 ◇天然資源の管理

(6)エネルギー大革命が実現する
 ◇新エネルギー体系 ページ14
 ◇「原発ルネサンス」批判
 ◇「廃原発」への道  

第3章 共産主義社会の実際(二):労働

(1)賃労働から解放される
 ◇賃労働の廃止 ページ15 
 ◇資本主義的搾取の構造
 ◇「賃奴解放」宣言 ページ16
 ◇労働と消費の分離

(2)労働は全員の義務となるか
 ◇労働の義務と倫理 ページ17
 ◇職業配分のシステム
 ◇労働時間の短縮 

(3)純粋自発労働制は可能か
 ◇人類学的問い ページ18
 ◇3K労働の義務?
 ◇職業創造の自由
 超ロボット化社会

(4)婚姻はパートナーシップに道を譲る
 ◇婚姻家族モデルの揺らぎ ページ19
 ◇公証パートナーシップ制度
 ◇人口問題の解

(5)「男女平等」は過去のスローガンとなる
 ◇男女格差の要因 ページ20
 ◇共産主義とジェンダー

第4章 共産主義社会の実際(三):施政

(1)国家の廃止は可能だ
 ◇エンゲルスの嘆き ページ21
 ◇「税奴」としての国民
 ◇「兵奴」としての国民
 ◇民衆会議体制 ページ22
 ◇主権国家の揚棄 

(2)地方自治が深化する  
 ◇基軸としてのコミューン自治 ページ23 
 ◇三ないし四層の地方自治  
 ◇枠組み法と共通法

(3)「真の民主主義」が実現する 
 ◇「選挙信仰」からの覚醒 ページ24 
 ◇代議員抽選制
 ◇非職業としての政治
 ◇「ボス政治」からの脱却 ページ24a
 多数決‐少数決制
 大衆迎合の禁止

(4)官僚制が真に打破される 
 ◇立法・行政機能の統合 ページ25
 ◇法律と政策ガイドライン
 ◇一般市民提案
 ◇官僚制の解体・転換

(5)警察制度は必要なくなる
 ◇犯罪の激減 ページ26
 ◇警防団と捜査委員会
 ◇交通安全本部と海上保安本部
 ◇特殊捜査機関

(6)裁判所制度は必要なくなる
 ◇共産主義的司法制度 ページ27
 ◇衡平委員と真実委員会
 ◇矯正保護委員会
 ◇護民監
 ◇法理委員会
 ◇弾劾法廷

第5章 共産主義社会の実際(四):厚生

(1)財源なき福祉は絵空事ではない
 ◇福祉国家の矛盾 ページ28
 ◇二つの「福祉社会」
 ◇無償の福祉

(2)年金も生活保護も必要なくなる
 ◇年金制度の不合理性 ページ29
 ◇共産主義的老後生活
 ◇社会事業評議会

(3)充足的な介護システムが完備する 
 ◇介護の公共化 ページ30
 ◇介護と医療の融合
 ◇「おふたりさま」老後モデル

(4)名実ともにユニバーサルデザインが進む 
 ◇脱施設化 ページ31
 ◇障碍者主体の生産事業体
 ◇「反差別」と心のバリアフリー

(5)環境‐福祉住宅が実現する
 ◇賃貸/ローンからの解放 ページ32
 ◇公営住宅供給の充実
 ◇環境と福祉の交差

(6)効率的かつ公平な医療が提供される  
 ◇地域圏中心の医療制度 ページ33 
 ◇医師の計画配置  
 ◇保健所の役割  
 ◇科学的かつ公正な製薬

第6章 共産主義社会の実際(五):教育

(1)子どもたちは社会が育てる
 ◇親中心主義からの脱却 ページ34
 ◇義務保育制
 ◇地域少年団活動

(2)構想力と独創性が重視される
 ◇先入見的イメージの払拭 ページ35
 ◇資本主義的知識階級制
 ◇知識資本制から知識共産制へ

(3)大学は廃止・転換される
 ◇知識階級制の牙城・大学 ページ36
 ◇学術研究センター化

(4)遠隔通信教育が原則となる
 ◇学校という名の収容所 ページ37
 ◇脱学校化へ向けて

(5)一貫制義務教育が始まる 
 ◇ふるい落としからすくい取りへ ページ38
 ◇基本七科の概要
 ◇職業導入教育

(6)真の生涯教育が保障される
 ◇人生リセット教育 ページ39
 ◇多目的大学校と専門技能学校
 ◇高度専門職学院
 ◇ライフ・リセット社会へ

第7章 共産主義社会の実際(六):文化

(1)商品崇拝から解放される
 ◇「人間も商品なり」の資本主義 ページ40
 ◇本物・中身勝負の世界へ

(2)誰もが作家・芸術家
 ◇市場の検閲 ページ41
 ◇インターネット・コモンズの予示
 ◇開花する表現の自由

(3)マス・メディアの帝国は解体される
 ◇メディアの多様化 ページ42
 ◇誰もが記者 

(4)競争の文化は衰退する
 ◇資本主義的生存競争 ページ43
 ◇共存本能の可能性
 ◇共産主義的切磋琢磨
 ◇究極の自殺予防策

(5)シンプル・イズ・ザ・ベスト
 ◇シンプルな社会文化 ページ44
 ◇四つのシンプルさ
 ◇人間の顔をした近代

第8章 新しい革命運動 

(1)革命の主体は民衆だ
 ◇革命という政治事業 ページ45
 ◇マルクス主義的「模範」回答
 ◇困難な「プロレタリア革命」
 ◇「プロレタリア革命」の脱構築 ページ46
 ◇「搾取」という共通標識
 ◇「プレビアン革命」の可能性

(2)革命にはもう一つの方法がある  
 ◇革命の方法論 ページ47 
 ◇民衆蜂起  
 ◇集団的不投票

(3)共産党とは別様に 
 ◇革命運動体としての民衆会議 ページ48
 ◇革命前民衆会議の概要①―世界民衆会議
 ◇革命前民衆会議の概要②―各国民衆会議
 ◇しなやかな結集体 ページ49
 ◇赤と緑の融合
 ◇集団的不投票運動 
 ◇対抗的立法活動
 ◇政党化の禁欲

(4)まずは意識革命から
 ◇「幸福感」の錯覚 ページ50
 ◇「老人革命」の可能性
 ◇文化変容戦略
 ◇有機的文化人

第9章 非武装革命のプロセス

(1)革命のタイミングを計る
 ◇社会的苦痛の持続 ページ51
 ◇晩期資本主義の時代
 ◇民衆会議の結成機運

(2)対抗権力状況を作り出す
 ◇未然革命 ページ52
 ◇集団的不投票の実行
 ◇政治的権利としての「棄権」
 ◇対抗権力状況の確定
 ◇共産党に対抗する共産主義革命 ページ53
 ◇共産党の自主的解散?
 ◇反共革命に非ず
 ◇民衆会議=真のソヴィエト

(3)革命体制を樹立する
 ◇対抗権力状況の解除 ページ54
 ◇移行期集中制
 ◇「プロレタリアート独裁」との違い

(4)移行期の工程を進める
 ◇移行期工程の準備 ページ55
 ◇初期憲章(憲法)の起草
 ◇共和制の樹立
 (◇経済移行計画)
 ◇革命防衛 
 ◇移行期行政
 ◇軍廃計画の推進
 ◇移行期司法
 ◇代議員免許試験の実施
 ◇制憲民衆会議の招集
 ◇初期憲章の施行

(5)経済移行計画を進める
 ◇経済移行計画 ページ56
 ◇基幹産業の統合
 ◇貨幣制度廃止準備
 ◇土地革命
 ◇農業の再編
 ◇告知と試行

(6)共産主義社会が始まる
 ◇最初期共産主義 ページ57
 ◇通貨制度の廃止
 ◇計画経済の始動
 ◇社会革命の進行
 ◇全土民衆会議の発足
 ◇政府機構の廃止
 ◇軍廃計画の実行
 ◇完成憲章の制定
 ◇成熟期共産主義から高度共産主義へ

第10章 世界共同体へ

(1)「ドミノ革命」を起こす
 ◇マルクスとエンゲルスの大言壮語 ページ58
 ◇革命の地政学

(2)地球を共産化する
 ◇世界共同体の創設 ページ59
 ◇世界共同体の基本構制
 ◇グローバル計画経済
 ◇共産主義の普遍性

(3)国際連合を脱構築する
 ◇国際連合という人類史的経験 ページ60
 ◇人類共同体化
 ◇五つの汎域圏
 ◇南半球重視の運営
 ◇世界公用語の論議
 ◇非官僚制的運営 ページ61
 ◇経済統合機能の促進
 ◇人権保障部門の強化
 ◇地球観測体制の整備
 ◇地球規模での戦争放棄

(4)恒久平和が確立される
 ◇軍備の廃止 ページ62
 ◇司法的解決と紛争調停/平和工作
 ◇平和維持巡視隊と航空宇宙警備隊
 ◇軍需経済からの決別

あとがき ページ63

コメント

共産論・部分改訂表

2019-07-25 | 〆共産論[増訂版]

当記事では、共産論・増訂版公開後の主要な部分的改訂箇所を随時お示しします。〇

 

第1章(2)

1.「資本自由主義」を「資本至上主義」に変更。
〈趣旨〉意味的にはほとんど変わらないが、資本の活動の自由を至上価値として最優先する思潮の特徴を強調するため。なお、通称では「新自由主義」と総称されてきた思潮に相当する。

第1章(4)

1.新興諸国や途上諸国からの近年の大量移民現象に関する言及を追加。
〈趣旨〉近年資本主義的成長を見せる新興/途上諸国からの大量移民という矛盾現象を資本主義の限界事象の一つとして把握するため。

第2章(1)

1.充足を追求する新たな物質文明のありように関する記述を追加。
〈趣旨〉原文では留保していた物質文明をめぐる問いへの回答を簡潔に示すため。

第2章(3)

1.「具体的環境規準を踏まえた厳正な需要設定」を「具体的環境規準を踏まえた厳正な供給設定」に訂正。
〈趣旨〉用語の誤記を訂正。

2.陸上輸送の計画策定に関して、「電気自動車または水素自動車によるトラック輸送と可能限り電化された鉄道輸送」を追加(下線部分)。
〈趣旨〉近年の電気自動車の普及や将来の水素自動車の普及を視野に入れ、記述を補足するため。

第4章(1)

1.「経済協力」を「経済協調」に変更。
〈趣旨〉意味的にはほとんど変わらないが、より緊密かつ対等な関係性を表現するため。

第4章(3)・続

1.「多数決‐少数決制」及び「大衆迎合政治の禁止」の節及びページを追加。
〈趣旨〉同章で提起した「真の民主主義」の具体像をより詳細に明らかにするため。

第4章(5)

1.「犯罪捜査庁」を「捜査委員会」に変更。
〈趣旨〉捜査機関をより公正な合議体をもって運営するため。

2.「交通安全庁」を「交通安全本部」へ、「海上保安庁」を「海上保安本部」に変更。
〈趣旨〉それぞれ交通警邏隊・沿岸警備隊という取締組織の統括責任機関としての性格を強化するため。

第4章(6)

1.小見出しを「裁かない司法制度が現れる」に変更したことに伴う若干の記述の補足。
〈趣旨〉権威主義的な裁判所制度によらない共産主義的紛争処理制度の特質を明瞭にするため。

2.「犯罪」の用語を一部削除(作業中)。

〈趣旨〉共産主義社会における刑罰制度の廃止の趣旨を徹底し、「犯罪」という刑罰的ニュアンスを包含する用語の使用をより限定するため。「犯罪」に代わる新たな用語としては、「犯則(行為)」を使用する。

3.「法令委員会」を「法理委員会」に変更。
〈趣旨〉法令の解釈という理論的な任務に専従する民衆会議常任委員会の役割をより鮮明にするため。

4.「護民官」を「護民監」に変更し、オンブズマンを削除。
〈趣旨〉「護民監」の監督司法としての性質を浮き彫りにするべく語変換するとともに、監察権力としての性質の強い北欧的な制度であるオンブズマンの語を司法分野では使用しないようにするため。

第5章(1)

1.「二つの福祉社会」の記述から、福祉社会の日米対比を削除。
〈趣旨〉アメリカ型の福祉資本主義による福祉社会と共産主義的福祉社会という二つの福祉社会を端的に対照させるため。

第5章(4)及びその他関連する箇所

1.「バリアフリー」の用語を原則的に「ユニバーサルデザイン」に変更。
〈趣旨〉障碍者包容政策の基本理念が、現時点では単なる障壁除去から普遍的設計へと進展していることを反映させるため。

第7章(3)

1.「新聞法人」「放送法人」を「メディア協同組合」に変更。
〈趣旨〉非営利的で非集中的なメディア運営組織形態としての特徴を明確にするため。

第8章(2)及びその他関連する箇所

1.「集団的棄権」の用語を「集団的不投票」に変更。
〈趣旨〉「棄権」の用語が醸し出す投票権の放棄という怠慢的なイメージを払拭し、積極的な革命の手法として、集団的に投票しないことをもってブルジョワ選挙政治体制の転換を図る趣旨を明らかにするため。

第9章(1)及びその他関連する箇所

1.「非暴力革命」の用語を「非武装革命」に変更。
〈趣旨〉「非暴力革命」の対語「暴力革命」がしばしば革命的勢力全般に対する弾圧を正当化する常套用語として乱用されがちな点を考慮し、武装して立たないという革命の手段をより強調するため。

第9章(2)

1.「世界共同体の漸次的な樹立を宣言する」の下線部分を「暫定的な樹立」に変更。
〈趣旨〉民衆会議を通じた共産主義革命においては、まず世界民衆会議の結成を通じた世界共同体の樹立が出発点となることを強調し、世界共同体の樹立は間延びした「漸次」でなく、先駆的な「暫定」であるべきことを示すため。

第9章(4)

1.「革命防衛連絡会」(革防連)の意義に関する記述の補正。
〈趣旨〉革防連が政治警察の代替組織と化さないよう、監視・抑圧よりも、啓発・包摂に重点を置くことを明確にするため。

2.軍の「高度救難隊」への一部再編に関する記述を追加。
〈趣旨〉軍備廃止計画の一環として、在来の軍組織の平和利用的な転換の一策を提示するため。

〇第9章(6)

1.完成憲章の発効要件として、連合領域圏では連合を構成する全準領域圏における直接投票を義務づけ。
〈趣旨〉連合領域圏を構成する準領域圏はそれ自体がまさに領域圏に準じた自立性を有することを重く見て、完成憲章の発効要件を強化するため。

第10章(2)

1.上掲第4章(1)の項目1に同じ。

第10章(3)

1.世界共同体暦の策定を追加。
〈趣旨〉人類史的な一大転換点となる世界共同体の創設を銘記しつつ、暦法の上でも世界共同体の一体性を担保するため。

2.世界共同体のエスペラント語表記をTutmonda KomunumoからMonda Komunumoに変更。
〈趣旨〉より簡潔で発音しやすく、覚えやすい単語とするため。

第10章(3)・続

1.「環境経済理事会」を「持続可能性理事会」に変更
〈趣旨〉世界共同体のレベルにおける環境政策と経済政策の融合を徹底しつつ、包括的な任務を有する主要機関とするため。

2.「人権理事会」を削除。
〈趣旨〉世界共同体における人権保障体制を司法機関としての人権査察院に一元化するため。

3.「人権審査院」を「人権査察院」に変更。
〈趣旨〉個別的な人権侵害事案に対する世界共同体司法機関による強制力を伴う調査及び審決が実現されることを明瞭にするため。

10章(4)

1.「平和維持警察軍」及び「航空宇宙警戒軍」をそれぞれ「平和維持巡視隊」「航空宇宙警備隊」に変更。
〈趣旨〉世界レベルでの軍備・常備軍廃止の趣旨を徹底するため、世界共同体に統合される二つの共同武力に関しても、「軍」の名称を冠さないようにするため。

2.改称された「航空宇宙警備隊」の概要に関する記述の変更。
〈趣旨〉平和維持巡視隊に準じつつも、その防空任務に照らし、部分的には既存の空軍に近い側面を持つことを示唆するため。

コメント