「サクラ」に魅せられて」

　今日も春まだ遠し、といった寒い天気です。先週東京では春一番が吹いたのですが、今朝のラジオの番組で気象予報士の森田さんが「春一番が吹くともう暖かくなると皆さん思っているようですが、しばらくは寒い日が多いのですよ」と言ってました。そうだったんですか、私も暖かくなると思っていた一人です。知らなかったなあ。でも、もう３月、サクラの便りも近いことでしょう。開花に先立って練馬区東大泉の牧野記念庭園記念館で「サクラに魅せられて～牧野富太郎と川崎哲也」の企画展が開かれています。


　日本各地の植物を採集、観察して多くの新種を発掘し植物学の父といわれた牧野富太郎博士は、植物の中でも殊にサクラが好きだったようで、庭園には博士が命名したセンダイヤザクラやウスガサネオオシマをはじめオオカンザクラ、ヤマザクラ、ミシマザクラ、ウワミズザクラがあります。川崎哲也は中学校で理科を教える傍らサクラの研究をし、約９０点のサクラの写生図を遺しています。牧野博士の教えを受け、採集や図画の依頼を引き受けていたといい正確な観察に基づく精密な図は他の追随を許さないとの評価を得ています。


　今回の企画展は川崎が遺した写生図を出版した「サクラ図譜」（アボック社刊）の原図と牧野博士の数々の資料を展示しています。特に写生図は本物のサクラがそこに咲いているような趣が感じられます。お二人に負けずにサクラがお好きな方はぜひ。今月３１日（木）まで。無料、火曜日休館です。お問い合わせは０３－６９０４－６４０３。